2章 28話 天才美少女僧侶のゴンタレス? 02
夜が近づいてくるにつれてだんだんと賑やかになってくるギルド店内。
昼間は開いていたテーブルも全て埋め尽くされ、
盛大に酒樽が開けられていく。
「うぐぅ……もう食べれません。凄くお腹が痛いです。
それにお肉も固くて全然噛み切れないのに不味くて」
大食いテレビタレントのように小柄の体でもペロリと完食すると思っていた。
でも外見道理の普通の女の子だったみたいで、
「だからあれ程僕が手伝うって言っていたのに」
野良犬が食い散らかしたような大量の残飯がテーブルの上に残されている。
「間接キスは嫌なのですよ」
「……左様ですか?」
それなら自分の食べる分だけ皿に取り分けてくれたら
僕もご飯にありつけたのに。テーブルの上にはまだ食べ物の原型が残っている。
きっと僕には幻覚が見ているんだろうな?
「お姉さん、もう一杯お水貰えますか?」
食べ物全てにゴンタレスが食した痕跡が残されているから更にたちが悪い。
ステーキにかぶり付いた歯形とかもう見るに堪えない。
「別に構わないけど」
これだと悔しいことに無料の水だけで粘っていた通称ゴンタレスと立場が
同じなんだよな? 少しは何か食べようかな? 食べないといけ……
「はいお水。あなたちょっと顔色悪いけど大丈夫?」
「いえ目の前でバカ食いされて気分が悪くなっただけですから、心配なく」
「にゃにおうっ。この天才美少女僧侶に向かって」
ついに自分のことを美少女とか言い張っている。
もう空腹でバカか天才かも分からない。
ああ、バカと天才は紙一重なんだ。
たぶんあの子はアホの子にほぼ間違いないと思う。
でもその1%未満の天才を信じてやらないと余りにも痛い子過ぎて
他人の僕まで悲しくなってしまう。何処か? 放っては置けない兄心。
「もったいないので、この残り食べ物って包んで持って
帰ることは出来ますか?」
「出来ることは出来るけど……」
「あなたもわたしと同じ天才でしたか? いや今は同じ神同士ですが。
でももうわたしは食べれませんよ~」
もうアホの子で確定かもしれない。
「あなたもやっかいな貧乏神に取り憑かれて大変ね。
今度友達に頼んで腕の良い霊媒師を紹介しようか?」
「約束は食事が終われば守られるので、ゴンタレスはそれまでの関係ですよ。
ですから霊媒師は件は不要です」
自称天才ではなく次はちゃんとした仲間を探さないといけないよな?
「もうだめれすよ、一緒に釜の飯を食べたら私達はもうお友達じゃないですか?」
「……お友達か?」
日本では聞くことが出来なかったのにまさか異世界で
友達って言葉が聞けるなんて……。
「ぐすぴーーー」
「おーい、こんな所で寝るなよ。みんなに迷惑を掛けるだろ」
お腹一杯になったら眠くなる気持ちは分かるけど一様僕も男なんだぞ。
少しはクラスのあいつら見たいに僕のことを疑えって。
「気持ちよく寝ているわね。憎い口ばかり叩いていた子が嘘のようね」
「お姉さんはこの子の家を知っていますか?」
「知らないわよ。いつも四六時中ギルドを見渡したら居てたから
きっと帰る家がないんじゃないかな? この子」
「お姉さんも優しいところあるんですね。
僕だったらこんな変な客は直ぐに店から追い出していますよ」
「まさ嘘を付いて。あなたこそこの子に付き添っている時点で
十分に優しいのに。マガディの夜は治安が良いとは言えないからね」
「僕は優しくなんか……」
「優しさは自分が決めるもんじゃない。他人が決めることよ。
だからこれは私からのサービス」
ウエイトレスのお姉さんがそう言って、オムライスを出してくれる。
「ありがとうございます。お金ならこの子分と一緒に後で払いますから」
「もう、お金何か入らないわよ。本当はこの子にも食事を食べさせて
上げたかったけどね。この子だけ特別扱いして無料でご飯まで出していたら
他の客にも示しが付かないから。それにこの子がずっとギルドに住み着いて
本来の帰る家にも戻らなかったら両親が悲しむでしょ」
「……そうですかね?」
「案外あなた冷たいわね、やっぱりオムライスの料金取ろうかしら?」
「別にいいですよ。最初から払うつもりでしたし」
「冗談よ、冗談。この子のことを思うならやっぱり家で
両親と話し合わないとね」
「それはそうですけどこの子にも様々な事情があると……」
「よし決めたわ。わたしからあなたへ依頼よ。
この子を無事に家にまで届けてあげて。
もしダメな親だったら私も一緒にその家に乗り込んでいくからさ」
「……そこまで言うなら承諾しますけど」
どうせ資金稼ぎにお使いクエストをギルドに頼もうと思っていたんだ。
それに旅に出るにしても色々とお金が必要だし。
「私の名前ロージー。それであなたのお名前は?」
「僕の名前は篠染玲音です」
「じゃあ頼んだわよ、勇者篠染玲音」
「……はい?」
「あなたみたいな変な名前と変な恰好している冒険者って
余り見たことないのよね~。それにイルバーナが最近勇者様の召喚の議を
しているって噂も広まっているし。それで私、ピーンってきたの。
もしかして当たっている?」
「違いますよ、こんな弱そうなヤツが勇者様じゃあるわけないですか?」
一通り服を買い揃えないといけないな?
ああまた余計な出費が出来てしまった。
それに偽名も考えないといけないし、明日からまた色々と大変になるぞ。
「そろそろ安い宿屋を探しにいかないと安らかな睡眠が取れないので
帰りますね。美味しいオムライスもありがとうございました
ロージーさん。起きろ、ゴンタレス」
「ムャ……ムャ……もう食べられないのです」
「起きろよ、自称天才美少女僧侶のゴンタレス」
「わたしは自称天才美少女僧侶のゴンタレスではなく
カティアですよ~。ムニャムャ……」
「この子の名前ってカティアって言うのね。初めて知ったわ。
今度からこの子のことをカティアちゃんって呼ぼうかしら」
「メスガキよりはきっとカティアも泣いて喜ぶかと思いますよ」
「嫌だもう、玲音くん。そのことはもう忘れてよ~」
こうして僕はロージーさんの依頼を受けることになった。
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この本主人公である篠染玲音のようにみんなに無視されるのが1番怖くて、
読者様の反応があるだけでどれだけ心が救われるでしょうか?
少しでも読者様の貴重なお時間を楽しい時間に変えられたら嬉しい限りです。




