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残念美人である貴族令嬢は婚姻を望んでいます  作者: 花朝 はた
第三章 残念美人は幸せな婚姻をする
37/45

残念美人は公爵嫡男と婚姻すると決める

遅くなりまして申し訳ありません。

一度書いてあったお話をより恋愛に振った話に書き直しておりました。ですが、そのため次話が書きあがっておりません。不定期になりますが、書きあがったら投稿していきます。

 皆さま、ごきげんよう。

 私はリーディエ・シュブルトヴァー男爵です。


 頭の回転は速いけど、時折回転しきれずに熱をもってしまって、寝込んでしまうという特技?を持っている残念美人です。

 しばし、休息をいただきまして、私が語るお話から他の人が語るお話をお聞かせ致しましたが、どうでしたでしょうか?お気に召しましたでしょうか。


 ふう・・・。


 私について狂信的な思考を持つ方などいまして、私自身びっくりいたしました。あのような方が私のことを一方的に考えているなんて、本当に怖いとしか言えないお話でした。ですから私が保身に走ったことも許してくださいますよね?

 ですよね?

 よね!


 実のところ、私は男爵と言う爵位ではなく、もうすぐ伯爵になってしまうのですが、一応皆様には言いましょう。好きで爵位を上げたわけではない!阿呆の国王が勝手に私を伯爵位にしてしまっただけだ!

 それを言うに事欠いて、王城の廷臣どもはあの化粧で国王を誑し込んで、伯爵にさせたとか、あの化粧は傾国の装いだとか、馬鹿なの?阿呆なの?間抜けなの!?いい加減にしろーっての!


 あ、あら・・・、失礼いたしました・・・。思わず我を忘れてしまいました。申し訳ありません。どれだけ文句を言ったとしても変えられることではなく、もうどうしようもないことなので、お話を続けましょう。


 「ロマン?誰かに使いを頼めるかしら?」


 私の言葉に執務室としている、当主の私室で私は寝ながら思いついたことをしようとして、執事のロマンを呼びました。


 机の側で、私が決裁をしやすいように書類を整理していたロマンが顔を上げるのが見えます。


 「御屋形様?どちらにどのような用事で使いを出されるおつもりですか?」


 「ベチュヴァーシュ公爵のところ、ラドヴァン様ね」


 「・・・婚約者候補の方ですね」


 「・・・いえ、婚約者にしようと思います」


 私はロマンの言葉を訂正します。


 「・・・」


 ロマンが黙ったままなので、私が椅子に座ったまま見上げると、眉を寄せている執事の姿がありました。


 「・・・婚約者とすると?よろしいのですか?ラドヴァン・ベチュヴァーシュ様は御屋形様が前に言われた通り、今はまだ得体が知れない方なのですが・・・」


 ロマンがそう言うのも仕方なしでしょうか・・・。


 「・・・あなたの言うことはそうかもしれませんが、ちょっと王家に対する力関係を考えると、大伯父様が最初にお話になったストルナド家では、王家に抑止が効きそうにないのですよ。

 私はあのストルナド家はシュブルト領の利益だけを狙ってる感が強いと感じています。

 さらには、あのレオポルト様は、私があの方を婚約者と選ぶとなぜか考えているのです。

 レオポルト様というか、ストルナド侯爵家の方がそう考える拠り所があるのでしょうが、私にはあの方がシュブルト領を采配して行くだけの能力を見出せなかったのです。

 私が間違っているのかもしれませんが、あのストルナド家が自分たちの領地を富ませることができていないことが、私には理解できないのです。

 領地の采配の方法はいくらでもあると思いますので、それをしていない家の方であるレオポルト・ストルナド様は婚約者にはできません」


 私がゆっくりとそうロマンに答えると、ロマンは一度だけ長い長いため息をついてから、表情を執事らしく消します。


 「・・・仰る通りだと思います。僭越ながら申し上げると、レオポルト・ストルナド様では、シュブルト家の入り婿にはなれないと私は考えております。たぶんあの方はシュブルト家の利益を、隣の侯爵家に送るつもりなのではないでしょうか。婚姻後に、御屋形様を亡き者にするつもりなのかもしれません」


