インターミッション特別コラム【特攻装警グラウザー、2次追加武装システム『オプショナルアーマーギア』諸元ファイル】
グラウザー――その新たなる力とは?
インターミッション特別コラム
【特攻装警グラウザー、2次追加武装システム『オプショナルアーマーギア』諸元ファイル】
スタートです
【序文】
日本警察・警視庁にて開発・運用されているアンドロイド警察官『特攻装警』
第1号機の【アトラス】から始まり、現在、第7号機の【グラウザー】まで完成を見ている。
さらに第6号機のフィールをベースとした応用機、消防庁レスキュー用途の【フローラ】がロールアウトしている。
コレに加えて第8号機・第9号機が水面下で開発が進んでおり、いずれ行われるであろう特攻装警の量産化へ向けて着実に特攻装警計画は進展をみている。
この中で第7号機のグラウザーは、一般所轄での運用を想定しつつも所轄警察として求められる業務を広範囲にカバーするために多機能な統合機能モデルとして開発がなされている。すなわち、市民対応から犯罪捜査活動から、さらには暴徒制圧の非常戦闘に至るまで任務としてこなすことが可能なのである。
昨今の、犯罪事情の悪化にともない、市民警察レベルでも銃器の使用はあたりまえに行われる状態であり、また違法サイボーグやテロアンドロイドなど、機械化犯罪の驚異に対して、さらに能動的、かつ臨機に対応する事が急務である。
特攻装警第7号機のグラウザーは、これらの自体に対処可能なモデルとするために一般捜査活動に加えて、市民保護目的の非常戦闘から、違法存在の完全制圧のための重戦闘に至るまで、完全な対応が可能である事が求められている。
そしてこれを可能にする戦闘システムがグラウザーには与えられているのである。
当資料において、グラウザー専用の戦闘装備である【2次武装システム】の概要をここに公開するものである。
関係各所において、現場運用や犯罪捜査計画の立案などにさいして、適時参考にしてもらいたい。
なお、当資料は部外秘とし慎重な扱いを求めるものである。
文責:警察庁隷下、第2科学警察研究所、G班主任研究員:大久保 克己
【戦闘システム基本諸元】
システム正式名称〔2次武装装甲システム〕
システム通常呼称〔オプショナルアーマーギア〕
着用特攻装警 〔特攻装警第7号機・グラウザー〕
システム形式番号〔G001‐OpExt‐XXX1〕
システム形態 〔強化服プロテクター、脱着可能式〕
装着後身長高 〔190cm〕
装着後乾燥重量 〔113kg〕
運用責任 〔承認責任者:涙路署署長・国浦 弘三警視正 〕
〔運用責任者:涙路署捜査課課長・今井 槙子警部 〕
〔運用責任補佐:涙路署捜査課刑事・朝 研一巡査部長〕
【採用技術諸元】
■基本構造
〔高機能微細マシン自立結合再構成システム〕
セカンドアーマーギアは、極めて微細な高機能マイクロマシンで全体が構成されており、通常はグラウザーの着衣に偽装されている。これを戦闘行動の必要に応じて解体・再構成・結合する事で重装なパワードスーツアーマーとして稼働させる事を可能とする物である。
解体・再構成・結合の際には、グラウザーの体内の各所に設けられた『電磁レールガイド機構』により行われており、空間上に展開された電磁力場と、それを保持する磁性制御ナノマシンよって、構成単位である微細高機能マイクロマシンを制御している。
戦闘プログラムの起動により、電磁レールガイドによる再構成プロセスが開始され、指定されたプログラミングにより、通常着衣への偽装モードから、オプショナルアーマーギアとしてのパワードスーツモードへと、微細マイクロマシンの組み換え変換がなされる事となる。
このシステムにより、フィールやエリオットの時に問題となった追加装甲システムの着脱作業の煩雑さや、通常業務中の保管や運搬などの点が改善されている。また、この解体・再構成・結合の一連のプロセスを指して一般に『変身』と称されている。
〔4層構造基礎構造強化スーツ『アンダースーツ』〕
オプショナルアーマーギアの基礎構造であり、グラウザーが頸部から下のその体表上に装着する事となる強化スーツ。以下の4層から成る。
