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【100話完結】こっそり作ろう地下帝国〜0歳奴隷転生からの爆速スタートダッシュ〜  作者: おーる
第1章 0歳奴隷転生からの爆速スタートダッシュ
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集結

シャルル、バートル、そしてピヨン君たちを乗せた船で、魔境へと帰ってきた。


ついにこの日、仲間たち全員が集結する。



え、自己紹介タイム??そういうの、僕は苦手なのだ。自然と集まっていつのまにか話している、それくらいでちょうどいい。



というわけで、身も蓋もなく早速ランク上げといこうじゃないか。



まずは地下に行って、クリートたちを呼んでこよう。



と思ったがそれは不要のようだ。地下の入り口からみんなが出てきた。



「お帰りー!準備バッチリだよ。早速やるんでしょ?いこいこ。」



クリートは本当に流石である。僕のことをよくわかっているようだ。



早速全員が合流する。



「魔境に住んでることだけでも驚きやのに、こんなん見せられたら頭パンクするやんけ。錚々たるメンバーすぎて突っ込みも追いつかんわ。ま、改まって自己紹介タイムする必要もないやろ。まずは目的のランク上げや、そやろ?兄さん」



シャルルはこの場の全てをまとめ上げた。僕が望んでいた展開そのものだ。彼女は超能力者か何かだろうか。




「うん、そうだね。まあみんな、気を楽にしていいよ。ゆっくり打ち解けていけばいいから。もちろん、打ち解けろっていう強制もしないよ。ここはなんのしがらみもない、自由な場所なんだ。」


そう言いながら、例の場所までみんなを連れて行く。



「ガッハッハッハッハ!!おいおいこれはどう言うことだ!見たこともない、勝てる気が微塵もしない魔物達が瀕死の状態でわんさか転がっているぞ!!」


「大変だったよ本当に〜。この魔物達の拘束具を作るのはさ。あ、わたしはクリートっていうの、よろしく〜。」


「ほう、なるほどなるほど、【ドワーフ】であるな。うむ、クリートよ、その筋肉見事なり!そして恐るべきはこの拘束具!俺には分かるぞ。内部まで計算され尽くした精巧な代物である。国で総力を上げてもこれほどのものは作れまい!文明の遥か先を行く、世界の至宝である。」


バートルは相手が誰であれ、場所がどこであれ、態度に微塵の変化もない。それにこう見えて博識だ。となれば必ず反応するのが1人いる。


「わかってくれるかい。うれしいね。まずクリートの筋肉の良さを理解できること、このポイントは大きい。まあ誰にもクリートは渡さないがね。そしてこの拘束具は僕とクリートの合作といっていい。内部の部品にはアダマンタイトまで組み込んである。構造もそうだが、実際に作成するときの組み合わせるタイミングが問題で、、」


「ちょっとサイエン、いきなり捲し立てないの〜。もーー、可愛いんだから、、。」


「おっとすまない、それにしてもクリート、今日も素敵だ。」


そして唐突にピンク色の空間が出来上がっていた。



うん、、。

もう何も言うまい。

そういえば、相手とか場所とか気にするやつの方が少なかったわ、、。

この場だと、シャルル、ピヨン君、イブさん、それにエンジュさんくらいか。



「きゃ、まぶしい、【悪魔】のわたしには眩しすぎるよ〜。」


「そう言いながら目を覆っているフリをして、チラチラと2人をみているお姉ちゃんでしたとさ。」


「ちょっとやめてよエンジュちゃん、、。」


「いい加減慣れないの?お姉ちゃん。いっつも地下であの2人はあの調子なんだから。」


「でもでもー、刺激的なんだもん、、」


「お姉ちゃん、うぶだね、、」




あ、忘れてた。そういえばこの姉妹も、どんな場所でもどんな状況でも2人の世界に入れるんだった、、。ピヨン君、さすがに君は常識人だよね?


