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第82話 仲直りの甘さ
翌日。
昨日の小さな誤解は、
もう心の中には残っていない。
待ち合わせの駅。
彼の笑顔を見ただけで、
胸がじんわり温かくなる。
「おはよう」
微笑みながら挨拶すると、彼も笑顔で応える。
カフェで朝食。
隣同士で座るだけで、心地よい距離感。
肘が触れるたび、胸が少し跳ねる。
視線が合うだけで、笑顔が自然にこぼれる。
「昨日はごめんね」
私が小さくつぶやく。
「俺も。もう気にしてない」
彼も微笑む。
手を軽く握る。
その温もりだけで、昨日の波は消える。
帰り道、並んで歩く。
自然なリズムで手を絡める。
お互いの呼吸と体温が、心地よく混ざる。
日常の中の小さな甘さ。
こうした瞬間こそ、
恋人としての絆を育む。




