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【100話完結】こっそり作ろう地下帝国〜0歳奴隷転生からの爆速スタートダッシュ〜  作者: おーる
第1章 0歳奴隷転生からの爆速スタートダッシュ
6/100

六大陸

この世界には六つの大陸がある。

大陸と言っても、(魔境以外の大陸は)海で遠く隔たれているわけでは無い。だいたい、船で3時間もあればわたることができる。大陸間の距離が近いこともあり、貿易や観光業なども発展している。



さて、僕とルシーが【気術】ランク5に至ってから1ヶ月が経過した。


今までは、気配を察知するや否や全力で逃げていたような超災害級の魔物に対しても、余裕で立ち向かうことができ、安定した魔物狩りを行うことができた。



こうしてさらに多くの種類の【気】を獲得し、似た系統はより強い【気】へと進化し、恐ろしい速度で体に馴染んでいた。


これまで、新しい種類の【気】を吸収するたびに悪夢のような苦痛が襲って来たが、今はそれも無い。むしろ心地よさすらある。



さすがはランク5。究極にして頂点。



もしもこの状態から、【奴隷の腕輪】の呪いを解除出来たなら、キャラクターレベルを上げることさえ可能だ。


現在レベル1でこの強さだ。ここからレベル99になればどれほどの存在になれるのか。



しかしながら、もし【奴隷の腕輪】を解除することができたとしても、僕たちはそれをしない。



理由は単純だ。

キャラクターレベルが低い方が、“器の成長状態”が低いと見なされ、【気】の吸収率が上がり、少し扱い安くなるからだ。


たったこれだけだ。



【気術】ランク5に至った僕たちにとっては、

レベル1からレベル99になった時の莫大な成長量を、

“少し【気】が扱いやすい”ことだけで簡単に上回るからだ。


しかし、もしもここからスキルの種類をさらに増やせるようになるのだとしたら、【奴隷の腕輪】を解除する価値は大いにある。


ただし残念ながらというべきか、スキルのランクポイントには、総量に限界があるのだ。


例えば、2種類のスキルを習得していたとする。その場合、その人はもう例えどのような研鑽を積んだとしても、ランク5にいたることが出来ない。

 

逆に、ランク5のスキルを所持していたら、それだけでほぼランクポイントの総量限界に近いので、そこから新たに違うスキルを習得することは出来ないのである。



よって呪いの効果があってもなくても、これ以上スキルを習得することは出来ない。


したがって、やはり【奴隷の腕輪】は解除しない方が良い。



ランク5に至った僕とルシーは、これまで以上に訓練をしていた。


大きすぎる力を制御することも、やはり練習がいるのだ。これ以上ランクが上がることが無いというのに、僕たちは意気揚々と訓練を続けているのだった。


もはや訓練中毒なのかもしれない。そんな単語聞いたこともないが。でも仕方ないのだ。シンプルに、ルシーと訓練している時間が好きだから。心地よいというか、なんというか。