《①衝撃吸収層》グラウザー本人への衝撃到達を防止する。また打撃攻撃などの際に衝撃が装着者本人に返ってくることを防止する。
《②バイパス神経回路層》アーマーギア装着時の神経反応速度を拡張し加速させる追加神経網。アーマーギア自身の情報信号の伝達回路の役目も果たす。
《③身体能力増強層》アーマーギア装着時のパワー増強・スピード向上を行う追加筋力機構で薄膜人工筋肉からなる。
《④保護防御外皮》防弾防塵防爆の機能を持ち、熱・毒物・酸・アルカリなど外部からの浸潤を防ぐ。ベーシックカラーは白
〔疑似発泡構造性装甲ユニット『プロテクターアレイ』〕
アンダースーツの更にその上に装着・接続される事となる〝装甲部〟であり、また追加動力や各種メカニズム部、戦闘用武装部はこの装甲ユニット内に構成される事となる。
装着部位は頭部、胸部、背面部、腰側部の他に、脚部、腕部、両肩部となる。詳細は以下の通り。
《①頭部ヘルメット》鋭角的な角状の通信アンテナを一対(2本)持ち、頭部を完全に保護、さらには視聴覚を強化する電子アイ/高精度音響センサーを装備する。また、一番の急所である頭部を完全に保護するため最も装甲強度が高い。
《②胸部・背部・腰側部アーマー》装着者の胸部と背面の脊髄部、さらには腰の両脇を防御するための強固なアーマー。運動性能が犠牲にならない程度に可動性も残されている。胸部と背面部には情報処理システムの一部が内蔵されている。
《③ショルダーシールドプロテクター》両肩に装着される大型のショルダーアーマー、装着者の肩よりも更に大型であり、内部に攻撃用武装の各種電子装置や動力装置が内蔵されている。また両肩外側にそびえるようにシールドプロテクターが備わっており、通信用のレーダーアレイも兼ねている。
《④ハンドガントレット》肘から先を完全に防御するガントレットスタイルのグローブプロテクターで、近接格闘における攻撃力を維持出来るだけの硬度と握力を生じさせる。さらにはグラウザーの腕部に内蔵された武装の機能を補助する役割もある。
《⑤レッグレガートブーツ》大腿部の中ほどまでの長さのロングブーツスタイルのレガートアーマー。防御力増強だけでなく跳躍力・走力を強化し近接格闘時の攻撃力を強化できる。
■主動力
〔プラズマハートユニットVer2(出力変動制御型パルス駆動マイクロ核融合炉心+MHD発電ユニット)〕
超小型の強化型タンデムミラー核融合炉から供給されるパルス状高熱プラズマを、付随するMHD発電ジェネレーターで電力に変換するもので大電力を安定して供給でき、また出力の一時的な増強も可能である。出力が心臓の拍動の様に脈動することからこの名がついてる。グラウザーにはアーマーギア装着に対応するため、一時的な出力増強性能をより強化した特性のVersion2が採用されている。
グラウザー本人に内蔵されている他、アーマーギア内にも小型の物が2機内蔵されている。
〔高スピンエネルギードライバー〕
金属原子などの重イオンを超々小型の線型加速器で衝突させ、その励起反応により発生する高エネルギーを電磁気に変換し、半永続的に電力や電磁気反応をとりだすもの。永続的に安定して動作するが爆発的な出力アップが苦手である。両腕部と両脚部にそれぞれ合計4機そなわっている。
■駆動源
〔電動性人工筋肉(電圧動力線+制御信号線分離駆動型)〕
電気で伸縮する繊維型マイクロマシンを連続配置し、筋肉としての体裁をとった金属人工筋肉。動力を供給する動力線と作動信号を供給する信号線がそれぞれ独立している。人工筋肉の組織内に変換アンプを内蔵しなければならず構造は複雑だが安定性/安全性の面で優れる。技術的ブレイクスルーを果たし生産コストの削減に成功。大規模採用が可能となった。アーマーギアには特に薄型構造の薄膜モデルが採用されている。
■基体情報制御
〔超高速光量子インパルス神経ネットワークシステム〕
