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第93話 小さなすれ違い
週明けの夕方。
仕事帰りの二人。
駅で待ち合わせるが、少しの遅れで空気が変わる。
「ごめん、ちょっと仕事が長引いちゃって」
彼が息を切らしながら謝る。
「大丈夫…でも、ちょっと寂しかった」
少しだけ拗ねた私の声。
彼は眉をひそめ、慌てて手を伸ばす。
「ごめん、本当に。許して」
手を軽く握られると、胸のざわつきが少し落ち着く。
「昨日の映画の話、続き話したいな」
彼が微笑む。
「うん、話そう」
私も自然に微笑む。
歩きながら少し肘が触れる。
短い触れ合いだけで、緊張と甘さが混ざる。
小さなすれ違いは、短時間で解消。
でも、その瞬間の胸の高鳴りは、
二人の距離を再確認するきっかけになる。
日常の中の微妙な波。
甘さと緊張の交互が、恋人としての関係を自然に深める。