激しく【気】をぶつけ合う訓練も、2人で隣に座って、目を瞑って、静かに【気】を練ったり、互いに循環させる訓練も。


3歳の頃から続けてきた、欠かせない日課なのだ。



そうして準備は整った。


他の大陸に向かうための準備が。



【気術】を完全にコントロールし、調節できるようにもなった。


僕とルシーは一般の大陸に向かうにあたって、取り決めをした。普段はランク2相当に見える力しか振るわないこと。


どうしてもの時はランク3の力を発揮すること。そして、無いとは思うがそれ以上の緊急事態が起きた時には、それに応じた分の力を発揮すること。



必要以上に目立つこともしない。俺つえーもしない。

やりたいことは仲間集めだ。



能力よりも精神重視で選ぶ。


ルシーの勘にも頼る機会が大いにあるだろう。


今からとても楽しみだ。他の大陸に行って、ゲームの中の街や住人たちを実際に見るのも、新たな仲間たちを探すことも。



「じゃあ、いこっか〜」


「うん。」


そして僕とルシーは走り出した。



しばらく森を走り抜ければ海辺に出る。そしてそのまま走り続けた。“海の上”を。

時速何キロ出ているだろう。


水の上を走る程度ならば、ランク3の時くらいから出来たはずだ。ランク5に至った今だからこそ、目にも止まらぬ速さで進むことができている。



例え船が通りかかったとしても、目にも止まらないので問題ない。

 そして大陸に上がったら、取り決め通りランク2相当の力しか振るわないつもりだ。



走り続けること3時間、一つ目の大陸に到着した。

 この大陸は武装国家グレインが支配している。名前はグレイン大陸。


さっさと入国しよう。


手続き?パスポート?


僕たちには不要だ。なぜなら、


「あれ、君たち。親御さんは?許可証はあるかな?」


黙って【奴隷の腕輪】を見せる。



「あ、そ、そうか。。よし、通っていいぞ。」


こうなるからだ。


この世界の共通認識として、【奴隷の腕輪】をつけられた超高級奴隷たちは、絶対的に安全で、そして不憫な存在だと思われている。


契約者に対して絶対服従だからだ。契約者が、たとえ街を壊すような命令をしても、危険はない。なぜなら、実際には真の契約者は【奴隷の腕輪】の所持者だからである。つまりは、契約奴隷の育成機関にいた、あの黒服仮面の人たちである。



契約奴隷を購入するとはどういうことか。それはつまり、黒服仮面たちが、“契約者に仕えなさい”と命令を下すことなのである。



だからこそ、契約奴隷を購入した契約者は、ルールを無視した命令は出来ないのだ。そんなことをしても大元の黒服仮面たちの定めた命令には背けないし、一瞬でバレて、奴隷没収の上、下手したら牢獄行きだ。



