私の分身
このゲームをやる為に、自分の分身となるキャラクターを作る事になった
どうやらこのゲームはキャラクターには、自分のあだ名や、名前をつけると、より楽しくプレイ出来ると思われると注意書きが合った
それにより、私は自分の名前であるタカヒロをキャラクターの名前に設定した
今度は職業だ
普通の世界には存在しがたい職業が選択可能だ
戦士・・・剣や斧、盾を装備し前線で戦えるだけの体力も備わっている
魔法使い・・・攻撃魔法を得意とし、遠くまで攻撃可能
僧侶・・・支援魔法や回復魔法を得意としている
狩人・・・弓に寄る攻撃を行い遠くまで攻撃でき素早さも速い
しかしこれにも注意書きがあった
どの職業を選んでも同じ武器を装備できる。
同じ魔法を使えると書かれている。
各職業の差は基本ステータスの上昇の仕方が違うだけとなる
また、ステータスはレベルアップ時に上昇する以外に、ボーナスポイントが貰え、各ステータスに割り振れると言う仕組みになっているらしい
ここで気になった事をメニューから探す
「 職業固有のスキルはどうなっているんだ? 」
これが意外だった各地方に散らばる親方と呼ばれる存在に話しかけると、その時までの行動が反映され、新たなスキルを何種類の中から一つ伝授してもらえるらしい
それ以外に極まれに習得する場合があるとされる
この辺は普通のゲームとはちょっと違いそうだ
「さて! 何を選ぶ?」
オープニングから考えると狩人も捨てがたい
待てよ矢が光を放っていた事から魔法の可能性もある
しかし基本体力と力は捨てがたい
迷う所だが、私は狩人を選んだ。
オープニングの矢が頭から離れなかったからだ。
そして最初にキャラクターのステータスが表示され、ボーナスポイントを割り振る事になった。
体力・・・数値が高いほど疲れにくい
力・・・打撃系の攻撃力を上げる
固さ・・・防御力を上げる
素早さ・・・速く動く事が出来る
魔力・・・魔法による攻撃力を上げる
回復・・・回復魔法の力を上げる
ほとんどどのゲームでもありきたりのステータスが並んでいた。
「 本当は職業に合った能力に極振りしたいんだよな 」
極振りとはすべてのポイントを同じ能力に振る事だ。
こういった手合いのゲームはたいがい、最強を目指すには力に極振りして、良い武器を手に入れれば、強くなれる。
MMOのゲームの特徴で強くなれば、沢山のネットの向こう友達から頼りにされ、会話が増える
それが楽しくてゲームが続けられると言うのがある。
「 でもなー 」
私はなぜかそれをためらった。
「 自分の分身だと思って、思いのままに育ててみるか! 」
きっと中途半端なやつになるだろうけど、自由でありたかった。そう思う気持ちが今回は勝った
そして見た目の設定だ
まずは性別の選択だったから男を選択
そうすると3等親ぐらいのキャラクターが表示された
現段階キャラクターは職業の見た目はしていない
半袖短パンの健康そうなイメージのキャラクターだった
ちなみにここで性別を女と選択していると半袖とスカートのようだ
私は好奇心からちょっとどんな見た目か試してしまった
その後顔や髪型を設定する。
これがかなりの種類があり、見た目を細かく設定できた。
かっこいいキャラクターにしたかったが、出来るだけ見た目をプレイヤーに近づける事でいっそう楽しめますと書かれていた為、私はかなりの時間を費やしながら自分に似せて行った。
だから多分完成度は高く似ていると思う
この後はまた他のゲームと変わった事を要求された
初期の装備をくれると言う
それがなぜか今、私の近くの写真を撮り、アップロードしろと言う
これにも注意書きとして例があった
まず最初に一度アップロードした写真は取り消せず、与えられた装備物は変える事は出来ない
それにこの装備物は事が出来ないようだ
そして鉛筆やボールペンは短刀を与えられる可能性がある
ボールなどは遠距離攻撃武器に
また洋服などは防具を与えられるが、始めは武器になるような物を選択した方がよいと書かれていた
そして一例の最後にこのゲームの先輩達のコメントが書かれていた
「 はじめは、割れない茶碗を投げて攻撃していました。武器が成長して円盤に変化!ちょっとは武器らしくなってきました 」
「 愛犬を武器に与えられた! 今でも一緒に旅してます。うちの子強すぎ! 」
「 傘が刀になりました!」
「 私の傘は魔法の杖 」
「うちの母親は召還獣ゴーレムだぞ! 」
このコメントからどうやら与えられた装備物は変化したり強くなるようだ。
なかなか想像力をかき立ててくれるじゃないか
掃除機や家電製品はのちに強いものに変化するのではないか?
小銭とかを写せば、そのうち札束でひっぱだく攻撃とか
私はそう思いこの時点でこのゲームを怪しいと思う事を忘れていた。
そして一枚の写真が撮られた
目の前にはパソコンとプリンターが写し出されている
「電気製品の最強のアイテムだろ! 」
しかしこの写真がアップロードされてしばらく待った後に私に与えられた装備は、お気に入りのローブという防具だった。
色あせた茶系のフード付きのローブ
なぜと写真をもう一度見返すと「これかよ!」
私はハンガーに掛かっていた服を眺める
パソコンの奥、部屋の隅に掛かっている服。
「 ・・・確かにお気に入りだ。 」
私はそうつぶやく。ファッションと言う言葉にはあまり敏感でない私、掛けられていた服も、もう何年着てるんだろうと思う
「 とりあえず貰えるものは変更出来ないし、旅立ちますか!? 」
そう言い私は武器も持たずこのゲームの中に旅立って行った。