第40話 新展開!行方不明の仲間
これは西暦9980年のはるか未来のお話。
この時代に召喚されたユアは、剣技の戦い、ソウルブレイドを使った戦いにおいて、抜きん出た戦績をおさめていた。
戦場を駆ける赤髪のポニーテールは、まさに真紅の衝撃。
剣技の戦いでユアの姿を見た敵は、それだけで戦意を失う事も多かった。
ソウルブレイドのエキシビションマッチは、格闘技の祭典として、盛大に催されていた。
もちろんユアは、絶対無敗の王者である。
そんなユアには、当然のようにファンクラブも出来た。
そして、サポートAIのユウとともに、歌手デビューを果たしてしまう。
全宇宙をまたにかけたライブツアーも決まった。
その打ち合わせの最中、突然部屋の扉が開く。
「ユアお姉さま、第三作戦室にいらして下さい。」
初対面の見知らぬヤツにそんな事を言われ、ユアはキレたのであった。
「ケイが行方不明って、どういう事よ!」
熱血漢なユアが、ジョーを問い詰める。
仲間のケイが行方不明。
マイはショックで言葉も出ない。
メドーラはマイ以外のメンバーとは、馴染みが薄いので、反応も薄い。
ここはユアの奮起どころだ。
「ケイは、ぴんころ座のベータ星系を星間パトロール中だったんだ。」
ケイに詰め寄られたジョーは、順を追って説明する。
「お兄さま、ぴんころ座のベータ星系でございますか?
あそこへケイお姉さまおひとりで、向かわされたのですか?」
ジョーの言葉に、メドーラはちょっと驚いた表情で反応する。
「何か知ってるの、メドー?」
マイはメドーに聞いてみる。
メドーは、元はゴンゴル三姉妹のひとり。レドリア合衆国のエース。色々な情報にも長けている。
「ぴんころ座のベータ星系と言ったら、密輸シンジケートの中枢のような所ですわ。
そこへおひとりで行かれるなんて、信じられませんわ。」
メドーラのこの発言に、ジョーも反論はあった。
「この星系へのパトロールは、複数のチーム合同で行っていたんだ。
でもケイは、ひとりの方が動きやすいと、単独行動をとってしまった。」
事実、ケイのもたらした情報が、一番価値のある情報だった。
ただ、ひとりで密輸シンジケートの奥深くへと、入り込みすぎてしまったのだ。
ぴんころ座のベータ星系は、特殊な鉱物資源の宝庫だった。
ただ、この星系の文化レベルは低い。
今のこの星系では、使い道のない鉱物資源だ。
だが、この星系の文化レベルが向上した時、この鉱物資源は必要になる。
今、その鉱物資源を外部へ持ち出す事は、この星系の未来の破滅を意味していた。
たとえ今は必要のない、安値で投げ売られる鉱物資源でも、長い目で見れば、その損失は計り知れない。
この宇宙には、三つの陣営がある。
ブルレア連邦、グリムア共和国、レドリア合衆国。
この陣営への加入には、条件がある。
その星の人類が自分達の力で宇宙に飛び出し、異星人との交渉を始めた時、どこの陣営に付くかの選択権が与えられる。
と言っても、その星が丸ごとどこかの陣営に付くという訳ではない。
その星の中での、国ごと、団体ごと、個人ごとで、好きに決める事が出来た。
そしてぴんころ座ベータ星系に住む人類は、まだ宇宙への移動手段を持っていない。
そこの人類へのアプローチは、禁じられている。
だけどそこは、特殊な鉱物資源の宝庫である。
だから、密輸がはびこるのであった。
ケイのパートナー、サポートAIのミイは、ケイと連絡が取れないでいる。
ケイが死ねば、脱出用システムがはたらき、ケイは戻ってくる。
しかし、ケイは戻ってこない。
これは、ふたつの可能性を意味している。
ケイは生きていて、生命への危険はない可能性。
それと、脱出用システムが壊れていて、すでにケイは死んでいる可能性。
だが、どちらの可能性も、低かった。
ケイが死んでいれば、サポートAIのミイには分かる。
ケイは生きている。それなのに、ミイには何も感じられないこの現状。
ケイの身に、何かが起きているのは、確実だった。
そこで、マイとメドーラがぴんころ座ベータ星系の、人類が住む第二惑星に向かう事になった。
この第二惑星を、現地人達はドルフレアと呼んでいた。
ユアは、ライブツアーを控えているので、行く事は出来ない。
だがユアは、ライブツアーより仲間のケイを優先した。
この事で、パートナーのサポートAIのユウと対立。
とりあえずコンサートの直前までケイを探し、時間になったら直接ライブ会場へ転送するという事で、折り合いをつけた。
マイの乗るシリウスアルファーワン
ユアの乗るシリウスガンマスリー
そしてメドーラの乗るシリウスγⅤ(ガンマファイブ)
三機の宇宙戦闘機が、ぴんころ座ベータ星系の第二惑星、ドルフレアへと飛び立った。