このようなうまい仕組みにより、契約奴隷は安全な存在とみなされている。


そして、それが生み出されている方法も、事情も世間にはそれなりに知れ渡っている。



だからこそ、あの門番にも哀れみの目を向けられたのだ。


基本的に、契約奴隷はみんなに大切にされる。そう、僕たちにとってはとっても便利な通行証であり、身分証明証なのである。



そして武装国家ブレインに来てから2週間が経過した。


やっとというべきか、もう、というべきか。新たな仲間が増えた。


「すごい、すごすぎるよ、なにこれ!今ならなんでも作れそう!いったい何者なの、あなたたち!」


こうしてはしゃいでいるのは新たな仲間のクリート。種族は【ドワーフ】だ。


クリートは、僕たちと違った意味で狂っていた。彼女はいいものを作る、ということに対して、異常なまでのこだわりを持っているのだ。



そのこだわりのため、気付いたら三日三晩寝ていなかったなんてこともしばしばあるらしい。


そんな彼女は、13歳で僕たちよりもひとつだけ年上だ。まだ13歳のはずのクリートは、すでに【鍛治】レベル2に至っていた。これは異常なことだ。


どれだけ様々なものを高精度で作り続ければその領域に至れるのか検討もつかない。



そんな彼女は【ドワーフ】たちの中でも一際大きな希望の星だったわけで、正直ダメ元で話しかけてみたのだった。


それなのに、なぜかとんとん拍子で話が進んだことに驚いた。彼女の、あっけらかんとした性格によるものだろうか。



仲間になってもらったからには、まずはやることが一つ。【気術】の習得である。


確かに、このまま【鍛治】を鍛えることも有効だ。だが、僕たちがいれば話は別である。



入念なサポートのもとで【気術】を最速で鍛え上げ、そして【鍛治】に適した育て方をする。いや、そのようなことをしなくても、彼女の気質が自然とそうさせるだろう。


はっきり言おう。素晴らしいものを作る、ということをゴールとするのであれば、【鍛治】スキルだけを鍛えるよりも、【気術】と複合させた方が圧倒的にゴールに近づくと。


僕とルシーのスパルタ二人組による、半ば強引な【気術】覚醒に、クリートも若干顔がひきつっていたがそれも束の間の話。



【気術】を習得した彼女は、今ならなんでも作れそう、とはしゃいでいる。

 すぐにでも工房に向かって走って行こうとしたので、しっかりと【気術】の訓練方法を叩き込んでから、一旦お別れした。


次に会うときまでに、ちゃんと【気術】の訓練もしといてくれよ〜。


若干の心配をしながらも、僕たちは次の大陸に向かった。



普通の大陸間の距離はそれなりに近いため、僕たちにとってはなおさら、移動の手間など無いに等しい。



「クリート、面白い人だったね。仲間になってくれてよかった。」


ルシーはクリートのことをそれなりに買っているようだ。


「そうだね。でもルシーほどではないけどね。」


そうはいっても彼女には期待している。


なぜなら彼女には、肝心な部分を頼もうと思っているからだ。最初に武装国家グレインを選んだ理由もそこにある。


優秀な【ドワーフ】を最優先で仲間に入れるためだ。



そうこうしているうちに、ミラーズ大陸に到着した。化学先進連合国ミラーズが支配するこの大陸は、最も科学技術が進歩した活気あふれる場所だ。


種族、身分、強ささえも一切を問われない。無差別連合国家。


その自由性が、知識の交流を活発化させ、技術がどんどん進歩することの一助となったのは間違いない。



門番なども特にいない。


出入りは自由なのだ。


国籍などの管理も何もない。これが地球だったら、本当に国と呼んでいいのかも怪しい。



早速仲間探しをする。

【気】を薄く広く伸ばして、生物の気配を感じ取る。2人で本気を出せば、大陸中を覆ったりも出来てしまうのだろうか?そんな気がする。


しかしそこまで大規模にやれば流石にバレてしまう。効率よく、適度に力を抑えながら、候補となる人たちを探していく。



そして1週間後、その第一候補に話しかけた。

名前はサイエン。種族は【ゴブリン】だ。これは本当に珍しい。研究者の【ゴブリン】とは。突然変異と言っても差し支えないだろう。頭がいいゴブリンは本当に珍しい。


見るからに賢そうだし、実際に天才だった。サイエンの理論、発明などを教えてもらったのだが、明らかにこの世界の水準の、一歩も二歩も先をいっていた。


しきりに感心しながら話を聞いているうちに、僕の理系の血が騒いでついつい議論が盛り上がってしまった。


僕とサイエンはすっかり仲良くなって、仲間になってほしいという打診もあっさり承諾されたのだった。


早速【気術】習得のお時間だが、これに関して【ゴブリン】は都合がいい。


【弱者ボーナス】の適用種族だからだ。【弱者ボーナス】のメリットは複数あるが、1番ありがたいのは、スキル習得とスキルランク上昇がしやすいという点だ。



例の如く僕とルシーのスパルタ訓練により、たちまちのうちにサイエンは【気術】を習得した。


「なんだこれは、頭が、クリアになる。冴え渡って仕方がない。今なら最高の発明ができそうだ。ちょっとすまないが僕は研究室に引き篭もることにする。」


そういって立ち去りそうになるサイエンを慌てて引き留め、【気術】の訓練法をなんとか叩き込んでから、一旦お別れした。


次会うときまでにしっかりと訓練をしてくれるのか、若干心配である。


まあいい、科学技術は僕たちの目標に欠かせないものだ。サイエンのような心強い仲間ができたことをまずは喜ぼう。



そしてさっさと次の大陸に向かう。



「とても盛り上がってたね。世界の先をいっているはずの天才さんと、なんか対等に話ができちゃうところも好き。」


ルシーよ、それは買い被りすぎだ。僕には地球の知識があるからね。ゲームでいうところの、チートに近いものだ。それを言ったら、何千時間とやりこんできたゲーム知識の方が反則だが。



