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いきなりの試練

はじまりの街


そう言う名前の街がスタート地点だった

この街の名に「まぁ、最初の街だし強くなったら戻る事ないから、街の名前は、いらなくても良いかな? 」

私はそう思いながらこの街の住人に話しかけて行く。


こちらが話しかけても同じ返答しか帰ってこない。

これはこのゲームのNPCノンプレイヤーキャラクターつまりゲームを作った人が、ゲームの進行の情報くれたり、各店の店員だったりだ

つまり意思が無くただのロボットみたいな存在だ。

最近のロボットは学習していろいろ覚えると、人と対話できるようだが、たかが一般人向けのゲームにそこまではしないだろう。


とりあえず建物の隅や置物など怪しい所は調べてこの街をぐるーっと回ってみた


発見できたのは回復カプセルが3つと100Pポイント

どうやら始めから与えられた装備が、現実世界のポイントカードの役目をするらしく、貯まったポイントを交換して買い物をするみたいだ。

成長する装備で、ポイントを貯めとけるアイテムと言った感じかな

私の場合はローブだし肌身離さない分、盗まれる心配が少なく都合が良さそうだ


ちなみに道具屋裏の樽からアイテムを発見したが、窃盗じゃない。

ゲームだからOKだろう。


せめて武器になる物が見つかればなと私は思っていた


武器屋も防具屋も宿屋の店員も私の旅を応援するだけで今は物を売ってくれそうもない。

回復カプセルを買い取る事もしてくれなかった。


気になる情報としてはレストラン。つまり仲間と出会う場所に今は入れない。

私がこの旅を出来るか出来ないかが試され、旅をしても問題ないと判断されると中に入れてもらえるようだ。


つまりレストランの店員に私は試されているようだ。


仕方なしに私は街の外に出て様子を見てまわる。


いかにもモンスターが居そうだと思える背の高い草むらが目の前に広がる

「始めは弱いやつを素手で倒して、経験値を貰ってレベルをあげよう」

私はそう言いゆっくりと草むらをかき分けて前に進む


結構歩いただろうか。その間一度もモンスターと遭遇する事はなく、至って同じ風景。つまり草むらが広がっている


しかし


「いた!? 」

目の前には赤黒い体に翼のあるでかい恐竜がうろうろと行ったり来たりしている

私の3倍の高さに検討付かないぐらいの胴周り


あれはドラゴン。間違いなくオープニングの恐竜に似たモンスターだ。


しばらく様子を見るが同じ場所を行ったり来たりだ。

引き返して、弱そうなモンスターを捜そうかという選択肢もあったが俺の性格上無理


なんせ


「 初めて会う敵にはとりあえず攻撃を仕掛けろ 」


もしかしたら、「普通の人は倒せない相手で、倒せば強力なアイテムが貰えるかもしれない 」


しかし、相手が物凄く強そうだ。

でも...。


でもやしかし!この言葉が私の行動を迷わせて本当のタイミングを逃してしまう


「じゃ! いつやるの!!」


そう言いうと私はドラゴンに猛ダッシュを仕掛け、殴り掛かった


だがしかし、「今でしょ!!」の言葉を発する事なく気付いたときは、はじまりの街の宿屋に寝ていた


起きて宿屋を出ようとすると店員に止められ20Pを請求された


手持ちはあと80P


私は改めてこの街を探るが何も見つからない。

仕方なく外に出て草原を探索するが、やはり他のモンスターと遭遇する事がなかった


そしてまたあのドラゴンの周囲に戻ってくる


考えられる事は一つ。あのドラゴンはどこかに弱点を持っていて倒せる


しばらく眺めているがまったく同じ行動をとるだけ。


「待てよ! 」

同じ行動をとるだけと言うことは必ず背後から攻撃をすれば良いのではないか?


