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【60秒で一気読み! キャラクター小噺】 〜もしも、こんな○○がいたら

【60秒で一気読み!キャラクター小噺】 〜もしも、こんな初心に帰りすぎた政治家がいたら


【初心に帰ろう! 全員学生服で料亭政治】




「いや〜〜、たまにはこういうのもいいですな」


都内某所、大通りから少し奥まった老舗の鍋すき焼き屋。

外には黒塗りの外車が数十台列をなして停車している。

そう、この老舗店で、まさにこの国の中核をなす政界の歴々たちが密室政治を行っていた。

ただし、全員学生服でだ。


「初心に帰る。今度の選挙では志を立てたあの頃の気持ちで、真っ白になってやり抜きたいものですな」


世間的には政治家の集まりなどというといかがわしい印象も拭えない。

だが、ここでは隣につく女の子もなし。日本の明日に向けて熱っぽい話が続いていた。

つつく鍋もホカホカだが、議論も熱を帯びていた。

ただし、学生服で。


「まさか、我々が日本の真の舵取りをしているなんて気がつかんでしょうなあ。いや痛快痛快!」


火照った喉に冷えたビールが心地よく通った。

その時、ひとりの男が何気なく皆に尋ねた。


「ところで、初めて、ちゅーしたの、いつ‥‥‥?」


座が静まった。

鍋の火が消えたように熱が引いていくのを皆が感じた。


「い、いや、ワタシハそんなつもりじゃ‥‥‥」


質問者は狼狽し取り繕ったが、あのときの空気はもう帰ってこない。

助け舟にならないとこは重々承知で、中堅議員がビールを口に少し含んでから呟いた。


「スンナリ出来てりゃ、まっとうな道を選んでいたサ」


初心に帰りすぎた会合となった。



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