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第96話 夜の余韻と日常
翌朝。
特別な夜の余韻がまだ心に残る。
朝食のテーブルで、自然と肩が触れる。
軽く肘が絡むだけで、胸がじんわり温かくなる。
「昨日は楽しかったね」
小声でつぶやく私。
「うん、俺も」
彼が微笑む。
日常に戻ったけれど、
触れ合いや視線の一瞬一瞬が、
甘さの余韻を保つ。
手はまだ絡めない。
でも、距離感を意識した視線や微妙な触れ合いだけで、
心臓が少し速くなる。
仕事や日常の話をしながらも、
自然に肩や肘が触れるたび、
昨日の特別感が胸を温める。
「こういう日常も、悪くないね」
彼が小さくつぶやく。
「うん、幸せ」
微笑み返す私。
特別な夜と日常の距離感。
両方が混ざり合うことで、
恋人としての絆は少しずつ深まっていく。