私は試しに近くにあった石を拾いドラゴンの背中にぶつけた


「危なかった」

ドラゴンは物凄い勢いで振り返り周囲に睨みを利かす


見つかってはいない。

しかしドラゴンは少しづつ私に近づいてきた


「 身を潜めろ! 俺は草木の一つだ 」

そう思いながら通り過ぎるのを祈るしかなかった


「ふぅー 」

っと通り過ぎたことで一安心したかと思ったら、ドラゴンの尻尾が周囲の草を切るように振り払われた


それと同時に目の前は真っ暗になり起きたと時は宿屋に寝ていた


残り60P


「 整理しよう 」

私は宿屋でそう考える。

この街で始めは100P。今は60Pだ。

この数字は現段階増える事はなく、減る事はある。

そして戦いで収入が得られるとしたら、あのドラゴンを倒した時だけだろう。


つまりだ、あと3回宿屋にポイント払った時点で私はこのゲームで復活できなくなる


つまりこれがこのゲームをやっていけるかの試験なんだ


回復カプセルがあっても相手がつよすぎて全く意味がない


「 どうすれば良い? 考えろ! 」


私はあまり賢い方じゃない。それでも途中で諦めてしまいたく無いそんな人間だ


そうこうして考えているうちに、外は夕方を迎えていた


「 この世界には時間があるのか? 」


私はとりあえず夜になる前に、もう一度ドラゴンの様子を見に行く事にした


「なるほどね! 」

目の前のドラゴンは、どっしりと腰を下ろし周囲を見渡していた。

もう少ししたらドラゴンは寝る。私はそう確信した。


周囲を探しまわり、私は自分の限界に挑むぐらいの持てる石を探し、ドラゴンが眠るのを待つ

「 一撃で仕留めてみせる 」

その目は誰もが見ても、獲物を狩る目になっていただろう。


そしてドラゴンが頭を地に着け眠りだした


「バサッ!! 」

私の周囲の至る所からその音は聞こえてきた。


「なんだ!? 」

私は暗くなった周囲を目を凝らし見る

よく見ると何人もの冒険者。つまり私と同じプレーヤー達がドラゴンと戦闘を開始していた。


私も急いで素手で攻撃をしようと近づく。

ドラゴンは見えていないのか、起き上がりむちゃくちゃに暴れ回る


それを見た私は少し離れ攻撃のタイミングを伺う


鎧を纏う者は攻撃を受けても耐えきれるようだ。

しかし2度目の攻撃で姿を消す。影のようになっていなくなるみたいだ


剣を持つ者の攻撃はしっかりダメージを与えてるようだ


「ヨシッ! 行ける」

ドラゴンがひるんだ。私はチャンスとばかりに石を持ち投げつけようとした


すべての冒険者が行けるそう思っただろう。


しかしドラゴンは周囲を焼尽すかのような炎を吐き冒険者達を一掃した

もちろん私もその中の一人だった


残り40P、20P


しかしこれに構わず私はもう一度夜の草むらに向かった

ドラゴンの炎の範囲を見極める為だ


炎の範囲は思った以上に広く、ひるんで吐いてくるのがわかってからでは逃げ切れない。


それに気付いたのはベットの上だった

なんとか情報を手に入れる為ポイントを費やす。


残り0P

最後の挑戦だ

ドラゴンは間違いなくひん死の状態で炎を吐いているように思う

何か一工夫が必要だ


そこで考えついたのは弱っている所をなんとかする作戦だ


私は落とし穴作戦を試してみる

身動きを奪って攻撃する作戦だ

真っ昼間から大きな落とし穴を掘る。他の冒険者がはまらにようにずっと側を離れない


そして準備が整い

「 お前の体力はだいたいわかる 」

過去二回の戦闘で私はこのモンスターの体力のめどを立てていた

私は闇にまぎれチャンスをうかがう


「みんな! いったん離れろ!!」

私の声がはたして他の者に聞こえるのだろうか?

それすらわからない状態なのになぜか叫ぶ


その声が聞こえたのかはわからない。しかし何かに導かれるように冒険者達がモンスターから離れた

オープニングとはちょっと違うが、石を渾身の力でモンスター投げつけた


その石はまるで時が止まったかのように、ゆっくりとモンスターに向かって行く

そして「すぅー パッ!!」石がまばゆいばかりの発光した


そのまま吸い寄せられるようにドラゴンの元へ進んだ

しかしことごとくたたき落とされてしまう


光でこちらがわかったのか、ドラゴンがこっちを睨めつけてくる

それだけで私は体力を失ってしまいそうなくらいだ

ドラゴンは激怒して突進をはじめた


身動きできない!

