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スタンピード

俺が急いで魔境に戻って来ると、何か大きなことがあったのだということはすぐにわかった。巨大な木がいくつも薙ぎ倒され、そこら中に転がっていたから。


すぐに地下帝国の入り口へ向かい、第1層へと飛び込んだ。



すると奥の方に超災害級の魔物が3体いるのがわかった。


そしてその相手をしているのが、最近できた3人の弟子たちであった。



超災害級に挑むとはなんたる無茶を!


そう思ったがあまり咎められなかった。弟子は師匠に似るのかも知れない。いやそれだけではない。彼らは馬鹿ではない。きっと、超災害級の魔物に敵わないことなどわかっていて、それでも戦っているのだ。みんなを守るために。


男とはそうでなくてはな。俺は本当にいい弟子を持ったようだ。


俺は【気】を足に溜めて、全力で地面を蹴った。



「俺たち、、げほっ、おれたち、がんばったっすよね。」


「そうだ、、アニキの弟子として、全力で、たたかった、、」


「うむ、、。最後の足掻きといこうかの。」



弟子たちのそんな声が聞こえた。

ふう、ギリギリ間に合ったようだ。



「ガッハッハッハ!しかと聞いたぞお前ら!俺はお前らを誇りに思う!!あとは任せて下がるがよい!」



「「「アニキ!!!」」」



ピヨン以来の久しぶりの強敵だ。

修行の成果を存分に試すことができる。思わずテンションが上がった俺は叫んでいた。

「バートル、ここに参上ってな!!標的は超災害級3体!うむ、腕がなるぜ!ガッハッハッハ!」


さすがは超災害級。

一筋縄では行かなかった。


しかもこの魔物たち、妙に連携をして来るように思えた。知能の高い魔物なのだろうか?


しかしそれでも、ピヨンとの熱い戦いに比べたら霞んで見えた。


しばらく時間はかかったが、ついに3体のうち、1体の魔物を仕留めた。


さあ残るは2体、さっさと片付けて応援に向かおう。先程から痛いほど感じている。計り知れないほどの強敵が、第2層にいることを。


そして戦っているのはおそらくシャルルだ。俺のお気に入り、シャルルが倒れたと聞いた時には耳を疑ったが、元気に戦えているようで何よりだ。


しかし俺の思惑を察したと言わんばかりの行動を目の前の2体が取り始めた。徹底的なまでの防御行動だ。反撃は最低限しかしてこない。


無視をしてシャルルの救援に向かおうとすると、その瞬間苛烈に攻撃を仕掛けて来る。まるでこちらの意図が見えているようだ。


いいだろう、その防御さえも突破して、2匹とも葬ってやる。



結論から言うと、その2体の魔物を倒し切った時には、第2層の危機も過ぎ去っていた。


ほとんどシャルル1人で倒し切ってしまったようだ。



後で気になってその時の映像を見せてもらって、俺は鳥肌が立った。


さすが、さすがだ俺のお気に入りは。やはりシャルルは本当に底が知れない。彼女と戦って勝てる未来が想像できなかった。それほどに圧巻で、美しく、無駄のない戦闘技術。


【気術】の扱いも、俺が思いつきもしなかった絶妙な技を駆使して、遥かな高みへと至っていた。


目を奪われたとはこのことだ。


俺は何度その映像を見返したかわからない。



まだまだ自分が成長の余地を残していると知ることができて、何より地下帝国を守ってくれて、シャルルにはいくら感謝しても足りそうになかった。



俺は早く修行をしたくてたまらなくなり、そのまま魔境の深部へと向かった。

もっと、もっと強くなるために、そして最高の戦闘を、、、いつの日か本気のシャルルと思う存分戦う、そんなことを夢見て。


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