ルシーと会話しながら移動していると、あっという間にショートー大陸に到着した。大商業連邦ショートーは、その名の通り商業が盛んな国である。


ここにはこの世界の何もかもが集まってくる。ダンジョンの宝箱から見つかったアイテムも、装備も、化学技術連合国ミラーズの化学製品も、情報さえも。


今までよりも人の数が非常に多いため、仲間探しも困難を極めると思われた。



しかしながら今回の仲間探しは1日も経たずして終わることになる。



「なーなー、兄さんたち、あんたら、、。一体なにもんや?あー全然うたがったりとかではないんよ。どうにも興味が惹かれてなあ。」


普通に街中を歩いていただけなのだが、元気な掛け声と共に【猫人】族の女の子がやってきたのだった。



「うち、シャルルっていうんよ。大商人のたまごってとこやな。」


最初は、高いテンションのシャルルに戸惑っていたが、不思議なもので、なんだか次第に話しやすいと感じるようになった。これも、大商人のたまごと自画自賛する要因のひとつだろうか。


「はいはーい、うちの目はごまかせへんよ〜。たしかに、ルシーはんも兄さんも上手に溶け込んでるんよ。それでもうちには分かんねん。あんたらは只者じゃない。ここで話しかけんかったらうち、一生後悔するって確信してん。」



それからあれよあれよという間に気付いたら仲間になっていて、商談も予定もあっさりキャンセルして【気術】の習得を行なったシャルルは陽気に手を振って去っていった。



「ルシーはんたちの【気】を知覚したからもう分かるんよ。どんな訓練すればいいか、将来的に何をして欲しいかもうちには見えてん。まかせとき〜。」


最初から最後までシャルルが場を支配していた。単に明るくて賢いだけではこんなことは出来ない。説明のできない力だ。単なる戦闘力だけなら、シャルルは僕たちの足元にも及ばないのに。


「シャルルかー。嵐みたいな人だったね。でも全然嫌な気持ちにならないから不思議。ある意味最強の能力かも。」


ルシーはいいこというなぁ。たしかにその通りだ、僕たちはこれ以上ないほどの強力な仲間を手に入れたのかもしれない。



そうして次の大陸に向かう。


やってきたのはドラール大陸。


龍帝国ドラールは最強の国として名高い。



龍種が勢揃いするこの大陸は、火山が大陸の周りを囲むようにずらりと並んでおり、上陸するのが難しいということでも有名だ。



そしてこの龍帝国ドラールの最大の特徴は、闘技場【ドラールスタジアム】だろう。


強さこそ至高だという真の意味での実力主義国家である龍帝国ドラールには、陸地面積の実に30%にも及ぶ広大な範囲を、この【ドラールスタジアム】が占めている。



重要な取り決めも、交渉も、生活さえも、

“よし、じゃあドラールスタジアムでバトって決めようか”というわけである。どんなわけだ。戦闘民族にも程があるだろう。



狙っていたわけではないが、現在は、年に一度の最も大きな大会、【ドラールトーナメント】が開催中らしい。


せっかくだから見に行こうか。



会場はすごい盛り上がりだった。観戦者はざっと10万人はいるだろう。


龍種以外の種族も多くいるようだ。

やはりこのイベントは他国にとっても見逃せないものらしい。トーナメント参加者だけでも1万人近くいて、何日もかけて行われるのだ。



現在はトーナメントが進み、いよいよ、準々決勝のあたりまで差し掛かったそのときだった。


僕とルシーは同時に1人の【龍人】の男をみた。


スキル習得にはギリギリ至ってはいないが、ものすごく質のいい【気】を纏っている龍人を。


そして他にも注目すべき点がひとつ。その龍人の腕には【奴隷の腕輪】が装着されていた。



対戦相手はニヤニヤとしながらその【龍人】を追い詰めた。

圧倒的なキャラクターレベル差による暴力だ。ここまでは聞こえないが、何やら馬鹿にするような発言をしているらしいことは分かる。


ちょっと聞いてみようか。


僕は【気】を細く小さく練り上げ、送り込んだ。


「るわけないんだよ、お前が俺によ。なんか言ったらどうなんだ?怖くて何も言えないのか?まー、それはそりゃそうだよな、そんな腕輪つけてたら。どうやってここまで勝ち上がったか知らねーけど、なんかインチキしたんだろ?恥を知れよ。」



