09 看破
あれから、村周辺の食料豊富な場所をまわってみたけど、収穫は無し。
そろそろ夕方って事で、今日の探索はここまで。
しっかり予約しておいたので、昨日と同じ宿へ。
「見つかりましたか?」
いえいえ、そんな簡単にはいきませんよ。
そうそう、出来れば明日もお弁当、お願い出来ませんか、
とても美味しかったので。
「喜んでっ」
そんなに嬉しそうに了承してもらえると、こっちまで嬉しくなっちゃうよね。
よろしくお願いします、ルルリエさん。
宿泊は昨日と同じ部屋。
何だか自分の部屋のように落ち着ける、気持ちの良いお宿。
そうだ、アラン君の『職業』
教えてもらおうかな。
おや、アラン君の様子が変だね。
「どうしましょう、皆さん」
どうしたんだい、青い顔して。
「見つけちゃったんですよ」
何を?
「『ケルミラ』です」
どこで?
「ルルリエさんが『ケルミラ』なんです」
えーと、それは流石に予想外。
って、本当にすごいね、みんなの能力。
あの『ケルミラ』を、こんなにあっさりと。
「いえいえ、ロイさんも、ですって」
俺の?
「人を集める能力、とでも言うのかな」
「今、俺たちみんなが集まっている中心に居るのは、間違いなくモノカさんとロイさん、だよね?」
アラン君の問いに、カミス君とシナギさんが真剣な表情でうなずいた。
中心がふたつって……まあ、いいか。
良い仲間たちが集まってくれているのは事実だし。
おっと、それよりも、
『ケルミラ』、どうしよう。




