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メガロポリス未来警察戦機◆特攻装警グラウザー [GROUZER The Future Android Police SAGA]  作者: 美風慶伍
第2章サイドB『魔窟の洋上楼閣都市』第1部『潜入編』
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第2章インターミッション・登場人物解説

今回は小休止して、登場人物解説です!

本作品『特攻装警グラウザー』の著作権は美風慶伍にあります。著作者本人以外による転載の全てを禁じます

這部作品“特攻装警グラウザー”的版權在『美風慶伍』。我們禁止除作者本人之外的所有重印

The copyright of this work "Tokkou Soukei Growser" is in Misaze Keigo. We prohibit all reprints other than the author himself / herself

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

インターミッション

登場人物解説4


【特攻装警関連】


■1号アトラス


 有明事件後、暴対がらみでベルトコーネの逃亡事件の追跡任務につくことになる。その後、複数の部署合同で捜査本部が設置されるが、ベルトコーネの足跡が洋上市街区の『東京アバディーン』にあることが判明したため、エリオットや相棒刑事である荒真田警部補とともに洋上市街区への潜入捜査を決行する。


■3号センチュリー


 有明事件にてしばらく主要担当地域だった渋谷を離れてたさいに、不当逮捕案件が発生していまい、その事後処理に追われていた。その後、通常任務を続けていたが、マリオネット・ローラの足跡を掴んだ朝・グラウザーに協力して洋上市街区『東京アバディーン』への潜入捜査に協力することとなる。


■4号ディアリオ


 有明事件以後、ベルトコーネ追跡の合同捜査本部へと参加。公安や情報機動隊の代表として活動している。


■5号エリオット


 有明事件での活躍以後、ベルトコーネ逃亡事件の合同捜査本部に警備部代表として参加。普段の重武装を外して一般捜査モードとなりアトラスや荒真田とともにベルトコーネ追跡任務に身を投じることとなる。。


■6号フィール


 かねてから問題となっていたフィールのイベント参加任務の問題を解決するために、特攻装警運営員会が召集される事となった。その席上、副総監の収賄問題が発覚、一気にイベント参加強要問題が解決する事となり晴れて本来の任務に専念できることとなった。


■7号グラウザー


 有明事件以後にてアンドロイド警官として必要な素養を身につけられるだけの成長を果たしたことで、正式な警察職員として登録されることとなり、朝刑事を相方として一般捜査任務に従事している。

 その後、有明の湾岸警察署管内にて発生したひったくり事件への捜査協力を行った際、ディンキー一派の残党の一人であるマリオネット・ローラの足跡を掴むこととなる。その逃亡先が洋上市街区の東京アバディーンである事を突き止め足跡を更に掴むため東京アバディーンへの潜入調査へと朝刑事や3号センチュリーとともに望むこととなる。


【警視庁関連】


■大石拳吾捜査1課課長


 フィールのイベント参加任務問題の解決のため特攻装警運営員会に問題解決を委託。これを解決に導く。その後、ベルトコーネ逃亡の際に発生した護送係員殺害事件の捜査のために合同捜査本部の中心的指揮を執ることとなった。その際、公安部との協力も行われる事となり難しい舵取りを迫られることに。

 

■近衛仁一警備1課課長


 ベルトコーネ追跡の合同捜査本部に対ベルトコーネ戦闘要員としてエリオットを代表として派遣することとなる。その際、エリオットを一般捜査任務仕様に換装してアトラスや荒真田に託すことに。実はかつて組織犯罪対策部の4課――すなわち暴対に所属していたことがあり都内の繁華街では『狼の近衛』の異名で呼ばれていた事もある。短期間だが荒真田と同じセクションに居たこともあり、先輩後輩の間柄である。

 

■霧旗彦次郎組織犯罪対策4課課長


 荒真田の上司にしてアトラスの身柄引受人。飄々とした性格で達観した物の見方をするおやじ(笑)、ベルトコーネの追跡捜査に関して組織犯罪対策4課からアトラスと荒真田を送り出した。アトラス配属当初から若い荒真田を組ませたのはこの親父であることが判明。暴対所属ゆえに風体は一歩間違うとそのままヤクザのおっさんでしかないとか。