私の足は言う事を利いてくれない

いや、私の意思は足に動けと指令を出しているのか?



「ドサッ!!! 」


その音と共にドラゴンが私の視界から一瞬消える。

恐る恐るゆっくり視線を下に傾けると、体の半分くらいが土の中に埋まったドラゴンがもがいていた


そして落とし穴にハマりながらもドラゴンが炎を吐こうとした


しかし

「ドスッ!」

鈍い音と共にドラゴンの上下の口を塞ぐように剣が貫通した


私と同じ冒険者だろう

身なりは旅人の服だろうか、他の冒険者と同じ服を着ている。最初から装備させられる服だ。


違ったのは剣だ最初に与えられる道具が剣だったのだろうか?

大きな剣だ。細身の人なら隠れられるのではないかと思えた剣だ


少し金髪系で体系は普通だろうか


「あれ!?」

ドラゴンが戦士を振り払った。吹き飛ばされた冒険者はしなやかな体つきに胸のふくらみを感じた


「女性だ?」

倒れ込んだ方を見るとダメージはあるが、まだ影になって消えていない

私は今が使い時と回復カプセルを投げると、女性が受け取りあわてたように飲み込んだ

おそらくこの女性もポイントが少なく今回が最大のチャンスと見たのだろう


私は近くに用意した大きめの石を持ちドラゴンにトドメを刺そうとしたが


他冒険者が私をはじき飛ばし、ドラゴンを囲んだ


そのときだった


「 バサッ、バサッ、バサッ 」

その音と共に風圧が発生し、冒険者達を吹き飛ばして行く


何が起きたと見上げると、同じ種類のドラゴン達が翼を羽ばたかせ降りてくる


「 何匹いるんだよ!? 」

そう言い私は苦笑いをする事しか出来ない

そして終わったなと思うしかなかった。


しかし降りてきたドラゴン達は傷つくドラゴンを掴みあげ、また上昇を始める


この際何人かの冒険者がちょっかいを掛けるがことごとく影になり消されて行く


私はこのドラゴンが去って行くのを見送る事しか出来なかった。


そしていつの間にか眠りについてしまったのか宿屋のベットの上にいた


「 宿代20P頂きます 」

そう宿屋の人が言うが私には払うポイントがない

残念だけど終わりかなそう思ったときだった


「 あら新しいスキルを覚えたんだね。記念に今回は宿代おまけしてあげる 」

そう言われ部屋を出る事が出来た


宿屋の出入り口に見た事のない機械が置かれている

今までなかったんだけどな


そう思い調べてみる。画面に手を置くと私の現在のステータスが表示された

レベルが上がっているしステータスのボーナスポイントも貯まっていた

現状だとどの能力も底上げが必要だ。そう思わせた


しかし自分らしさを求めたいと言うことから、体力、攻撃力、素早さに均等に割り振った。

なぜだろうか?狩人を職業に選んだのにレベルアップ時に、回復の値が一番上昇していたような気がした


そして新しいスキルを確認すると「 ??? 」

っとなっていた。


不思議に思い詳細を除くとスキルの名前は自分で設定してくださいとなっていた。


そして横に注意書きとして「親方より伝授されたスキル以外は、自分で名前を決めなくては行けないと書かれている」


ちょっとめんどくさい気がしたが、ここでも小一時間名前に悩む私がいた。

それにはちょっと訳があった。

このスキルは物体や魔力に光を宿す事が出来るとなっている。

宿された光は攻撃や回復の効果を発揮し形を変える事もできるという


何か棒に光を宿せば光の剣になる。

魔法としても使える。しかも形を自由に変化できるとくれば、かっこ良く光の鳥なんかも出来るかもしれない

「 まさに万能かつ自由度の高いスキルじゃないか! 」

そうとしか思えない私がいた

そしてこのスキルに『 光の導き 』と名をつけた


その後もしかしたらと思いレストランに向かうと、入り口の店員は「ようこそお出でになりました。 さぁ、中へ 」


と、私をこの冒険の入り口へ導いてくれた

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