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1章 07話 いざ、聖剣の間へ(神々の双璧)02

「……天使、空に天使様の幻が見えるよ」


今度こそ顔が知らない姉さんに会えるかな?

あははそれだと天国に行っても分からないか?

それに僕は悪いことばかりしてきたから地獄行きで

そもそも姉さんとはすれ違う運命なんだ。

倍返しで沙耶奈にプリン買ってやれば先に死んだ姉さんに会えたのかな?


「生まれ変わって僕はみんなに愛される田崎さんのように

 ヒトになりたいんだ、天使様」


「わたし天使じゃないけど? それに田崎さんって誰??」


「まだ田崎さんは生きているから天使様でも知らないのも無理はないか?

 なら、もう愛してくれるなら男でも動物も微生物でも何でもいいや。

 だから天使様よ、僕をそのまま地面に叩きつけてヒキガエルにして下さい」


「既に地面が足が着地しているのに。もう死ぬ要素が何処にも見当たらないよ。

 ユニークな1人ボケをかまして、さすが伝説の勇者様ですね。

 もしかして勇者様の前世はお笑い芸人ですか? あはは」


「……地面が足が着地?」


可愛い笑い声がする空を見上げるとそこには天使様じゃなく

メイド服ぽいフリルばりばりの衣装を着た小柄な妖精が宙に浮いていて、


「ロザリナ姫の命令で様子を見に来れば勇者様は1人で漫才しているし。

 わたしはヒキガエルにするためにも潰れたトマトにするためにも

 応援しにきたんじゃないからね」


「も、もしかして僕を聖剣の間まで運んでくれるために来てくれたのかな?

 どう見ても妖精さんは華奢な体なのにとてもカイリキーの持ち主ですね?

 ひょっとして服の下には腹筋割れているとか鍛えてる?」


天使様じゃないと分かった途端、急に照れた気持ちになるのは何故だろう?


「せっかく勇者様は面白いヒトだからロザリナ姫に内緒で運んでやろうって

 思っていたのに。何その態度? はぁ、落とす。

 空高く連れて行って絶対にぶっ飛ばしてやるんだもん」


天使様から眉間にシワを寄せた暴走族にジョブチェンジした妖精さん。

強引に妖精さんは僕を後ろから拉致して上空に舞い上がる。

壊れたラジコンのヘリのように右往左往そしてバク転と自由気ままの旋回。

当然破天荒の妖精さんと一心同体になっていた僕は

空を振り子状に舞い踊って……。


「ごめんって、妖精さん。僕が悪かったから、おぇ」


船酔い? いや空酔いか? もう食道に空気がパンパンに詰まって吐きそうだ。


「ふん、わたしの偉大さが分かれば良いのです。

 早く厨房に戻らないとまたセアダスに怒られるから

 まだまだスピードを上げるよ。

 わたしは勇者様と違って漫才する暇じゃないんで」


「嘘だろっ、やめてく……」


「ひゃっほーーーー、自由最高!!」


調子に乗って更に妖精さんは加速していく。

結局、妖精さんの欲望ために僕は連行されて輸送されているんじゃ。


「ほっと……けぐ……げっ……ううおぇーーっ……」


少し胃液が出たと思ったら変な虫やドロドロの葉っぱみたいな緑が

丸ごと落ちて行く。

げ、気持ち悪いな。多分この体の僕じゃない?

確かに僕は裕福な生まれではなかったけどこのボロボロの服といい、

この体の持ち主はいったいどんな過酷な生活を送っていたんだよ。

お読み頂きありがとうございます。感謝感激雨あられです。

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☆でも押して頂けると更に嬉しいです。

作者の書くモチベーションにも繋がってきます。

この本主人公である篠染玲音のようにみんなに無視されるのが1番怖くて、

読者様の反応があるだけでどれだけ心が救われるでしょうか?

少しでも読者様の貴重なお時間を楽しい時間に変えられたら嬉しい限りです。

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