 第2科警研で開かれた英国アカデミーとの交流会にも『怖がられる』との理由で出席を辞退している。


■荒真田康介警部補


 組織犯罪対策4課にて長年に渡り、アトラスとコンビを組んでいる相棒刑事。名目上はアトラスの指導監督役であるが、すでにその段階は終わっており暴対内部では唯一無二のアンドロイドと人間のコンビの完成形として評価は非常に高い。有明事件を終えて暴対の本来の業務に復帰したアトラスと再び行動をともにすることと成ったが、都内で発生したベルトコーネ逃走事件が発生したことで、その合同捜査本部に参加することとなる。そして、ベルトコーネの動向を調査した結果、ベルトコーネの足跡を把握。その逃走先として目されている東京アバディーンへと潜入を図ることとなる。

 アトラスいわく文章作成が苦手であるようで、常日頃から調書作成などにおいてアトラスの能力に頼っている。その事を霧旗課長から指摘されているとも。

 

 

■大戸島 基公安4課課長


 情報機動隊を統べる立場に在り、情報調査と収集活動に特化した公安4課の課長を務める。公安の活動によりディンキー一派の背後に見え隠れしていた謎の組織である『ガサク』の存在を突き止め、ベルトコーネ逃走の追跡捜査に合わせて、刑事部と公安部の合同による捜査本部設置を計画した人物。非常に冷静沈着であり、ともすると冷酷な印象を持たれがち。公安部と刑事部の仲の悪さは日本警察においては昔からだが、その事を気にしている素振りは全く無い。



【警視庁涙路署関連】


■今井槇子捜査課課長

 

 第1方面所属の広域管轄所轄署である涙路署の課長でグラウザーの身柄引受人。若くして課長職についた才女である。精神的にも人格的にも幼く若かったグラウザーの資質を認め、朝刑事とともに育て上げた。部下の一人一人の才能と個性を認め、それを積極的に伸ばす教育方針を持っている。他の現場課長が尻込みしたグラウザーの身柄引受と育成を苦もなく引き受けた度量の深い人物。

 その一方で、シングルマザーであり警察となる以前の学生時代に一人娘を出産し、子供を実家に預けて警察官としての二重生活を長年送ってきた過去がある。2年前に持ち家を持った事でようやく親子で暮らせるようになった事情がある。念願かなって親子水入らずの生活を得られたはずだが、捜査課課長としての仕事の多忙さから一人娘と一緒の時間を持てないことが目下の悩みである。

 なお、キャリア採用だが、シングルマザー故にその事が問題視されて本庁での出世レースからは早々に落とされたと言われる。本人は万年所轄を自ら望んでいると言われる。朝刑事いわく、怒るときは怒鳴ったりしないが一言一言が重いため、かえって説教がおっかないと言う。女性らしい深い包容力と細やかな神経の持ち主。

 

■飛島崇捜査1係係長


 涙路署の捜査課の捜査1係係長と課長補佐を兼務する人物。今井課長の右腕。今井とともに朝とグラウザーのコンビを見守る。今井が包容し見守る側なら、飛島は厳しく立ちはだかり指導する役回りである。妻帯者であり一人娘が居るらしい。

 

■朝健一刑事

 

 涙路署の捜査課の機動捜査係の捜査員で、特攻装警7号グラウザーの相方にして指導監督役。経験が浅いためうっかりミスが多いとの風評がある。

 有明事件では独断行動から迷子となったグラウザーを追跡してこれを保護することに成功、同時に敵に捕らわれていたガドニック教授を保護し救出している。その一方でディンキーの口車にのせられ判断を誤りそうになっていたグラウザーを叱咤。彼に刑事として、警察としての本来の役割を自覚させることに成功し、グラウザーがベルトコーネを撃破する緒をつかむ原因と成っている。

