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2章 36話 初めての奴隷生活 04

「お主達も女の裸は大好きじゃろって。

 目ん玉かっぽじってよく見ているんじゃな」


「やめて下さい。お爺様」


「お爺様じゃと? 何度言ったら理解するじゃこのバカ小娘がっ」


嘆きの声も届かず、強引にカティアの服に手を掛けようとするフォルクス。

さすがの奴隷商人も慌てた様子で、


「そのような行為は奥のベッドを用意していますので、少々お待ち下さい」


「ワシは客じゃぞ、つべこべ抜かすで……」


「僕にはヒトを洗脳って操る能力があったんだ」


そんな神様みたいな能力は僕にはない。


「その力でイルバーナの城に探りを入れた」


「何を言っているんじゃお主?」


ビンゴ、カティアの服を脱がすフォルクスの手が止まった。

でも笑わないでシリアス気取りで真剣にまじまじとフォルクスの瞳を

見つめて言葉を続ける。


「大賢者フォルクスとあろう者が勇者様召喚の儀を

 お金を横領していたんだな。

 これじゃあロザリナ姫もイルバーナの国民も実にがっかりだよ」


「何と言う言いがかりかのぅ?」


明らかにフォルクスの目は泳いで動揺しているな。

あんな中古品ばかりで召喚の議をするなんて最初からあんたは

胡散臭かったんだよ。


「お前の非道な行いをロザリナ姫達に知られなくなかったら直ちに

 僕を解放しろ」


本当は真っ先にカティアを自由にしたかったが仕方ない。

これ以上怪しまれないように先ずはカティアとの接点を

確実に切り離さないと。


「マナ0のお主にそんな力は……」


「ステルスのスキルでただ内なる能力を隠していただけなんだよ」


どこかで読んだラノベであったよくある設定の引用だ。

だけどこの異世界に住むフォルクスが知るはずがないから大丈夫なはず。

後は上手く話を誘導いていけば……いける、いけるぞ。


「うーむ、だが今し方信じがたい。

 なら何であんな惨めな思いをしてお主は城を後にしたのかのぅ?

 申してみるんじゃ」


「それは……」


やばいフォルクスがマジで怪しんでいる。

でもここで目をそらせる訳にもいかない。

頼むカティア、朝のお湯を浴びのようにもう一度信じて僕に合わせてくれ。


「今からこの女を操って僕の秘められた力を証明してやる。

 我が名はレオンハルトが命令する。

 そこの女よ、直ちに泣きやんで笑顔になるんだ」


ガンバレ天才美少女僧侶カティア。傷の治療ありがとうな。


「……う、ぐす」


ほんの少しだけ戸惑った顔をしたカティア。

だが徐々にカティアの引きった顔は笑っていく。


「ど、どうだ驚いたか? フォルクス」


よく頑張ったな、カティア。後は全て僕に任せてくれ。

君を直ぐに自由に解放してみせる。


「ならなぜワシやこの奴隷商人を洗脳しないんじゃ?」


「それは……」


「それは何じゃのぅ」


「それはフォルクスが天才で知性の高い生き物には操れなかったんだよ。

 そこの奴隷商人はぎりぎりのラインで無理で……」


「ほほぅお主も感じるか? この身から宿る大賢者の資質を」


豚もおだてりゃ木に登るって感じでべた褒めしたら

悪い気はしないだろ、フォルクスさんよぅ。


「なにおぅ、この天才美少女僧侶であるわたしが

 この2人よりもおバカだと申したいのか?


ああカティアよ、何でこんなところで出しゃばって

話をややこしくするんだ?


「ひぃ、い、いきなり何を言い出すんじゃこの子娘?」


あの高慢ちきなフォルクスまで完全にドン引きしているよ。

カティアの変なプライドはフォルクスが全て脱がすまで見守れば

上手く成功したのか? それそれで男として嬉しいけどって違う。


「はぁはぁ、しかしこれまた矛盾が生まれたのぅ?」


「この子は自称の天才でアホの子で頭がお花畑で……」


「この天才がお花畑だとぉ。ちょっとわたしをバカにするなぁ!」


「ほげぇ」


怒濤のカティアの叫びに引っ繰り返るフォルクス。

もうダメだ、この子。完全に頭に血が昇って自分の立場すら忘れている。


「また声を荒げて、び……びっくりさせるでないのぅ。

 お主はヒトの心を操れるんじゃろ?

 早くこの喜怒哀楽の激しいバカ娘を黙らせるんじゃ」


「……わたしは町や村を巡り、みんなのために医療活動を頑張ってきたのに。

 どうして家族も誰も分かってくれないの?」


家出の理由そしてこれまでのカティアの旅の経緯は僕は分からない。

だけどこいつは空気が読めない子で決して悪いヤツではないと思うから。


「我が名はレオンハルトがお願いする。

 女よ、あなたは天才僧侶ですからもうちょっと静かにしようね」


「ふ、美少女は抜けていますが分かればそれでいいのです」


褒めちぎったらフォルクス同様にカティアも何とかなった。

やっぱりむやみに厳しく叱るよりも褒めて成長を促さないと

自分がどんどんと惨めになって心も歪んで壊れていくから。

そうあのヒトと出会う前の僕みたいに。

お読み頂きありがとうございます。感謝感激雨あられです。

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作者の書くモチベーションにも繋がってきます。

この本主人公である篠染玲音のようにみんなに無視されるのが1番怖くて、

読者様の反応があるだけでどれだけ心が救われるでしょうか?

少しでも読者様の貴重なお時間を楽しい時間に変えられたら嬉しい限りです。

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