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召集

シャルルに触発され、魔境にて絶え間ない研鑽を積んでいたころ、再び通信機が鳴った。


「えーっと、聞こえるかな。クリートやサイエンを筆頭に、協力してくれたみんなのおかげでついに地下帝国が完成したよ。暇になったらいつでもきてね〜」



暇ではない。暇ではないがすぐに向かう。仲間として、地下帝国の完成の知らせを受けてじっとしていられる訳がなかった。何より自分自身が地下帝国を見るのが楽しみだった。



俺が地下帝国に戻ると、仲間たちもその考えは同じだったようで、程なくして全員が集結することとなった。ちなみに俺たちは“始まりのメンバー”らしい。


なるほど、仲間としての募集はあの時から締め切りというわけだ。


俺は、始まりのメンバーになれたことを誇らしく思う自分がいることに驚いていた。


対等な仲間がいるというのは俺にとってそれほど嬉しいことだったようだ。



そんな始まりのメンバーしか使用することの出来ないエレベーターに乗り、サイエンの地下帝国の案内が始まった。



どの階層も素晴らしかったが、特に第1層、第2層は感激した。防衛機能の威力もそうだが、その造りと工夫の数々に、執念にも似たプロのこだわりを感じたからだ。


そのことを言うとサイエンはとても喜び、後でじっくり話そうじゃないかと言ってくれた。


確かにサイエンと話すのは面白そうだ。また違った視点から、新しい訓練方法を思いついたり、戦闘全般に関する未知の発見があるかもしれない。



今日この日、地下帝国フリーリングが誕生したのだった。

この瞬間に立ち会えたことを嬉しく思う。俺は仲間たちに出会って、いい方向に大きく変わることが出来た。



そんな仲間たちと、第5層でイブのご馳走を食べた時間は生涯忘れないだろう。


あまりの美味しさに我を忘れて食べていると、イブの作った料理の真骨頂を垣間見てしまった。


この料理、食べているだけで【気】が循環する、、?


要は、【気術】を習得している人であれば、これを食べるだけで少しずつ強くなれるかもしれないということだ。


それどころか、【気術】の習得の際にも役立つかも知れない。


これはあまりに凄いことであり、だからこそ危険でもあった。

 すると、シャルルが俺の思ったことを代弁した。



「イブはん、とんでもないもの作ったなぁ。美味しすぎて手が止まらんわ。ありがとうな。せやけど、今日のご馳走を世に出したらあかんよ。世界中で戦争が勃発するで。」


「え、え、そうなのですか!わかりました、今日のはみなさん専用のメニューにします!」


「お姉ちゃんってほんと天才。さすがはお姉ちゃん。でも自分のすごさは全然わかっていないですよーっていうその感じ。あざといなぁ。狙ってるよね?」


「ち、ちがうよエンジュちゃん!揶揄わないでよ〜。」




こうして楽しい時間は過ぎていく。


地下帝国フリーリング。俺の居場所だ。俺はもっと強くなって、そして敵を撃ち倒し、この場所を守りたい。

俺の本分はやはり戦いだ。戦って、戦い抜いて、みんなを守ってみせよう。


俺はバートル!戦闘狂だ!

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