どうやら好き放題言っているらしい。

【龍人】も懸命に戦っているが、やはり届かない。最後には審判の判定負けで敗退となった。



早速、その龍人に話しかけに行く。



会いに行った瞬間、その龍人は目を見開いた。


思わず大声をあげそうになった龍人をそっと制して、静かに言った。


「あっちで話しましょう。」



そして30分後。

「おいおい、、、あんたち、神か?」


神に誓って誰にも言わないから、あんたらの力の一端を俺に見せてくれ、と懇願され、

ランク4相当の【気】を纏わせてみた。



その結果、神認定である。


事情はわからないが、【奴隷の腕輪】をつけている時点で何か壮絶な過去があることは想像できる。


だが、そこから推定される性格とは裏腹に、その【龍人】バートルの性格は気持ちのいいほど豪快で、大胆で、包容力を感じさせるものだった。



「ガッハッハ、てなわけでな、俺は【奴隷の腕輪】をつけられちまったわけよ。

いや、俺も悪かった。能天気に相手を信じすぎたというか、ちゃんと相手を知ろうとしなかった結果だろうな。だが、この腕輪、そんなに悪くもないだわ。山に篭って修行してたらな、何か体を駆け巡るエネルギーのようなものを感じ取ることが出来てなー!」



バートルの1番の武器は、その思考回路にあるかもしれない。人のせいにせず、どんな状況でも全く諦めない。可能性を探り続ける力。

 


「仲間?おいおい、とっくに仲間のつもりだったぞ。よっしゃとりあえず任せとけ、俺に最強になって欲しいんだろ?そうと決まれば善は急げだ。俺は山に行くぜ、またな!」



こうして仲間集めは順調に進んでいった。癖が強いやつばかりが集まっている気もするが、、、。


「テンション高すぎる人って正直苦手だけど、バートルさんくらい振り切ってたら話してても全然疲れなかった。」



たしかにルシーのいう通りだ。ザ・熱血というタイプは僕としても苦手なはずなのに。バートルさんの人徳というやつだろうか。


なんとなく、“さん”付けで呼びたくなってしまうのも不思議だ。


【奴隷の腕輪】をつけていて、最強種の一角、【龍人】であるバートルさんが一体どこまで強くなるのか、想像がつかない。年齢のことを考えると、流石に【気術】ランク5に至るのは不可能だと思うが、、。



今後が楽しみである。




さて次が最後の大陸だ。

とはいえ世界の全てを見て回れたなんてことは全くない。リアル・ダイブ・ワールドは、異常なまでの広大さでも有名だった。まだまだ未知の世界が広がっているのだ。



そして到着したのは学園都市マビナー。マビナー大陸はたった一つの都市で成り立っている。


敷地面積ぶっちぎりの第一位、超大規模学園【マビナー学園】だ。


大陸全てが学園の敷地。はっきり言って意味がわからない。きっとゲームの開発運営陣には、どうしても学園生活をエンジョイしたい、させたいという強い思いを持つ人がいたのだろう。