 「・・・ふふ、できるかしらね・・・」


 私は少々可笑しくなって笑ってしまいました。


 「・・・試されるおつもりならお止めください」


 ロマンの言葉には焦りは感じられませんでしたが、呆れたような非難するような響きが混じっています。


 「・・・やりませんから安心しなさい。レオポルト様と婚姻するつもりなどないから」


 「・・・かしこまりました。

 ですが婚約を申し込んでいるお方はまだ他にもおみえでしたでしょう?」


 ああ、そうでした。まだ南の男爵が居ましたね。私を本家の当主になるための道具として使いたいと考えていたお方が。


 「・・・そちらの方を婚約者とされることで出来るのではありませんか?」


 ロマンの言葉に記憶を刺激され、嫌な気分になります。


 「・・・あの男爵だけはまかり間違ってもないので、冗談でも言わないで欲しい」


 眉をしかめて見せると、ロマンが少しだけ目を見張ります。


 「ボリス・ズーレク男爵が何か、御屋形様にしたのですか?だとしたら、秘密裏に消しますか?チェスラフを呼び寄せましょう」


 「・・・待ちなさい。消すとはどういうことです?そんなことしなくてもよいですよ。そのうちに自ら消えます」


 「御屋形様は私たちが知らない者をお使いになっておられるのですか?その者たちがズーレク男爵を消すとのことですか?!」


 何を言ってるんでしょう・・・。


 「・・・落ち着きなさい・・・」


 しばらくロマンに私が得体のしれない工作員を抱えているわけではないと説明したのですが、ロマンはなかなか信じず、時間を無駄にします。


 「・・・つまり御屋形様はカシュパーレク伯爵令嬢時代に暗殺できるものを雇っていたわけではないのですね?」


 「・・・はあ、消えると私は言ったのですよ。誰が消すと言ったのですか?まったく・・・」


 ロマンは諜報を司っていたので、消えるという言葉にそっちの方面しか考えつかないのですね・・・。これは教育し直さないと厳しいかも・・・。


 私が難しい顔をして考えていると、ロマンが便箋と封書を私の目の前に置きます。


 「・・・お待たせ致しました、便箋と封書です」


 「ん、ありがとう」


 私は便箋にラドヴァン様宛の文を書き始めようとします。


 ドアがノックされました。


 「?」


 私が便箋から顔を上げると、ロマンが目だけで『開けますか?』と尋ねてきました。


 「開けて」


 私が短く答えると、ロマンが扉を開けます。執事見習いのイルジー・ベームがぎこちないお辞儀をしながら入って来ました。


 「・・・イルジー?ぎこちないですよ、御屋形様にそのような無様なお辞儀を見せないようにしなさい」


 「!し、失礼しました」


 「・・・ま、まあまあ、イルジーは執事の仕事を始めて半年だから。おいおい出来るようになっていくと思う」


 私の言葉に、イルジーの表情が強張ります。緊張して私を見ています。

 

 「執事たる者、御屋形様が許されたと言って気を抜いてはいけません。・・・ですが、あなたは気を抜いたわけでもありませんから、なかなかいい心構えです」


 おや。私はロマンを見やります。無表情ながらなぜかイルジーに対しては、当たりが柔らかいような気がします。

 まあ、良いでしょう、イルジーはロマンにとって期待している執事見習いということなのですね。とやかく言うことは、私からは止めましょう。


 「それで、どんな用事なのかな?」


 私は含み笑いでロマンとイルジーを交互に見やりながら口を開くと、イルジーが再度、今度はぎこちなさを気にしてなのか分かりませんが、ゆっくりと一礼してから、おもむろに口を開きました。


 「はい、御屋形様にお客様です」


 お客?さて、今日は何か訪問されるような予定がありましたか?

 イルジーの言葉に、私はロマンを見ます。


 私の視線を受けて、ロマンが一度一瞬だけ宙を見た後、答えました。


 「・・・本日、御屋形様を訪ねて来られる方は居りません。緊急で来る場合はあるかもしれません。例えば、国王陛下とか」


 「・・・はた迷惑な国王よねえ」


 私が漏らすと、ロマンが一瞬だけ笑いを見せます。


 「御屋形様の言われる通りです」


 ニヤリとするロマンを笑顔の私が見返します。


 その間、私が真面目な表情になるまで、イルジーは黙って立って待っていました。


 私は顔を真面目な表情に戻すと、イルジーを見ます。


 「・・・それでイルジー、誰が来たの?」


 私がようやく質問すると、緊張からようやく解放されるとでもいうように顔を綻ばせながら答えました。


 「ベチュヴァーシュ公爵家のラドヴァン・ベチュヴァーシュ様です」


 予想しなかったわけではありませんが、まずないだろうと思考から排除していた方の訪問です。思わず、何も言えずに暫く黙り込んでしまいました。


 「・・・」


 「・・・」


 「・・・何をするつもりなんでしょうね・・・」


 暫くしてから私が呟きます。私がしばらく何も言わないためか、イルジーが居心地悪そうに身じろぎしています。私は宙を見てこの訪問の意味を考えます。

 ロマンがただ黙ったまま、私の言葉を待っています。


 「・・・どうされますか?」


 我慢できなくなったのか、イルジーが恐る恐る尋ねてきます。


 「・・・御屋形様がまだお考えになっておられます。イルジー、今しばらく我慢しなさい」


 ロマンがイルジーに話しているのを私はぼんやりと眺めながら、いまだ考えに浸ります。


 こんなに早く動くのはなぜ?私の価値を知った他に取られたくないとか?


 しばらく考えた後、理由はどうであれ婚約者とすると決めたのだからと、私は一つ頷いてから、口を開きます。


 「わかりました、応接室に向かいます。理由はわかりませんが、わざわざ高位貴族が尋ねてきたのです。会わないわけにはいきませんからね」


残念美人は自分に会いたいと思う人が居るとは思っていないのでした。

行動派のリーディエは、自ら動くと言うことが多いのです。ですから自分に会いに来たということがいまいち信じられない残念美人です。

そんな残念美人が可哀そうに思われたなら評価をお願いいたします。

次話は体調にもよりますが、それほど遅くならないうちに投稿できたらと思っています。

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