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メガロポリス未来警察戦機◆特攻装警グラウザー [GROUZER The Future Android Police SAGA]  作者: 美風慶伍
第2章サイドB『魔窟の洋上楼閣都市』第6部『決戦編』
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サイドB第1話『魔窟の洋上楼閣都市』決戦編幕前『道化師より一言』

あらたなる物語が始まる前に


あの道化師から一言

幕前 ―道化師より一言―



 これはこれはご観覧のみなさま

 (わたくし)サーカスパフォーマンス一座【プレアデス・クラスターズ】座長『クラウン』と申します。


 なんですか? その驚いたような顔――

 

 なに? 単なる賑やかしの愉快犯だと思ってた?

 失礼な! コレでも立派なエンターティナーですよ! 私は!

 世界を股にかけて、欧州、南米北米はもとより、アフリカ、ユーラシアと世界中を巡ってまいりました。

 でも――

 実は日本上陸はこれが初めてなんですよね。

 今度の3月に横浜のみなとみらいにて特設テントを設置してショーを行いますので、その際はお誘い合わせのうえでご観覧ください。

 

 でわでわ――……‥‥

 

 ――じゃない! 違うでしょ!

 

 さてみなさま。本題に入りましょう。

 皆様はどれだけご記憶でしょうか?


 物語は思い起こせば、横浜の南本牧のコンテナ埠頭から始まりました。

 日本上陸を果たそうとして何やら悪巧みをしている年寄りのテロリストが一人。

 そして、その周りに一物も二物も抱えながら深謀遠慮の裏の社会の人間があちらこちら。

 さしずめ、狂犬とハイエナの騙し合い。

 それに気づいた優秀なヒーロー達が港町横浜の片隅に駆けつけますが、熾烈な戦いを二度も繰り返した末、小悪党は打ち倒し捕縛できたものの、一番肝心なテロリストの親玉と、その子分の人形たちは見事に逃げられてしまいました!


 うーん残念!

 

 とまぁここまでが最初のお話。


 この時、腕を砕かれたアトラスと、手首を切り落とされたセンチュリー、完全に鼻であしらわれたフィールと、まるで良いところがなかったのが特攻装警のお歴々。


 深い屈辱を味わい、雪辱の時を心に誓うのでした。


 さて――

 

 日本のステルスヤクザの御仁をまんまと出し抜いて、日本上陸を果たしたテロリスト、ディンキー・アンカーソン――

 彼が狙うのは、海の遥か彼方の国・イギリスからやって来た『英国王立科学アカデミー』の面々。


 その中には、今や世界のアンドロイドの頭脳の九割方を掌握していると言われるクレア頭脳の生みの親、チャールズ・カドニック博士がおられます。


 英国憎しのテロリスト、世界に冠たる英国人天才科学者、


 この二人が、日本で同じ場所に集うのです!

 何も起きないわけがない!

 大騒動となることお立会い!


 いや私ねぇ! こういう騒動大好きなんですよ!

 だから実は、日本警察や特攻装警の皆さん方を出し抜いて、あそこのビルの中でこっそり様子を伺ってたんですよ!


 え? あのビルってなんだって?

 あれま! ご存じない?

 あそこですよ!


――有明1000mビル!――


 そう、今や日本の、いや、アジア最大の〝ランドマークシンボル〟

 日本の持つハイテクの限りを尽くして構築された予定高1000mにまでなるという超大型構造物!

 そしてその最上部で行われるサミットイベントにあのテロリストの爺さんが必ずややってくるものと踏んだのが、日本警察の方々!

 厳重なる警備の下、鉄壁の布陣が貼られますが、奮闘虚しく、残念ながらテロは起きてしまうのです!!


 孤立する最上階層!

 襲われる来賓たち!

 これを守るべく日本警察の精鋭たちによる死闘が繰り広げられました。

 結果は、来賓たちに重篤な死者は出なかったものの、精鋭部隊である武装警官部隊は防戦一方で多くの殉職者負傷者を生み出す結果となってしまったのです。

 そしてついに、立ち上がったのが誰であろう――


 そう! アンドロイド警察官【特攻装警】!!


 そして今こそ、あの横浜港の南本牧埠頭での雪辱を晴らす時でございます!


 アトラス、センチュリー、ディアリオ、エリオット、フィール――

 そして、グラウザー!

