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救世主

私の叫びはは無事、シャルルさんに届いたようだ。


「クリートはん、そしてイブはん、ほんまにありがとうな。」


そう言ってシャルルは巧みに魔物を誘導し、見事その魔物の弱点に、クリートさんの修理した大きな槍のような兵器を直撃させた。



それから先は圧巻だった。


誰もがそのシャルルの頑張りに、戦闘技術の凄まじさに、華麗な戦いぶりに、再び目を奪われる。


地下帝国の住民も、クリートさんも、サイエンさんも、そして戦いのことなどよくわからない私まで、息をつく暇もなくのめり込み、そして見守った。


ついに勝利の時が訪れる。背中の中心、あの魔物の弱点に、シャルルの攻撃が炸裂する。



地下帝国全体を震わせるほどの大きな断末魔と共に、その怪物は崩れ去った。


そしてシャルルさんは、大の字になって地面に寝転んだ。



「さすがのうちもつかれたわあ。今夜はご馳走がええわ、みんなでたべよか〜。」



こんな時でもシャルルさんはシャルルさんだった。


そうだね、みんなで食べよう。私が腕によりをかけて作るから。



しかしシャルルさんが私の料理をみんなと食べることは結果的には叶わなかった。


本当に全力を尽くしたのだろう、シャルルさんはそのまま深い眠りについてしまったのだ。


その後、シャルルさんを除くみんなで、ささやかにお祝いの会が行われた。肝心の主役は不在だったが、紛れもなく話題の中心は全てシャルルさんだった。


あの戦いがいかにすごかったかということ。シャルルさんのおかげでみんなの命が救われたこと。話の種は尽きなかった。


ついでに戦いの映像を黒い箱で流し、みんなで見て盛り上がった。


彼女は私たちの救世主だ。


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