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ここから先
部屋から出ると壁に寄りかかる捺姫が目を閉じながら何かを考えていた。
「何を考えているんですか。」
「ちょっとこれからのことをね。」
これからと言うのは俺たちの人生に関することとこの国の行く先のことだろう。
「これから俺達兄妹は戦うことになるんだ。それもAIっていう頭のいい兵器を壊しにな。」
褌が腰にぶら下げている鞘に手を置いて念じるように言う。
「それもそうだが一番は妹ちゃんだね。核との共振は成功。あとは妹ちゃんがそれを使いこなせるかだね。もし根を上げたり、心臓が止まってしまうことがあったらアルテミスに乗っ取られるかもしれない。そこだけは注意してくれ。」
重々しい話が終わると捺姫は自分の研究部屋に帰っていった。俺はキララが寝ている部屋に入った。捺姫が言っていた通り眠っていた。しかも幸せそうな顔をしていた。
「本当の妹じゃないのになんでこんなに胸が痛くなるのだろう。」
胸に手を当てそのまま妹に手を向ける。
「ごめんな」そういいながら頭をなでる。
そのままキララが眠っているベッドに顔を伏せ一緒に眠った。