10 待つ
夕食の席で、給仕してくれているルルリエさんに、見つけちゃった事を告白。
驚いて警戒した様子のルルリエさんだったけど、
今すぐどうこうじゃなくて、お話ししたいだけです、という、
シナギさんの生真面目一辺倒な説得に耳を傾けてくれました。
なぜか食事の手を止めようとしない俺たちに呆れたのかも。
だって本当に美味いんだよ、ここの食事。
食後のお茶をのんびり啜っている満腹顔の俺たちに、
ルルリエさんも毒気を抜かれたような表情。
「今晩、お邪魔してもよろしいでしょうか」
お待ちしております。
そして、神妙なお顔のルルリエさん、退室。
うん、ルルリエさんも落ち着いてくれたみたいだし、
後は待つだけ、だね。
それと、本当に見つけちゃったんで、アラン君に1ポイント追加って事で。
「異議無しっ」×2
後はシャワーでも浴びて、のんびりルルリエさんが来るのを待つって感じかな。
いや、待った。
アラン君の『職業』聞かなきゃ。
今はシャワー中だね、アラン君。
ひげ剃りの時、鏡を見るはずだから、
戻って来てから聞こうかな。
……
ルルリエさん、すごく良い娘さんだよね。
捕縛して売り飛ばせるわけ無いって。
むしろ、何か困ってる事とかあるなら、力になってあげなきゃ。
おっと、アラン君が来ましたよ。
『職業』聞かなきゃ。
「えーと、すみません、時間切れで魔法効果切れでした」
それは残念。
明日、教えてね。
それと、後でこっそり、カミス君のも教えてね。
「あー、俺の口からはちょっと……」
「後でカミス君から聞いてみてください」
そんなに凄いのかい。
そこまで焦らされちゃうとなおさら気になるよ。
何とかして聞き出せないかな。
もちろん、嫌がられる手段は抜きで、だな。
おっと、シャワー、俺の番だよ。
では、失礼して。