 彼ら6人の死闘の結果は、その当時の物語に結果を譲るとして、熾烈なる戦いの後に一抹の安息が訪れたのです。


 そう――


 あのマリオネット・ディンキーの、2体の忘れ物が姿を現すまでは――

 それが昨年の、クリスマスの聖夜の夜でございました。


 その二人の忘れ形見のうちの一人、か弱きアンドロイドの少女『ローラ』嬢の方は故あって私が保護させていただきました。


 あ、私の部下の化けガエルがミスをしたせいであっさり逃げられましたが。

 まあその甲斐あって、少しばかり勇気のある少年に出会いローラ嬢を委ねることとなりましたが。


 その後、彼らにとっても微温な日々が続きます。

 東京アバディーンと言う洋上のスラム都市で、行き場を失った孤児(みなしご)たちと肩を寄せ合いながら健気にも力強くきます。

 そして、誰も恐れるテロアンドロイドだった彼女は、いつしか〝慈しむ心〟を身につけ〝ママ〟と子供達から呼ばれるようになったのであります。


 しかし――


 運命とは残酷なものです。

 そして、とことん意地悪なのです!

 もしかすると、神様というのはものすごくへそ曲がりなのかもしれません。

 まぁ、私は神様なぞ信じておりませんが。


 人々が孤児たちのな日々を見守り認めるようになったその矢先――


 あのいかれた老人の置き土産、狂える拳魔が姿を現したのです。

 そしてかつての仲間を自らの配下に呼び戻そうと魔の手を伸ばしたのです。

 悪いことは重なるものです。

 あの洋上スラムの密集都市の中で――


 チャイニーズマフィア

 ロシアンマフィア

 メキシカンマフィア

 カラードギャング

 ステルスヤクザ

 サイバーマフィア


――実に恐ろしい闇の住人たちが、狂える拳魔に狙いをつけてその身柄を捉えようと動き出したのです。


 それはまさに死のゲーム、

 ゲームマスターの居ない命を対価としたギャンブル、

 誰が的球で、誰が手玉かは分かりません、


 正体不明の存在がチラチラと姿を垣間見せる中で、

 武装警官部隊のはみ出し者、犯罪者憎しの思いに歪んでしまった黒い盤古と呼ばれる公安直下の武装サイボーグ集団まで介入してくる始末。


 そして最悪の時は訪れます。

 狂える拳魔こと、マリオネット・ベルトコーネに〝破滅的暴走〟の事実とその可能性が発覚したのです


 絶望の時はせまります。

 破滅の瞬間はもうすぐそこです。

 誰もがこの状況を制御しきれずなすすべなく終わりなき殺戮の時を迎えるのだと覚悟した――


 その時です――


 そう!

 彼らが現れたのです。

 特攻装警――日本警察が誇るアンドロイド警察官、そして未来を担う〝正義の味方〟


 ですが彼らもまた壮絶なる苦闘を強いられる事となります。


 アトラスは、消息を絶ち。

 センチュリーは、狂える拳魔の前に右腕を粉砕されます。

 ディアリオは、数百メートルの都市上空から洋上スラムの真っ只中に突き落とされます。

 エリオットも、アトラス同様消息不明。

 フィールは、闇の住人のサイバーマフィアに対し果敢に挑みますが全身を大破しやむなくリタイアします


 もはや、この世界の守り手など誰もいないのではないだろうか?

 なすすべなく暴走する殺意を食い止めることなどできないのではないだろうか?

 そう思うしかありませんでした。


 ですが、人の意思は止まりません。

 生きようとする意思、

 隣人を愛する思い、

 そして何より、平和を希求する願いは絶えることがないからです。


 襲われた孤児たちを救おうと町の人々が手を差し伸べます。

 狂える拳魔を食い止めようと果敢に立ち上がる人々が現れます。

 ロシアンマフィアの精鋭部隊【静かなる男たち】その一つです。


 そして――


 忘れてはなりません。

 日本警察には、そして特攻装警には、

 未来の担い手が居るということ!


 そう!

 皆さんは知っているはずです。

 希望を信じ、純粋な心を持ち、聡明なる視線で明日を見つめる彼。

 怒れる時には自ら白磁の鎧を纏い、正義の力を腰する存在。


 皆さんご存知でしょう? 彼の名前を。


 さあ! 一緒に唱えましょう彼の名を!

 

 これから始まる決戦の舞台で立ち上がる一人のヒーローの名を!


 彼こそは【特攻装警グラウザー】!!

 彼の戦いが始まります!

 その行く末をとくとご覧ください!!


 それではまたどこかでお会いしましょう。


次回

サイドB第1話〔魔窟の洋上楼閣都市54]


【決戦・1VS10(ワンブイエステン)


次回更新は12月21日(金曜日夜)の予定です






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