そう思ってピヨン君の方を見ると、


「ぼくもいつかあんなふうに、恋人さんとか出来るのかな〜。なーんて、こんな頼りない僕じゃ無理か、あはは〜。」


ピヨン君、、、。君は、、、すごいね。


「ん?みんなどうしたの?目つきが、、え、助けてマリア、え、マリアまでそんな。あの、近いよ、みんないるのに、ちょ、まっ」



ふう。何も見なかったことにしよう。



「あかん、おもろすぎるわピヨンはん。目の前に丸出しになっとる地雷を盛大に踏み抜いたで。兄さん、グッジョブや。ピヨンはんを仲間にしたんは大正解や。」



そうだ、シャルルという最もまともで超優秀な仲間がいたじゃないか。

そんなシャルルだが、どうもこの状況を楽しんでいるようだ。


ルシーも微笑みながらみんなのことを見ている。



うん、ならオッケーだ。何もかも。



「よしみんな、じゃあ早速始めるね。」そう言って、ぼくはここら一体を全て覆う強力な【気】の結界を発動させる。



みんなは一瞬にして静まり返る。

そして数秒間に渡る静けさを遮ったのはバートルだ。


「ガッハッハッハッハ!凄すぎてグゥの音も出ないとはこのことか!なんだこの【気】は!質も量も段違いである。正直に言って震えが止まらんぞ俺は!」


「只者や無いことは最初から分かっとったけど、実際に目にするとやっぱかっこええなぁ。でも兄さん、ここからやろ、本当にすごいんは。」



そうだよ、シャルル。その通り。


「ルシー、あとは任せた。」


「うん。」



それからたっぷり24時間の間、僕の【気】で覆われたこの空間は、阿鼻叫喚が響き渡ることになる。


ルシーが、瀕死状態の魔物達を、圧倒的高火力で瞬殺する。災害級以上の魔物の濃厚な【気】があたりに大量に散らばる。


「さあみんなどんどん吸収してね。」



「ぐわああああ、ッハッハ!なんと、なんということか!これほど、ぐ、ぐおーー、これほどとは恐れ入った!素晴らしい!素晴らしいぞー!うおーー!!」


バートルはかなり苦しそうにしながらも、訓練を楽しんでいるようだ。さすがは戦闘狂、訓練大好き男である。


「ふえ、ふえーーん、エンジュちゃんわたしはもうここで終わりよ、ダメなお姉ちゃんでごめんね、エンジュちゃんだけでも幸せになってね。」


「お姉ちゃん、なにその泣き方。あざとすぎるよ。それに私たちは【天界】出身でしょ。簡単には死にません。そんなことよりすごいよ。一瞬で【気術】を習得できちゃった。【天界】でも有名な伝説のスキルだよ。」


「でもでも、それは嬉しいけど、でも体が、あついよー、暴れてるよー!」


「大した苦労もなくこんなに強くしてもらえてるんだからそのくらい我慢しなさい全くもー」


イブとエンジュの姉妹は相変わらずのようだ。それにしてもいつも思うが、エンジュは常に余裕があるな。

 先程、この姉妹はすぐに自分たちの世界に入り込んでしまうと言ったが、実際にはそれはイブだけで、エンジュの方はそこにあえてノッて楽しんでいる節がある。

 エンジュはなんだかんだ、姉のイブのことが好きで仕方ないのだろう。



「あたまが、頭がぐるぐるするよクリート。とにかく僕の手を離さないで。クリートは僕が守るから。それにしてもなんてすごい【気】だ。主張が激しい。【気】そのものが個性を持って襲いかかってきているかのようだ。さすがは魔境といったところか。」


「たしかに結構きついね、これは。全身が悲鳴をあげてる。でもサイエンが手を握ってくれているから頑張れそう。あと、苦しんでるサイエンもちょっと新鮮で可愛い!これで私たちはまた一歩、次の段階に進めるかもしれないよ!これからも一緒にいろんなものをつくろうね!」



サイエンとクリートも大丈夫そうだ。たしかにきつい修行ではあるが、屈強な精神を備えた2人がさらにお互いを支え合っているため、心配は無用だろう。



「みんな、僕のそばから離れないで。もしも倒れちゃっても大丈夫!僕がなんとかしてみせるから。だからもう少し、一緒に頑張ろう!」


「「「「「ピヨン君、、。」」」」」



はい、あなた達は心配していません。

必ずや乗り切ってくれるでしょう。というか心なしかピヨン君よりも取り巻きの女の子達の方が余裕がありそうなのは気のせいだろうか?



