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第92話 週末の小さな甘さ
土曜日の朝。
特に予定はない。
でも、それが二人にとっての特別な日になる。
「今日はゆっくりする?」
彼が微笑みながら聞く。
「うん、そうしよう」
私も笑顔で答える。
朝食を一緒に作りながら、
肘が触れるたび胸が跳ねる。
パンを焼きながら、少し手が触れた。
「ごめん、でもちょっと嬉しい」
私がつぶやくと、彼も笑う。
「俺もだよ」
短い視線の交わりだけで、甘さが伝わる。
午後は映画を観ることに。
並んで座ると、
肩が自然に触れる距離。
手は触れない。
でも、触れそうな距離が胸をくすぐる。
映画の間、時折視線が交わり、
互いの反応に微笑む。
「こういう時間が、一番落ち着くかも」
小声で私がつぶやく。
「俺も」
彼も自然に微笑む。
短い触れ合いや視線だけで、
日常の甘さを十分に感じる。




