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02 旅立ち


 ぶらり旅とは言え、きちんと計画、みんなと何度も相談。


 そして決定した今回の旅のコンセプトは、


「男たちによる新規開拓ぶらり旅」


 出来るだけ今まで行ったことのない街や村をまわって、新規の『ゲートルーム』設置場所候補を探そうぜって方向。



 何だか当初の予定の安らぎ旅とは、だいぶかけ離れてしまったけど、


 まあ男衆のみなんで、この際多少の無茶もありかな、と。


 何よりも、当のシナギさんが乗り気だったので。



 あと、例の鞘は、お留守番決定。


 新しい剣には、今まで使っていた鞘がぴったりでした。


 流石はアリシエラ。




 そして出発の日、


 集合場所はエルサニア王都のカミス君のお宅。



 メンバーは、


 シナギさん、カミス君、アラン君、


 そして、俺。



 それでは、男四人のぶらり旅、ゆるりと出発。



 天気は良好、気分も良好、


 まず目指すのはエルサニア王都南方の森林地帯の先にある、魔物料理が名物の小さな村、


『ケルミシュ』


 

「お天気が良くて何よりでしたね、ロイさん」


 そうだね、カミス君。


 疲れたらいつでも御者を交代するからね。



「ありがとうございます、初めての道なのでいろいろご迷惑をお掛けするかもですけど、よろしくお願いします」


 今回の旅はカミス君の幌馬車スマキ3号だけど、


 男衆全員が御者出来ちゃうから、遠慮無く、だよ。



 そういえば、アラン君。


 フルリちゃんやゼシカさんをどうやって説得したのかな。


 特にフルリちゃんはアラン君と離れたがらないのに。



「えーと、フルリは今頃ちっちゃい娘たちと一緒にお勉強会、ですね」

「"つくも神"に成った時の最初の教育が中途半端だったので、いろいろ足りていない面があるようだとの指摘が各方面からありまして、この際だからあの娘たちとお勉強してもらおうかと」


 うん、頑張ってほしいね。


 あの娘たち四人とも、フルリちゃんが大好きみたいだし。



「精神年齢的には一番幼いので、わがまま言って迷惑かけてなきゃいいんだけど」


 大丈夫だよ、あんなに優しい娘だし。


 ただ、アラン君が側に居ないと寂しがるだろうね。



「そこら辺はお姉さま方にお任せって感じで」

「ゼシカさんはシナギさんと旅が出来ない事を、すごく残念がってましたけどね」


 おや、ゼシカさんはアラン君専用の『ゼファーシルエット・改』として教育されたって聞いたけど。



「いえいえ、武器としての調整と"つくも神"としての気持ちは別なんだそうですよ」

「お年頃の乙女ですし、何よりシナギさんに一目惚れのベタ惚れなんですから」


 それは大変だ、世界初の"つくも神"をめぐる三角関係、


 のんびり旅なんかしている場合じゃなかったんじゃないかな。



「いいんですよ、ロイさん」

「あの娘たちが幸せな人生を送れるように手助けしてあげるのが男の務めってもんですから」

「そもそもそれってロイさんから教わった心意気ですからね」


 凄いね、アラン君は。


『モンスター』呼ばわりは伊達じゃないって事だね。



「なんだか皆さん、すっごく大人してますよね」

「僕もいつかは皆さんみたいになれるのかな」


「いえいえ、カミス師匠のポジションみたいな、みんなからイジられ、じゃなかった、愛されていることこそ、羨ましい限りなのですよ」


「ひどいなシナギさん、ロイさんからも何か言ってやってくださいよ」


 うーん、うちの女性陣もみんな、カミス君大好きだからねえ。


 男として羨ましい限りって言う意見には同意だよ。



「うれしいけど勘弁してくださいよぅ」



 うん、ちゃんとみんなが安らげる旅が出来てるよな。


 シナギさんもいつも以上にリラックス出来てる様だし。



 男旅、まずは順調な滑り出し、


 このまま良い雰囲気で進んで、良い収穫があれば尚良し、かな。



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