アーマーギア全体の内部信号伝達に用いられている物で、光ネットワーク網で形成されている。その際、たんなる光通信網としてではなく量子反応による同期伝達を組み入れることで、光速度の信号の壁を超えることに成功している。
〔多重化人工脊椎システム〕
特攻装警にはセンチュリー以降、人間の脊髄を模した人工脊椎が採用されている。小型のニューロネット型コンピュータを高速のネット網で直列に繋いだものであり、中枢頭脳を介さずとも『生物の反射』に相当する処理ができる。また、メインの中枢頭脳とは別に、運動機能の制御だけに働く高速のニューロネット型コンピュータが設けられている。(これは人間の小脳にあたる)
アーマーギアには背部にグラウザー本来の人工脊椎とは別にもう1系統人工脊椎が備えられている。これによりグラウザー自身の負担を軽減することが可能である。
〔大規模高速ネットワーク対応情報管制システム〕
警察関連はもとより民間系や政府系の様々な通信回線と複数同時に高速アクセスを行い極めて高度な情報管制を行うためのシステム。フィールの2次武装装備に採用されたシステムで、グラウザーのアーマーギアにも採用された。他の特攻装警や警察関係者の通信システムと協調連携する事を可能とするものである。
〔戦闘プログラム独立起動システム『BOシステム』、マインドOS包括内蔵タイプ〕
特攻装警において、エリオットはその体内に各種の重火器を内蔵し、フィール/グラウザーは装着式の2次装甲/武装を、それぞれ保有している。
彼らのその戦闘装備の制御プログラムは、通常の彼らの意識や自我とはまったく切り離されて存在している。これは危険な武装を通常は容易に使用できないようにするためと、攻撃的な要素が非常に強い戦闘制御プログラムがデリケートな人格プログラムであるマインドOSに悪影響を及ぼさないようにするためである。そのため、戦闘武装をハードウェアと制御プログラムを状況や必要に応じて起動/接続して戦闘装備を使用するのがこの〝BOシステム〟である。
エリオットやフィールの場合、戦闘制御プログラムは人格システムと完全に切り離されて存在しているため、戦闘制御プログラムが稼働すると戦闘プログラムに〝引っ張られる〟ためか、性格傾向の変化が顕著に現れる欠点がある。
グラウザーではこの問題を解決するため、戦闘制御プログラムを人格システムであるマインドOS内に、あらかじめ内包・抑制させておき、これを必要に応じて〝闘争本能の発露〟と言う形で戦闘制御プログラムを起動運用する形式としている。
これにより性格傾向の顕著な変動を可能な限り少なくする努力がなされている。
だがグラウザーはこのシステムが仇となり、基本人格システムの成長プロセスに遅延が生じており、正式配属の遅れとして現れてしまった問題が生じている。
なお、BOとはBoosted Offenseの略称である。
〔主頭脳内エンジェルレイヤー完全同期連動サブ頭脳群システム〕
エンジェルレイヤーとは――、6号フィールと7号グラウザーに採用されている〝超小型サブ頭脳群高速並列連動リレーショナルシステム〟で、100以上の超小型の多機能AIユニットのネットワーク網を主頭脳であるクレア頭脳の周囲に設け、主頭脳の機能を大幅に拡張し、また多元的な高機能化を可能とする補助頭脳システムの事である。
人間の正脳の〝脳幹〟〝旧皮質〟〝新皮質〟に相当する3層の更に上位である人間以上の能力をもたらす頭脳構造を意味する目的で〝天使の階層〟の意味で〝エンジェルレイヤー〟の名称が与えられている。
グラウザーのアーマーギアでは、さらにメイン頭脳部のエンジェルレイヤーを補助する言わば『頭脳の第5層』と言うべき追加レイヤーが設けられている。これによりアーマーギア装着後に大幅に増える攻撃武装や情報システム群を効率よく処理することが可能となるのである。
【主要武装/特殊機能/拡張機能】
■拡張機能系統
〔オールレンジ電子アイアレイ〕
ディアリオ以降の特攻装警に内蔵されている眼球システムの〝オーレンジアイ〟――眼球の受光機能部が通常の可視光線の範囲を超え、ほぼあらゆる周波数の電磁波を映像として見る事が可能となっている。