 実は粗忽者と言う人物評価とは裏腹に、刑事としての自覚は誰よりも強く、警察官としての任務への意気込みとモラルは人一倍高い。今井もそれを見抜いており彼とグラウザーを組ませた理由はそのあたりにある。なお彼の父親も警視庁本庁の有能な刑事だったらしい。

 有明事件以後、正式な捜査員となったグラウザーとともに湾岸有明にて発生したひったくり事件への捜査協力に向かうが、そこから有明事件の現場から逃走していたマリオネット・ローラの足跡を掴むこととなる。そして、3号センチュリーの協力を得て、ローラの逃走先である東京アバディーンへと潜入を決行することとなる。

 

【第2科警研関連】


■呉川友康技術主幹


 第2科警研の技術者の総元締め。第2科警研職員の中では最高齢。大久保とともにグラウザーの強化装備の稼働実験を行っていた。その後、打ち上げの宴席にて偶然にも旧友である菱旗と再開。関東サテライトリニア絡みのトラブルについて相談を持ちかけられる。


■大久保克己


 第2科警研の若い技術者で、第7号機グラウザーの開発責任者。

 グラウザーの強化装備である『2次アーマーシステム』の装着試験を行っていたが、不調に終わってしまう。その理由について色々と思案しているが、グラウザーのメンタル面での成長停滞が原因との結論を得て、解決策に頭を悩ませる事となる。その一方で、有明事件でのグラウザーの急速な成長に確かな成功の感触を得ており、今後の成長の余地にも期待を寄せている。

 

■金沢ゆき


 第2科警研のフィール専属開発チーム、通称F班の特別嘱託技術者。人体生活工学が専門であり服飾文化研究家でもある。ファッション・アパレル関連の知識を女性型アンドロイド開発に役立てるために、布平の誘いで第2科警研に参加している。

 グラウザーの極秘テストを終えた呉川や大久保たちに誘われて打ち上げに参加、同衾する事となった菱旗からHSSTとマグレブリニアとの違いについてレクチャーを受けることとなる。


■チャールズガドニック


 有明事件のあと、無事に英国へと帰国。その後もネットを通じて第2科警研や日本警察に協力している。


【一般市民関連】


■今井かなえ

 

 今井槇子の愛娘。多忙な日々を送る母とともに都内のマンションにて二人暮らし。だが母槇子があまりに多忙であるためなかなか一緒に居ることが出来ないでいる。もっともその事を気に病んでいる様子は今のところ無く、ネット越しのコミニュケーションを駆使して良好な親子関係を維持している。普段は自宅マンションのホームオートメーションシステムであるマリーに面倒を見てもらっておりマリーの事を母親と同じように深く信頼しているフシがある。

 性格は明るくてやんちゃ。好奇心旺盛で活発。趣味はロボット作成であり、パフォーマンスからレース、はてはバトルまで、様々なロボット競技コンテストに大人たちに混じって参加しては、天才児として注目されつつある。なおかなりのメカオタクPCオタクであるため、友人たちには「かなえにスマホやパッドを貸すとイジられすぎて壊される」との悪評が湧いている。

 新規開通する都市型リニア交通『関東サテライトリニア』の特別試乗招待児童に選ばれ、母とともに参加することが決まっている。

 


■ホームオートメーションシステム『マリアン』

 

 今井家の自宅マンションに備わっている高レベルAIホームオートメーション。宅内に固定された各種設備と独立行動するセグメントロボットからなるセパレートシステムタイプ。制限されたレベルだがそれなりの自我と自己判断能力を持ち多忙な今井槇子に代わり、愛娘かなえの毎日の世話をやいている。穏やかで丁寧な話し方が特徴。母槇子の指示と判断基準を理解した上で適切にかなえを指導し面倒を見ている。愛称はマリー。

 なお、母槇子は、娘かなえの世話をリアルタイプの家政婦アンドロイドや乳母アンドロイドに任せるつもりはなく、マリアンの様なホームオートメーションタイプのロボットの手助けを得るので十分と思っている。

 

■竹原ひろき

 

 有明事件にてグラウザーに保護救出された少年。同行していた父親もグラウザーに救出されており、多大な恩義を感じている。グラウザーとは友達としての約束をし合った中であり、グラウザーが人間ではなくアンドロイドである事を知っても、その態度に変わることは無かった。

 基本明朗で活発な少年で趣味は野球、レギュラーポジション獲得のために練習に励んでいる。ちなみに今井かなえはクラスメートで互いにじゃれあうほどの仲(笑)

 かなえ同様、関東サテライトリニアの特別招待児童に選ばれることに。


(筆者:ご都合主義? なにそれ?)

