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第90話 宿泊最終夜の甘さ
夜、部屋。
温泉旅館の静けさの中、布団に並んで座る。
肩が触れ、肘が絡む。
呼吸が少し重なる。
「ねぇ…」
彼が小さくつぶやく。
「ん?」
私は顔を近づける。
「こうして一緒にいると、離れたくなくなる」
目を見つめるその瞳に、甘さと真剣さが混ざる。
私も微笑む。
「私も同じ」
そっと手を絡める。
指先が触れるたびに、胸が跳ねる。
視線が合い、呼吸が重なる。
言葉はいらない。
夜の静けさと温もりだけで、
心は満たされる。
少し触れ合っただけで、
甘さの波は最大に。
「おやすみ、君の隣で眠れるの、幸せだ」
小声で彼がつぶやく。
「私も」
答える私。
短い触れ合いと視線だけで、
心の距離は一気に縮まった。
宿泊最終夜。
二人だけの特別な空間で、
甘さの最高潮が訪れた。