グラウザー本人の視覚機構に内蔵されているが、アーマーギアの電子アイを加える事で、視界や視力などを強化し、アーマーギアによる激しいアクションや高速戦闘時の視界確保を効率よくすることを目的としている。
〔マルチパーパスレーダーブロック〕
フィールに内蔵されているものとほぼ同等の内蔵型の多目的レーダーで、通常、特攻装警たちに与えられている複合通信アンテナよりも、早期警戒用の監視レーダーとしての傾向が強い。また、鋭敏な方向探知能力を持つ。
レーダー機能の電磁波発信を応用して攻撃用のショックウェーブを発生させる事も可能であり周波数や出力を変換する事により、全身を帯電させたり超音波を発生させたりできる。フィールの場合これを〝ショックオシレーション〟と読んでいる。
グラウザーの場合、アーマーギアのショルダープロテクターとハンドガントレットに内蔵されている。ただし出力は大幅に増強されておりジェネレーター容量は7.8倍にまでアップされている。チャージ時間も大幅短縮に成功している。レーダーなどのセンサー用途よりも攻撃・防御用途での使用が重視されている。
■攻撃武装系統
〔ショックハーレーション〕
フィールが有していた固有機能ショックオシレーションの機能強化版。より効果範囲と出力が増強されており、こなせる機能手段が増えている。対機械戦闘での攻撃力強化を想定した装備機能。
特にハンドガントレットの拳部に内蔵されたショックオシレーション機能部は、拳打の打撃時に〝電磁破砕効果〟を生じさせる事で厚さ十数センチの鋼板すらもぶち抜く威力を発揮できる。この時の機能名を【オメガハンマー】と呼んでいる。
〔エレクトロウォール〕
アーマーギアのショルダープロテクターの外側面の片側に内蔵されている機能で、障害物や飛来物に対して、電磁破砕マイクロ波を瞬間的に高圧発信することで、鉄壁の防御を行うもの。本機能の使用時には身体の片側を、目標方向に向け片腕を縦に構えて頭部を保護するような姿勢をとる。
〔パルサーブレード〕
〔マイクロアンカー〕
右ハンドガントレットに内蔵されており機能的にはアトラスの物と同等。
『パルサーブレード』は、通常はアトラスの両拳内に圧縮収納されている高周波振動サーベルで、近接戦闘/対物破壊用。高周波振動により、高い切断能力を発揮する。刃渡り60センチ程度。第2科警研で開発された新素材・“帯電膨張合金”で作られている。
『マイクロアンカー』は、電磁式カタパルトにより射出される小型アンカーウィンチで、グラウザーのアーマーギアのモデルは射出速度よりアンカー先端部の制御能力が高くなっており、アンカー先端部の飛行軌跡をグラウザーが意図したとおりに制御することが可能。さらに重量物の起重能力も強化されている。
〔電磁レールボウガン〕
左ハンドガントレットの左腕前腕部下側に装備されている電磁レールガン式のボウガン。銃身に小型カメラが備わっており、グラウザー本人の視界が効かない状態でも照準する事ができる。威力を自由に制御可能であり連射も可能。状況に応じて対物対人のその両方で使用する。エリオットの物と同等品だが携行弾数は若干少なめである。
〔レッグパイラー〕
レガートブーツ下腿部に脚底面に向けて装備された撃ち込み式の杭でΓ128チタン製。戦闘時などにおいて主武装の使用時に自分自身を固定するためのものであるが、キック時に併用して敵目標物の防御装甲を突破する使い方もある。こちらにもショックハレーション機能が設けられており、攻撃能力を増強する意図が込められている。
〔タランチュラⅡ〕
両腕の指に備えられた単分子ワイヤーの射出装置、フィールに装備されているものの改良版だが、グラウザーの物はさらに横糸を自動的に付加することができ捕獲用の網にもなる。アーマーギアの装着時に使用を想定しているが実は通常時にも使用可能である。
〔プラズマブラスターⅡ〕
左前腕内に装備された強化タンデムミラー型プラズマ炉で、水素とヘリウム3による超高純度の超高温プラズマ(瞬間最大温度3万度)を生成し、それを左手部周囲の磁力ユニットでコーン状磁場を作りプラズマ流を敵へと叩き付ける攻撃兵器。
