3:ハンティング協会
この世界に来てから思ったことは、この世界の人(獣人)は常に生まれてから端末を持っていてそれは生活の一部であり自分の証明でもある。買い物、所持品の召喚。情報の収集。
これらをこなすことができるのは非常に便利である。
そう思いつつ走る。とにかく走る。
ピターに案内をしてもらって街の中心に有る統制機関という建物に向かって走った。
統制機関というのは1つの街に必ず存在するもので、街の行政からサービス、生活支援をするものらしい。要は市役所だ。
「マール。統制機関の建物に入ったら左手にハンティング協会の受付がある。そこで手続きを済ませれば明日から自由にできる。」
「ありがとうピター。」
統制機関の建物に入って左手に走った。
まだ受付は行っているようだ。
「すいません。ハンターになるための許可証をいただきたいのですが。」
眠りかけている受付の人に声をかけた。
「ファイ!?…………なんでございましょう?」
「すいません。ハンターになるための許可証をいただきたいのですが!」
「あ、はい!分かりました!この冊子をもって奥の2番室に入ってください!」
「ありがとうございます!」
2つの冊子をもらって2番室に入った。
「あ、ごめんねぇ。あと5分で前の人の説明が終わるから外で待っててねぇ。」
「あ、すいません。」
どうやら説明が終わっていなかったらしい。その間にもらった冊子を少しだけ読む。
「君も受けに来たのかい?ああ、突然ですまない。名乗り忘れていたね。私はヤトだ。よろしく。」
隣にいるネズミのような背の小さい男が言った。
「ああ、よろしくヤト。私は矢口丸。私も受けに来たんだ。」
鈴の鳴る音がした。
「受講の方。2番室へどうぞぉ。」
どうやら終わったようだ。
「ハンティング協会へようこそ。私の名はバドです。よろしく御願いします。君達にはこれから自由にこの世界でハンティングする権利を持つと共に基本的な交渉。武器の取り扱い方のルールを教えます。あと大事な条約も。」
バドと名乗ったおっとりした怠け者みたいな人はゆっくりと喋りだした。恐らくだが胸にきらびやかに輝いているパッチは協会の上の方だろう。
「まず、武器の取り扱いですが。基本的にボウガンや、弓矢、クロスボウ等の音が出ないものは禁止してます。扱っていいものはセミオート機能を持ったライフルか、ボルトアクションのライフル。フルオート機能はあってもいいが非常事態の時以外は使用しないようにリミッターをこちらがつけます。武器は街に有る武器屋で購入してください。あと、腕前によって扱っていい武器が異なります。」
「バド先生。質問ですが非常事態とはどういうときでしょうか。」
「矢口丸さん。ですね?非常事態とは基本的に戦闘に巻き込まれたり、大規模なモンスターの移動に巻き込まれたり等です。」
「次に基本的な交渉。についてです。狩りをした獲物は大体お店とかに納品するのですが、納品するときに協会に証を用意してください。もちろんですがその日に狩った日付を記しておくように。それがなければ不正ということでライセンスを取り上げます。もちろん偽装とか捏造はしないでください。」
「最後に。ハンティング協会の条約ですが、基本的に狩りをするときはこのライセンスデバイスを持ち歩いてください。これはライセンスの証拠とあなたの位置情報、その周辺の環境、モンスターの種類が記されています。これで説明は終わります。ではよいハンティングライフを。」
そういわれて最後にライセンスデバイスを受け取った。デバイスには自身の名前が掘られたプレートが付いていた。
講習が終わって外に出るとピターが待っていた。
「やあ、マール。講習は終わったかい?」
「無事に終わったよ。ありがとう。」
「そうだ。早速提案だが最初の納品先でうちの店を登録してほしいのだが…その、いいかな?」
「もちろん。いいよ。」
綿もてぃです。
次回は私のやる気、気力が尽きないうちに投稿します!あと、これからもよろしく御願いします。