 

■前葉研次

 

 竹原ひろきのクラスメート。極めて仲のいい遊び友達で、やんちゃな悪ガキタイプ。テレビ番組のヒーロー物が好きでひろきと一緒に盛り上がる仲。兄からのお下がりのスマートパッドを使いこなしているが、かなえに弄られて壊されることを警戒している。

 

■新庄 みのり


 アトラスと同居する女性、事情通には“アトラスの内縁の妻”と揶揄されている。本来は証人保護の一環でアトラスが長年身辺保護を行っており、紆余曲折の末に相思相愛となり共同生活を営むまでになった。彼女の存在は警視庁や第2科警研でも認めており、第2科警研の新谷所長も彼女の存在を気にかけているほど。

 アトラスがアンドロイドであると言う事実を承知の上で、一人の男性として全幅の信頼をおいており、多忙で危険な任務と隣合わせのアトラスの帰りを健気に待ちわびている。

 長身の痩躯で折れそうなほどにシルエットが細い。長い黒髪のワンレンが印象的なスレンダー美人。


■福原 律花


 18歳の少女で喫茶店ウェイトレス、自称〝りっかたん〟渋谷の街を中心に歩きまわるプチ不良少女。センチュリーをしょっちゅう追っかけ回していて、センチュリーの彼女を勝手に名乗っている。両親によりネグレクトを受け極貧状態で子供時代を過ごしており母親に首を絞め殺された過去がある。そのため心理的に児童退行状態にあり10歳程度の精神年齢しか無い。母親の暴力から彼女を救ったのはセンチュリーであり、それ以来、センチュリーを家族のように慕っている。渋谷の109の脇階段が定位置で、そこで毎日センチュリーが来るのを待っている。なお、渋谷の街を徘徊する不良少女たちからはセンチュリーと確実に連絡がつけられる人物として頼りにされている。 

 白いロリータドレスと大きなティディベアがトレードマークである。


■菱畑 五郎


 HSST開発技術者で呉川の親友。関東サテライトリニアの開発推進責任者でもある。関東サテライトリニアの開通を祝いHSST開発技術者同志で祝宴を開いていたが、偶然にも同じ居酒屋にて第2科警研の面々を率いていた呉川たちと一緒になる。その後、呉川に関東サテライトリニアに対する妨害行為について相談を持ちかける事になる。


■物李 時尭


 池袋近くにあるカウンターバー〝S&W〟のバーテンダー。アトラス行きつけの隠れ家の様な店であり、アトラスのことをよく熟知している。60過ぎのベテランである。


■ハリー・ロンウェル


 センチュリー行き付けのプールバー〝ファーイースト〟のマスター、白人系米国人で元米軍軍人。負傷が原因で現役を退き今の店を開いた。店は在日米軍軍人のたまり場であり、センチュリーが非公式に潜入調査をする際の下準備や情報提供などで密かに協力している。



【闇社会/非合法社会〔市民系/独立系〕】


■ラフマニ


 洋上スラム『東京アバディーン』の片隅に住む日本とアラブ人のハーフの少年、戸籍のない外国籍私生児『ハイヘイズ』であり、似たような境遇の少年少女たちと共同生活を営んでいる。ディンキー一派の残党であるマリオネット・ローラを保護することとなり共同生活を営むことになる。

 目下、有明湾岸地区で引き起こしたひったくり事件の捜査対象となっている。

 