1回分のプラズマ燃料しか持っていない事や、発射までに約7秒の待機時間が必要なため、発射タイミングを計るのが非常に難しい。また、発射後は左手が高熱にさらされるため左手の人工皮膚を貼り直す必要がある。このため、グラウザーの左手は簡単に脱着交換が可能だと言われている。(作中において指先の皮膚が剥がれやすいとグラウザーが言っているのはこのためである)
〔ライトニング・リフレクション〕
体内の高スピンエネルギードライバーで精製した陽電子を、両肩のショルダーアーマー内の集電セルに集め、そこで周囲の大気中の自由電子と反応させ、発生した膨大なエネルギーを電磁波に変換、これを敵に向けて収束放射する攻撃武器。しかし、攻撃時に発生する強烈な電磁ノイズが問題であり周囲の電子機器に多大な障害を引き起こす場合がある。この問題がクリアできていないため正式運用は今だ許可されていない。
典型的な『禁則事項機能』に該当する装備である。
〔エアジェットスタビライザー〕
エアダクト形状の一種のジェット推進装置、フィールのマグネウィングの小型改良版であり小型ながら比推力はほぼ同じである。しかし、グラウザー自身の自重が重いため加速移動の補助などの用途が主になる。
■外部装備
〔MFバスター(MultiFunctionBustergun)〕
デザートイーグルとほぼ同じ大きさの特殊ハンドガンで、砲口内径は3センチ、筐体外形は6センチ。筒状の構造を持った多機能銃である。普段はグリップを折りたたまれて腰の後ろに収納されているがグリップを展開して使用する。
発射する弾体や飛翔物・放射エネルギーを多彩に切り替えることができるのが特徴でオプショナルパックを銃身後部に連結することで更に機能性を広げることが可能。使用時のエネルギー供給はグラウザーからの無線・有線の両方を用いて行われる。標準的な機能は以下のとおり――
《①超高温ブラスター》
高圧マイクロ波と消耗性ナノマシンを併用することで瞬時に最大温度1500度まで加熱可能なマイクロ波エネルギーを直線放射するもの。
《②フレームスローワー》
火炎放射器。放射時間は120秒。到達距離は180m。銃身後部に専用の超高圧圧縮アセチレンボンベを連結して使用する。
《③カーボンフレシェット》
待機中の二酸化炭素や窒素を回収して分子固定、直径2ミリ、長さ13センチの超硬化カーボンフレシェットを高速生成、電磁レールガン機構にて射出する。一発発射してから次弾を発射するまでのインターバルは12秒
《④)ニードルガン》
銃身から長さ2ミリ、直径0.002ミリの微細な金属ニードルを数万本を高圧ガスで一斉発射するもの。目標物を瞬時にしてボロボロにしてしまう。銃身後部に専用カートリッジを装着して用いる
《⑤レーザープラズマガン》
目標物表面に到達した時に目標物表面をプラズマ化させる電磁レーザーを発射するレーザー兵器、致死性から非致死性まで用途が広いのが特徴。アトラスが保有するレッドパイソンと機能は同じである。
《⑥マグネガン》
コヒーレントな指向性磁場を放射する兵器。電子機器の破壊などにもちいる。応用として離れた場所の帯磁可能金属(鉄など)を引き寄せたり、斥力で磁性物体を飛ばしたりする事が可能。この機能を応用した幾つかのアタッチメントが準備されている。
【総評】
非常戦闘能力はフィールの2次アーマーの概念をさらに発展させ、アーマーそのものを適時に微細分解可能なマイクロマシンの結合体とする事でより随意にスムーズに脱着可能としている。その戦闘能力のレベルはセンチュリーやエリオットと十分に比肩する物であると同時に、センチュリーの白兵戦闘能力を重視しており、一対多数の近接白兵戦闘においても、優れた性能を発揮できると言われている。
これにより増悪の一途をたどる違法サイボーグ問題や、テロアンドロイド案件においても、有効な決定打となり得ると考察する物である。
次回――
第2章エクスプレスサイドB第1話〔魔窟の洋上楼閣都市55]
【決戦・怪腕と剛拳】
公開予定は翌年1月11日夜九時を予定とします