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第47話 待つ側の沈黙

それから、彼からの連絡は途切れた。


一日。

二日。

一週間。


予告も、

理由もない。


私は、

それに気づいた自分に、

少しだけ笑ってしまった。


待っていないつもりで、

待っている。


それは、

昔の私と同じ構図。


でも、

決定的に違うことがある。


私は、

連絡しなかった。


不安だから送る、

という行動を、

もう選ばない。


日常は、

問題なく進む。


仕事。

友人との食事。

何でもない夜。


彼の不在は、

穴じゃない。


ただの、

余白。


ある夜、

帰宅途中で雨に降られた。


コンビニの軒下で、

足を止める。


スマホが震えた。


彼からだった。


「急に連絡しなくなって、ごめん」

「考える時間が必要だった」


言い訳でも、

弁明でもない。


ただの、

報告。


私は、

すぐには返さなかった。


傘を買って、

外に出る。


雨音の中で、

歩きながら考える。


彼は、

待っている。


答えじゃない。

感情の整理でもない。


私の判断を。


家に着いてから、

短く返した。


「そう」

「分かった」


それだけ。


既読は、

すぐについた。


でも、

返事は来ない。


それでいい。


この沈黙は、

力関係じゃない。


試し合いでもない。


お互いが、

逃げずに立っている、

証拠だ。


私は、

スマホを伏せて、

窓の外を見る。


雨は、

もう弱くなっていた。


待つ側に回った彼と、

待たせない私。


この関係は、

もう、昔の形じゃない。


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