■オジー


 ラフマニとともに共同生活を営んでいる〝ハイヘイズ〟の少年。黒人系。


神雷シェン・レイ


 闇社会にて『闇社会最強の電脳の支配者』との異名を持つ凄腕ハッカー。特殊なウェアラブル端末システムを用いているらしく。ホログラム化した空間キーボードシステムを駆使する。東京アバディーンに潜り込んできたローラにテロリストとしての過去を捨てさせ、仲間として受け入れることになる。あらゆる敵から一目置かれる存在。

 

 

■クラウン


 正体不明のピエロ風の怪人物。神出鬼没かつ大胆不敵。大規模なイリュージョンのようなトリックを駆使して様々な場所に姿を現す天性のトリックスター。

 有明1000mビルからローラを救出し、特攻装警ディアリオを翻弄し、再逃亡したローラを追って東京アバディーンへと乗り込みハイヘイズの子どもたちを救出。さらには警視庁本庁庁舎内に潜入し日本警察に対して様々なアドバイスを残していくこととなる。

 一方で『死の道化師』の異名を持ち血なまぐさい過去も噂されている。どこまで本音なのな、どこからが邪悪な本性なのか、皆目見当がつかない。複数の配下を有していることが後に判明する。

 目下、マリオネット・ローラの事で、シェン・レイと同盟を結んでいる。彼にとりローラのことは保護対象だが、ベルトコーネの事は蛇蝎のように嫌悪している。ローラをなんとしても保護しようとしているが困難だと悟り、ローラがラフマニ少年に心を開いている様を見て彼に彼女を託すことを決めた。


【旧ディンキー一派残党】


■ローラ


 かつてのディンキー一派の残党の一人でマリオネットと呼ばれるテロアンドロイド。『光撃のローラ』の異名を持ち〝光〟を自在に操る機能を有する。小柄でありパワー面では劣っているが俊敏さと高速性能は群を抜く。

 一味壊滅の後、クラウンに保護されるが監視下に置かれた窮屈な生活を嫌い逃亡、放浪の末にラフマニと知り合い、彼に招かれて東京アバディーンへと足を踏み入れることとなる。

 一度は自分の殺人アンドロイドとしての過去から立ち去ることを考えるが、彼女の存在を認め、その力を『子どもたちの護衛』のために使うように求めてきた神電の言葉を受け入れ、ラフマニたちとともに暮らす意思を固める。その後、かつての血なまぐさい過去を捨て去ったかのように、歳若い幼母のようにハイヘイズの乳飲み子たちの世話をしてる姿が目撃されている。

 

■ベルトコーネ


 有明事件にてグラウザーに敗北した後に拘束され、警視庁の犯罪性アンドロイドの収容施設にて拘束されていた。しかし〝偽装沈黙〟と呼ばれる手段で警察の監視の目をかいくぐり、分析のためアンドロイド収容施設から科警研へと護送される時の隙をついて突如覚醒、大暴れして護送要員4名を殺害し再び逃亡する。

 その後、足跡を見失っていたが、後に河川ルートから洋上へと逃亡していたことが判明し、さらに洋上のスラム街区である〝東京アバディーン〟へと潜入を果たしたことが判明した。そのため、今なお警視庁の精鋭により追われる立場にある。

 そのキレやすく暴走しやすい傾向から、闇社会の中でも彼の存在は忌避されており、東京アバディーンの側からも敬遠されているのが分かっている。

 

 

【闇社会/非合法社会〔組織系/七審系〕】


■七審/セブン・カウンシル


 洋上スラムエリア東京アバディーンの闇社会に背後から君臨する非業組織の相互連絡評議会のようなもの。英語名がセブン・カウンシル、中国語名が七審(チーシェン)となる。利害も概念も全く異なる7つの組織が参加しており、東京アバディーンでの問題ごとの解決や力関係の維持などはすべてこの評議会において行われている。どの組織が優位ということはなくセブン・カウンシルに参加を認められたものは基本的に対等である。

