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第78話 初めての小さな喧嘩
週末。
二人でショッピングモールに来ていた。
でも、ふとしたことで空気が変わる。
「ねぇ、この色どう思う?」
私がバッグを手に取り聞く。
「んー、ちょっと派手すぎじゃない?」
彼の声は穏やかだが、微妙に距離を感じる。
「え、でも前から欲しかったのに…」
少しだけ不満が混じる。
彼は眉をひそめる。
「いや、似合わないって言ってるだけ」
互いに少しイライラ。
声は小さいけれど、
心の中は波立つ。
ベンチに座って少し沈黙。
私は息を吐く。
「ごめん、私が敏感になってる」
彼も少し笑う。
「俺も、ごめん。言い方が悪かった」
手をつなぐ。
握る力が、柔らかくなったのを感じる。
小さな喧嘩は、
距離を感じる瞬間でありながら、
互いの気持ちを再確認するチャンスでもある。
「もう大丈夫?」
私が聞く。
「うん、大丈夫」
彼が微笑む。
笑顔を交わすだけで、
緊張が溶け、甘さが戻る。
恋人としての初めての小さな喧嘩。
短い時間で終わるけれど、
その波が二人を少し強くする。




