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2章 33話 初めての奴隷生活 01

ぽたぽたと水の落ちる音が聞こえた。

さび付いた鉄格子に品位を疑うような丸出しのトイレが目に映る。


「ここは?」


「よ、目覚めたか? お前のパン貰ったぞ」


振り返るとヤンキー座りでパンを小刻みに食べている小柄で

犬耳が特徴的の男が目に映る。

男の染みついたボロボロで汚い茶色の服が一目瞭然で

ここが劣悪な環境だと物語っていた。


「ここはどこでしょうか?」


確かに穴の開いたズボンは格好いいって思っていたけど

これじゃないんだよな?

お互いに穴あきのボロボロの囚人服を着ているってこともあり、

少々複雑な気持ちになるわけで。


「しらん。自分の頭で考えてくれ、新入り」


「……ああそうですか?」


早くに牢屋に居座っているからって先輩風を吹かせてヒトの物を

食べるのもどうかと思う理不尽な縦社会。

でも今は見知らぬ縄張りに子猫が迷い込んだような弱者の立場である。

ボス猫に目を付けられると今後人生が生き憎くなるのは

既に学校で経験済みだ。


「俺の名はナンバー32だ。これからよろしく頼むなナンバー156」


「ナンバー156??」


僕はいつから悪の組織からコードネームを貰ったんだ?

あれ、あれ、このヒトは僕を必要としてくれているのか?


「聞き慣れない名前で驚くのも無理はないか?

 腕に青く数字が刻印されているだろ? それが俺達の識別番号だ」


手の甲を見るとタトゥーのように156の文字が刻み込まれていた。

でも不思議ことにまだ痛みはあるがごろつき達に

やられた痛々しい傷も完全に消えていて。


「間違えても足かせがないからって

 この建物から逃げ出そうとするんじゃないぞ。

 この赤に輝く首輪と仕掛けがあって、奴隷商人の言葉で

 あっと言う間に首が落ちるからな」


「……ま、まさかこれがカティアの治癒の力なんじゃ」


あいつは僕と同じ不器用なタイプのダメなヤツで。

同じ穴のムジナの似たような存在であり、僕とカティアは同類なんだ。

だからつい同じ匂いがして放って置けなくて、

心のどこかでいつか分かり合える友達になれるかもしれないって

思っていたのに。またその恵まれた才能で僕を否定するってことなのか?

それならアリシヤお姉さんがくれた偽金も全てが僕を拒絶して……。


「おーい、脱出不可能だからって暗い顔するなよ。

 俺と今後も楽しくやろうぜ。ところでカティアって誰だよ?」


し、しまった、超恥ずかしいって。声がダダ漏れしていたのか?


「もしかしてナンバー156の女なのか? 女なのか?」


「違う、断じて違うんだ。そうカティアと僕の関係は……」


思い通り言葉が続かない。冷静に考えてみれば流れでカティアとは

出会っただけなんだよな? それって腐れ縁ってことなのか?

もう自分自身にもよく分からないんだ。


「そう隠すなよ。俺にも待っている女がいるから

 その気持ちが痛いほど分かるんだ」


もしかしてナンバー32さんにカティアの彼氏だと

誤解されてしまったんじゃ?

もしお互いの彼女の会話になったらゲーム登場する理想の女の子

ばっかり話してそうで怖い。


「でもな……もしその女が恋人だったら

 決して俺はナンバー156のことを許さんからなっ」


「ちょっとナンバー32さんには彼女がいるんじゃなかったんですか?」


「ああ、妹のブリジットことか?」


「妹? そう僕もカティアは妹、妹みたいな存在で……」


何言っているんだ僕は? 血の繋がった妹は沙耶奈だけのはずなのに。


「妹みたいな存在?? 幼なじみって意味か?」


「いや妹ではなく、そう依頼主オージーさんに面倒を見るように

 頼まれただけの商業的な薄い関係なんです」


「ちぇ、カネの繋がりだけかよ。ちっとも面白くないな」


「あはは、そうですね」


悲しいけどカティアもスフレやナディ達のように

僕を勇者様と勘違いしただけの関係なんだ。

お読み頂きありがとうございます。感謝感激雨あられです。

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作者の書くモチベーションにも繋がってきます。

この本主人公である篠染玲音のようにみんなに無視されるのが1番怖くて、

読者様の反応があるだけでどれだけ心が救われるでしょうか?

少しでも読者様の貴重なお時間を楽しい時間に変えられたら嬉しい限りです。

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