 東京アバディーンに立つ高層ビル『ゴールデンセントラル200』に極秘の会合ルーム『円卓の間』が設けられており、問題事が起きるとそこに招集されることとなっている。


【参加組織】


■1:ステルスヤクザ・緋色会


 暴対法施行以後の日本において多くの暴力団組織が弱体化する中で、早期に地下潜伏マフィア化を果たし、一般社会から姿を消し、あらゆる行動を民間企業に偽装したフロント組織に代行させることで組織の存続を図った大規模暴力団組織。

 その後、時代の変遷に合わせてさらなる潜伏化、偽装化をはたし、その実態が見えないことから現在では『ステルスヤクザ』もしくは『ステルス』の異名を持つまでに至っている。大規模経済計画の行われている東京首都圏下で大規模の活動しており、その勢いは日本国内にとどまらず海外進出も活発だと言われている。

 ネット化、ハイテク化に熱心で、密造兵器製造や地下サイボーグ技術の導入などにも積極的だと言われている。警視庁でも最重要捜査対象として長年マークしているがステルス化が巧みであるため、その全容を掴むまでには至っていない。

 なお、首都圏を始めとする大都市で猛威を奮っているサイボーグカルト集団『武装暴走族』は基本的にステルスヤクザの下部組織・関連組織となっているところがほとんどである。


■天龍 陽二郎


 日本版マフィア組織であるステルスヤクザ緋色会の若頭筆頭で数多くの民間企業の背後に潜みながら利益を吸い上げる狡猾な男。普段は理性的な物言いをするが、本性は血の気の多い武闘派であり、ヤクザ社会の渡世や仁義には想像以上にうるさい面がある。そのため、ガサクとの二重契約を引き起こしたマリオネット・ディンキーに対しては、最大の御法度を犯したとして絶対に認めないとの立場を崩していない。その憎悪と怒りはディンキー本人の死亡が確認された現在でも、ディンキー一派残党であるローラやベルトコーネにも向けられている。


■氷室淳美


 貿易会社ブルームトレーディングコーポ総務部長と言う肩書を持つが、実態は緋色会配下1次傘下団体の統括責任者でれっきとしたステルスヤクザで緋色会の若頭である。整形手術で顔を変えておりかつての名は“カミソリ明石”と呼ばれた非常に狡猾で危険な男。天龍の弟分で四分六分の盃を天龍から授かっている。

 ディンキー・アンカーソンの足跡を追って緋色会周辺を探っていたセンチュリーと遭っており、氷室と交渉の末、ディンキーの足跡についての情報を提供を受けている。その際、センチュリーからはディンキーに潰されたメンツを取り戻すとの声を聞かされており、センチュリーの持つ人間的技量を高く評価している。その際の借りを返すため、ディンキー・アンカーソンの生死に関する極秘情報を持って近衛の前に現れている。近衛曰く、できるなら二度と会いたく無いほど危険な男。


■2:翁龍オールドドラゴン


 とある中華系大規模地下組織の実働戦闘部隊で古老・王之神(ワン ツィシェン)を筆頭として世界各地に支部を有している。優れた肉体鍛錬と高度な武装により生身の人間による戦闘集団を形成している。日本には極東支部が配置されており、その活動拠点となるのが中華系多国籍貿易企業『白翁グループ』である。日本における活動拠点は白翁グループ所有の高層ビル〔ゴールデンセントラル200〕で、王之神の直属の部下にして孫娘である王麗莎(ワン リーシャ)が白翁グループの総帥として活動している。

 なお、ゴールデンセントラル200は七審の集会拠点でもある。

 

■3:極東ロシアンマフィア・Zemli(ゼムリ)Brat’va(ブラトヤ)〔大地の兄弟の意〕


 ロシア本土の極東アジア系のロシアンマフィアに源流を持つ正統派のロシアンマフィアで、そのウラジオストック支部が規模を拡大して日本に活動拠点を設けた物。基本的に軍人崩れのメンバーが多く戦闘力も極めて高い。またロシア軍から横流しされる軍事兵器の密売や裏流出した軍事技術の提供、横流しされた発掘地下資源の密売などにより豊富な資金を有しており、それらを背景として高度にサイボーグ化された戦闘部隊を有している。