しかし、屈強なみんなを遥かに超える化け物がここに1人。


「ええなあ、魔境の魔物は効率が段違いやわ。こんなにたくさん魔物を用意してくれた兄さんらに感謝やね。」



「ガッハッハッハッハ!さすがは俺のお気に入りよ!なぜそんなに余裕なのだシャルル!」


「バートルはん、ひとついうなら買い被りすぎやで。この刺激にみんなよりは慣れとるだけや。それより、来るで。次の波が。」



いやほんとに、シャルル何者?いっつも僕の度肝を抜いてくるんだけど、、。


でも、この様子ならどんどん行ってよさそうだ。

「ルシー、次やっちゃっていいよ」



さらなる悲鳴が沸き起こる。


ルシーが次々魔物を倒していく中で、みんなが取り込みきれなかった【気】も、僕が最初に貼っておいた丈夫な結界のおかげでそれより外に逃げてしまうことはない。


時間が経つに連れ、この結界の内部は、異常なほど濃厚に【気】が充満していくこととなった。



最後の魔物にルシーがトドメをさすころには、ほぼ全員がぐったりとして、叫ぶ元気さえもなくなっていた。


ただしここに例外が2人。


早々に大量の【気】を取り込み、悠々とランク4へと至ったシャルル。


シャルルに負けじと、気合いと根性でランク4に至ったバートル。


2人には途中から、みんなのサポートに入ってもらった。



「さあ、みんな、ラストスパートだよ。残りの【気】を全部取り込んじゃってね。」



こうして、今日ここに、世界最強集団が誕生した。


シャルル、バートル、クリート、サイエン、ピヨン、が無事ランク4へ、ピヨン君の取り巻きの女の子たちも凄まじい執念のもとランク3に到達した。


イブとエンジュも、最後はフラフラになってうずくまりながらランク3に到達した。【気術】習得のところから始めてここまで至れるのだからやはり彼女達は才能も根性もある。【天界】出身という点と、種族として【悪魔】や【天使】が【気術】と相性がいいというのも大きい。




「みんな、本当によく頑張ったね。ランクアップおめでとう!」


「うん、おめでとう!」



少なくともみんなが喜んでいることは伝わってきた。


サイエンやクリートは、あんなに憔悴しきっていたのに、新たな可能性を試したくて仕方ないらしく、僕とルシーにお礼をするや否や、いそいそと地下に戻っていった。


バートルやシャルルは、早速ランク4の力を体に慣らすため、訓練を始めている。すごい向上心だ。


意外なのはイブだった。

ふにゃふにゃになって泣き言を言うかと思ったら、その真逆だった。


「【気術】ランク3、、。すごい。私でも、できたよ、、。」


それからは怒涛の勢いだった。



「エンジュちゃん、わたしいくね!今ならすごいことができそうなの!お姉ちゃん、頑張るから!」



「お姉ちゃん、よかったね。私はいつも応援してるからね。」


「エンジュちゃん!!」



泣きじゃくっていたはずのイブは、自信に満ちた目で地下へと降りて行った。



「ふふ、今回もかっこよかったー!」

「ランク4になった瞬間、ピヨン君とっても輝いてたよ」

「また、守ってもらっちゃった!」

「それに、私たちも【気術】ランク3だよ。信じられない。」

「でもこれで、これからもピヨン君と一緒に冒険できるね!」


「みんな、本当にすごいよ。みんなは僕の誇りだ!これからもずっと、みんなで冒険しよう!どこまでも!」


「「「「「はい!!」」」」」



そこには、ラブコメ王道を突き進むピヨン君がいるだけだった。



さて、ひとしきり終わったことだし、話すとするか。


よかった、ちゃんと本人から話しかけてくれるようだ。ありがたい。



「ねえ、私にもやってほしいことがあるんでしょ?なんでも言って。」


そう、僕が話したかったのはエンジュだ。

ぼくは満を持して伝える。

「エンジュさんにやってもらいたいのはね、、、。」



伝え終わったとき、エンジュは笑っていた。


「ふふ、それは、、、。私のためにあるようなお仕事ね。ありがとう、とっても楽しみ。早速いろいろ考えないとね。」




こうして僕たちはまた動き出した。それぞれの新たな物語が始まっていく。

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