1章 12話 いざ、聖剣の間へ02
「まだ落ち込んでいる暇などありませんぞ、ロザリナ姫。
伝承によると勇者様が使ったとされるいにしえから伝わる太古の武器は
13もあるらしいです」
「そうだったの? 冗談きついな~。
なら早く教えて下さいよ。大賢者様様のフォルクス様」
パチパチ、パチパチ
「そんなに叩く出ない、勇者殿。痛いではないかっ」
13もあれば僕でも適応する武器がきっと何処かに眠っているはずなんだ。
これでスフレとした約束も守れる希望が沸いてきたぞ。
悩むことはない。きっと欠陥品の中古で召喚されたからポイントがずれて
呼び出される国が間違っていただけなんだ。
「……わたくしは自らの手で聖域を汚してしまいました。
ごめんなさい、ムラマサそしてお母様」
「おーーとお嬢様。簡単には死なせないよ、ロザリナ姫」
ムラマサの刃に目がけて飛び込んで行くロザリナ姫を僕は
ぎゅーと抱きしめる。
「……勇者様」
「気にするなって、ロザリナ姫。
こうして聖剣は無事だし、魔王の手先に聖剣も奪われていないんだ。
それにこうしてみんなが無事に生きている。
こんな幸せことが他にあるのかい?」
誰にでも失敗は必ずある。
自ら這いやがれる強気者は黙って勝手によじ登ればいい。
それがどんなに理不尽で嫌なことを強制されても死ななければ
きっと誰かが手を差し伸べてくれるそんな優しい世界もあっていいと思うんだ。
「このフォルクス。心臓がバクバクものですぞ」
「ナイスキャッチ! さすがは勇者様」
ムラマサか? 徳川家を害を及ぼすと呼ばれた呪いの妖刀ムラマサ。
確か刀を打った鍛冶師がムラマサだっけ? 一説ではよく斬れる安価の刀って
ことでムラマサは大量生産されたって噂も聞く。
まさか勇者様が使っていた13の武器全てがムラマサってことはないだろうな?
「今思えば勇者様って呼ぶのもおかしかったですよね?
あなたのそのお名前をわたくし達に教えてはくれませんか? 勇者様」
「僕の名前はそんな大それた名前じゃないけどね、篠染玲音。
玲音って呼んでくれると嬉しいな?」
学校でも家族の間すらも呼んで貰ったことが記憶がない悲しげな玲音の名。
ギャルゲーのヒロインに玲音って呼んで頂いたことが
最初で最後の記憶かもしれない。
「玲音様ですか? なんて素晴らしい名前ですこと」
「別に様なんか付けなくっていいよ。呼びにくいだろ。
それに様って柄じゃないんだ僕は」
「ではこれからわたくしの名前はロザリナって呼んで下さると嬉しいです」
「分かったよ、ロザリナ」
「はい、玲音」
友達を通り越えてなんだか急激に縮まった恋人いや家庭を持つ夫婦に
なった気さえする。
友達が居なかったから余計に親しい距離感が分からないや。
「そろそろ恥ずかしいです。降ろして下さいませ、玲音」
「了解、ロザリナ」
僕はロザリナをゆっくり畳に降ろす。
「お腹減ったでしょ、玲音。これからあなたのパーティがあるの。
それともこのままわたくしとの時間がいい?」
これはもう頭の中に放送コードぎりぎりのエロい妄想が次々と
泉のように沸いてくる。もう半身もパンパンで……。
これが若さなのか? 嘘だと言ってくれよ、バーニィ。
お読み頂きありがとうございます。感謝感激雨あられです。
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この本主人公である篠染玲音のようにみんなに無視されるのが1番怖くて、
読者様の反応があるだけでどれだけ心が救われるでしょうか?
少しでも読者様の貴重なお時間を楽しい時間に変えられたら嬉しい限りです。




