表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

30/56

2章 30話 お買い物

「指輪ばっかり見て気色悪いですね。

 もしかしてあなたってナルシストのたぐいですか?」


おんぼろ宿屋の前でのカティア待ちの時間。


「違うって、これは大事なヒトから貰った大切宝物なんだ」


「ふーん。これからどこに行くの? レオンハルト」


興味がころころと無邪気に変わるカティアから

石鹸のいい香りが全身から漂っている。

カティアは肌もツルツルのスベスベで冗談抜きで見違えるほど

凄く可愛くなっていた。

これから泊まる宿は別々の部屋にした方がいいかもしれない。

まあ、お金があればの話だけど貧乏って辛い。


「今から服を買いに行こうと思うんだ」


しかし宿屋の主人に払いたくもないチップを請求されてしまった。

アリシヤお姉ちゃんからの貰ったお金を除くと残り銀貨5枚と銅貨15枚。

これからのことを考えても色々と出費を最小限に抑えていかないと

旅も出来なくなるな?


「確かにレオンハルトの服はボロボロだもんね」


「……カティアもそう思うよね」


時代が合わなかっただけなんだ。

すまない歴代のダメージジーンズたち、今までありがとう。


「何で悲しい顔しているのよ。だから新しい服を買いに行くんでしょ。

 この辺りのお店はだいだい分かるから付いてきて、レオンハルトっ」


カティアはそう言い残して真っ先に子犬のように駆けていく。


「おいカティア、そんなに走るなって。

 はぁはぁ、少しは休ませてくれよ。僕は寝不足なんだって」


「私の魅力で寝れなかったって罪な女ですよね~」


「それは断じて違うから」


「ふーん、レオンハルトも可愛いところもあるんだ」


「もう、ほっといてくれ」


「まぁ照れちゃって、まるでお母様好き好きの反抗期の子供みたい」


「誰がお母様好き好きの反抗期の子供だよ。まったくもう」


度々茶化されながらも我慢してカティアの後ろを追いかけて行くと

金の鎧をモーフにした高そうな防具屋が見えてきた。

お店に入ると以前感動した防具屋は何だったってぐらいに

高価な鎧や盾が並んでいる。

もしかしてカティアって僕が探し求めていた金持ち令嬢だったのか?


「どれがレオンハルトに似合うかな? これ何かいいんじゃない」


いきなりカティアが指さしたのは熱冷のブレスを防ぐで

お馴染みのドラゴンアーマー。何と定価は驚きの金貨18枚!?


「軽装備派だからこれはちょっと僕は重たすぎるかな?」


あの噂のインゴッドドラゴンを一匹でも狩ればお釣りが貰えるのか?

……って僕の力では絶対に無理だから。それに買える経済力もないし。


「なら隣に並んでいるドラゴンメイルなら通気性もあって

 動きやすいんじゃない?」


「金貨15枚か? 少しはお安くなったね。さあ帰ろうカティア。

 ここは僕たち庶民が来る場所じゃないんだ」


「庶民? クラスのみんなはこの店を利用していたけど」


思った通りカティアは僕が追い求めていた金持ち令嬢で決定だ。


「僕には払えるお金がないんだって」


「見た目通りでレオンハルトって貧乏だったんだ。

 道理であんなに宿屋がボロかったわけですか?」


「無銭飲食ぎりぎりで粘っていたカティアだけは言われたくないね」


いくら金持ちだったとしてもお金もないカティアは

舌が肥えていない分だけ扱いにくい。

つまり力だめしに城を脱走したおてんば姫と

一緒に冒険しているのと一緒である。


「にゃにおうっ。ならこの天才僧侶が簡単にお金をぽぽいのぽいって

 増やして上げますよ」


「誰でも簡単にお金を稼げるなら苦労はしないって」


「だからそれは凡人の平民の発想で、

 目の前にいるのは天才美少女僧侶のカティアですよ。

 えっへん。この作戦が大成功すれば明日からレオンハルトは

 メイドさん付きの豪邸に楽々住めますから。見てて下さいね」


自称天才僧侶にちゃっかり美少女をプラスするずうずうしさが

余計胡散臭い匂いがぷんぷんする。


「わたしの啓示にただレオンハルトは従うだけでいいのです。

 さあ、わたしの慈悲なる導きに付いてきて下さい」


「おい、待てって。それじゃあ天才じゃなく怪しい教祖様だって」


「怪しいと思うのは心が汚れている証拠ですよ。レオンハルト」


そう言い残してカティアはお店を冷やかして真っ先に外に出る。


「カティアに任せて大丈夫かな?」


そして僕たちは表通りとは裏腹にひとけの少ない暗い路地にずかずかと進む。

お読み頂きありがとうございます。感謝感激雨あられです。

上下にブックマークに追加。

および下にある『ポイントを入れて作者を応援しましょう!』の

☆でも押して頂けると更に嬉しいです。

作者の書くモチベーションにも繋がってきます。

この本主人公である篠染玲音のようにみんなに無視されるのが1番怖くて、

読者様の反応があるだけでどれだけ心が救われるでしょうか?

少しでも読者様の貴重なお時間を楽しい時間に変えられたら嬉しい限りです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