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第97話 小さな挑戦
週末、二人で市内のアスレチック施設へ出かける。
「これ、挑戦してみようか」
彼が笑顔で指をさす。
「うん…でもちょっと怖いかも」
少し緊張しながら答える私。
高い場所や不安定な足場。
手をつなぐかどうか迷う距離感。
「手、つないでもいい?」
彼が小声で尋ねる。
「うん、嬉しい」
微笑みながら頷く私。
手を絡めるだけで、
胸の奥がじんわり熱くなる。
視線が合うたび、心臓が跳ねる。
アスレチックを進む間、
互いの体温と呼吸が近くなる。
緊張と甘さが交互に押し寄せる。
「怖くない?」
私が聞くと、彼も少し笑いながら
「君がいるから大丈夫」と答える。
挑戦を終えた後、肩を寄せて歩く。
汗と疲れが混ざった温もりに、
甘さの余韻が残る。
小さな挑戦も、
二人の距離を測り、絆を確かめるきっかけになる。