 リーダーはロシア人中年女性の『ノーラ ボグダノワ』で極東ロシア出身。ロシアの中央政界にも顔が利き非常に侮れない存在。豪腕な印象とは裏腹に穏やかな人柄で包容力があり、親しいものからは『ママノーラ』の愛称で呼ばれている。ちなみにママノーラは愛煙家で細葉巻が好みである。

 

■4:日系中華ソサエティ・新華幇


 日本各地の中華街や華僑居住地域でくらす在日中華系住民からなる表社会の中華系コミニュティで、合法的な存在。決して黒社会の構成組織ではない。東京都内の外国人居住地域に対する掃討作戦が行われた影響から合法的な在日華僑の一部が東京アバディーンへと居を移したため、非合法な闇社会組織から自らの身を守る必要から、日本国内の中華系住民コミニュティが連帯して新華幇が結成された背景がある。

 代表は、自らもセブンシーズロジスティクスと言う貿易会社を営んでいる伍志承(ウー シーチェン)で、日本名として大伍 承志(だいご しょうじ)の通用名を持っている。

 非合法な行為には手を染めないとしながらも、七審に参加している他の組織との取引や相互協力には積極的に手を貸していると言われる。

 

■5:アフリカ系人種ソサエティ・BlackBloodブラックブラッド


 アメリカ出身の黒人マフィア・Jaleel(ジャリール) John(ジョン) Gant(ガント)が10年の歳月をかけて、首都圏一円の黒人系の非合法グループをまとめ上げ、さらには非白人非アジア系の不法在留外国人を保護名目で取り込み、巨大ソサエティ組織を創りあげてしまった。

 首魁であるガントに対しては、卓越かつ豪胆な辣腕ぶりから闇社会から『モンスター』の異名が与えられ畏怖されている。アメリカの黒人系プリズンギャングともつながりがあるとも言われ、七審メンバーの中ではドラッグ取り扱いに関しては最も規模が大きい。またサイボーグメンバーによる武装化にも熱心であり対立組織に対する暗殺や抗争なども積極的に仕掛ける超武闘派である。


■6:中南米系ギャング組織・FamiliaDeLaSangre(ファミリア デラ サングレ)


 『血の家族』の意味を持つ南米系ギャング組織であり、麻薬密売や強盗、窃盗、暗殺、はてはテロ活動に至るまで金になる犯罪行為には何にでも手を染める。また南米の悪名高いギャング組織のMS-13ともつながりがあると言われている。

 重火器の入手に制限のある日本で活動をするにあたってサイボーグ技術に早期から目をつけていたと言われており、サングレに加入するにはサイボーグになることが必須とされている。メンバーのサイボーグ化率は七審の中ではトップクラス。

 これにはファミリアデラサングレを立ち上げたリーダーでメキシコ人マフィアの、ペガソ グエヴァラ クエンタニーリャの才覚によるところが大きい。

 野心的であり敵対者には血の報復をもって対応する残忍さが抜きん出ている。南米系のマフィアの日本進出の先鞭を切っており勢力拡大にとにかく野心的。敵対者には容赦のない超武闘派組織である。


■7:電脳マフィア・サイレントデルタ


 詳細不明、使い捨てアンドロイドによる集団で、何者かが遠隔で活動を行っている。実態が見えず電脳犯罪に大規模に関わっていることからアンドロイドマフィアとも言われている。リーダーは『ファイブ』の名で呼ばれているメカニカルアンドロイドで、完全なアンドロイドなのか、生身の人間が何らかの手段で偽装しているのかは目下のところ全く不明。東京アバディーンの街をその高い情報技術能力で絶え間なく監視しているとも言われている。

次回、特攻装警グラウザー

第2章サイドB第1話『魔窟の洋上楼閣都市』Part6『ママ』


28年11月4日夜9時半頃公開です!


(サブタイトルを一部変更しました)

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