この、通称“学園プレイ”をするだけでも無限に時間が溶けていく。


リアル・ダイブ・ワールドの奥深さは止まるところを知らないのである。




さて、今回も普通に【気】を広く巡らせながら学園内を歩くとしよう。学生は、例外なく学生服と学生証を所持しており、一般人との区別は簡単だ。


今回仲間にしたいのは、優秀な学生なのだが、、。


ふむ、また面白いやつを見つけてしまったかもしれない。



「え、ぼく、なんかやっちゃいました、、?」


「「「「「ピヨン君、それ伝説級のスキルなんだよ!」」」」」



男子学生が1人。種族は【兎人】族。

名前はピヨン君というらしい。

周りには女の子たちが5人。


地球にはアニメという文化があり、そしてラブコメディというジャンルがある。


そんな物語の主人公たる素質をもつ人が、本当に実在するとは。


「いや、でもこの【勇者】スキル、まだランクも2だし、、。」


「「「「「ランク2!?!?」」」」」


「うん、低いでしょ?」



そう、これこれ、こんな感じ。


よし、絶対仲間にしよう。面白いから。



ルシーが若干呆れた目で見ている気がする。



「おいおい、1年坊主が随分調子に乗ってるみたいだな。」

「クラキ先輩、おっかなすぎるっすよ、可愛い子ちゃんたちが逃げちゃうっす。」

「それをさっさと捕まえるのがおめーの仕事だろ、なあ?」

「う、うっす、もちろんっす!」



きたあーーー。

ラブコメ主人公、トラブルイベント体質!


「な、なによ、ちょ、触らないで!」

「やめなさい、先生に言いつけるわよ!」


「彼女たちを離せ!僕のことが気に入らないなら、僕を攻撃すればいいだろう!」


「「「「「ピヨン君、、。」」」」」



「おっと、そこを動くんじゃねえぞ1年坊主。癪だがお前は俺たちより強い。だからこうして、人質が必要なんだよ。ちょっとでも動いてみろ、可愛い子ちゃんたちの首の骨がパキッといっちまうぜ」


「く、、。」


おお、これもラブコメ主人公あるあるだ!

主人公めっちゃ強いが、人質を取られると何もできないお決まりルール!

このクロキ先輩とやらは悪知恵が働くタイプのようだ。



さーて、仲間になりにいくには今しかないだろう。


僕は、あえて大袈裟に頑張ってる感を出しながら、トラブル現場に乱入した。クロキ先輩にタックルをかます。ピヨン君の取り巻きの彼女たちはとっくに【気】で覆って防御済みだ。


完全に隙をつかれたクロキ先輩はあっさり吹き飛んでいく。


そしてぼくも大袈裟に倒れる。

地面に伏せながらぼくはいった、「いまだ!あとは頼んだ!」



「き、君は!?いや、ありがとう。お礼は後でしっかりするよ。行ってくる!」



こうしてクロキ先輩たちはあっさりとピヨン君に倒され、クロキ先輩たちは警備員に引き渡されたのであった。



そしてピヨン君たちと学食でご飯を食べるところまでがテンプレだ。


「あの、本当にありがとうございました!」

「「「「「ありがとうございました!」」」」」


ここからは簡単だ。


仲間になってくれと告げればもちろんだと返ってくる。


そして【気術】を習得させ、最後は握手で締めくくり。


厳しい訓練だったはずだが、ピヨン君だけでなく取り巻きの女の子たちまで【気術】を習得したのだから驚きだ。


ピヨン君の隣で一緒に戦いたいとのこと。

その思いの強さもすごいし、ラブコメ体質の王道を突き進むピヨン君もすごい。ぜひそのままでいてくれ。



今後の訓練法についてもしっかりと伝授した。律儀にメモまでとってくれて、なんだか今までで1番しっかり話を聞いてくれた気がする。



【気術】は【勇者】スキルとも非常に相性がいい。これからの成長が楽しみだ。




そんなわけで六大陸巡りが終わろうとしている。

いや、1箇所だけ行っていない場所がある。今はまだ行けないが、近いうちに行けるようになるだろう。そこは大陸ではない、はるか上空にあるのだ。


それは後でのお楽しみとしよう。


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