鏡よ鏡、25
「秀ちゃん、今日もくるのかなあ」
夕食のレーズンとアボカドとアーモンドを食べながらテレビを見ている。
「べつに来てもいいけど」
もしかしたら(おれのことが嫌いだったら、ヤラせないはず)みたいな前向きなこと考えてるかも、な。 「嫌いじゃないけど」 (おれが嫌いだったらイカないだろう)とか。
「女はイクためにいろいろと調節するから、イクんであって、好きとか嫌いとかは関係なくはないけど、それだけじゃないんじゃないかな」
ひとみはひとりで秀が考えていそうな事に独り言で応えていた。
氷を浮かべたビールグラスに入れた赤ワインを飲みながら、アーモンドをかじった。