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17 夕食
スマキ3号を近くにあった平原に停めて、野営準備。
かまどの設営が完了したら、すぐにルルリエさんが夕食の支度を始めてくれた。
「あれ、どう思いますか、ロイさん」
あれ、ですか、アラン君。
ルルリエさんとシナギさん。
料理上手な新妻の台所姿を、おろおろしながら見ている旦那さん、って感じかな。
「言い得て妙、ですね」
アラン君にも、あんな頃があったんじゃないかな。
「そうですね、あの頃はユイの台所姿も初々しかったんだけどな」
たぶんそのセリフは、立派にお仕置き対象だよ。
「内密に、願います」
心得た、です。
男旅は、秘密がいっぱい、だね。
夕食は、とても美味かったです。
きっとルルリエさんの料理の美味さの秘訣は、
食べる人の心地よさをとことん考えているから。
味付けや食感、全体のバランスも、出来るだけ優しく。
だからこんなにも食べやすくて美味い。
美味そうに、夢中で食べてるシナギさんを、
にこにこ笑顔で見つめるルルリエさん。
はいはい、ごちそうさまでした。
あの呪文は、唱えるの禁止、な。




