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残念美人である貴族令嬢は婚姻を望んでいます  作者: 花朝 はた
第三章 残念美人は幸せな婚姻をする
36/45

残念美人は悪夢を見る

皆さま、お待たせしましたでしょうか?

仕事を優先しなければならなかったので、仕事を優先しておりましたのですが、同時に体調が悪くて、日々の執筆も長くはできずでした。年末年始も寝込んでいて体調が良い時にだけ細々と書いていました。そのために時間が空いてしまったのは申し訳ありませんでした。

章としては第三章ですが、最終章のつもりでおります。

最初にプロローグのような短いお話を投稿します。この章の流れのようなものになりますので、よろしくお願いいたします。

 そこは光が溢れる大広間だった。

 天井から釣り下がるシャンデリアが相当数輝きを放っている。


 煌びやかな衣装をまとった人々が飲み物を片手に、思い思いに談笑をしている。かと思えば、何組もの男女が流れている演奏で踊っていた。

 絶えず、笑いが大広間のそこかしこから響いている。


 我に返ると、私もそこに居て笑っていた、・・・いや、はずだった・・・。

 手に持っていたグラスが淡い琥珀色に染まっている、入っている液体の底から泡が上がっていく様を私は見るともなしに見ていた。


 ふと気が付くと、私の傍らには三人の男がいて、代わる代わるに話しかけられていた。

 あたりを見回すと、明らかに不機嫌な表情で怒鳴り散らす男、探るような表情で話しかけてくる男、そして媚びる表情の中に焦りを見せる男。

 それらが代わる代わる話しかけてくる。

 他にも何にもの男たちが話しかけたい表情で私の周りに集まって来ている。


 場面が切り替わる。

 三人の男と媚びるかのような表情の男達は消え、真剣な表情、心配そうに眉を寄せた表情、明らかに泣き出しそうな表情をした数人の幼子と、私と同じ年頃の女の子達がやはり全体的に心配そうな表情で私を囲んで立っている。


 口々に何かを言っているが、言葉が届かない。何を言っているのかわからない。


 それに対し、多分私は何かを言っていたのだと思う。それは周りを囲む人達に心配するなと言っていたのだろうと思うが、今となってはわからない。


 周りを囲む人達が割れて、5人の男女と、一人の男、そして一人の女性が私の前に立った。

 5人の男女は私を見て目尻を下げた。笑っているとは思うが、その笑いにも恐れか怯えがある。

 一人の男は私を睨みつけるように立っている。相当怒りで強張った顔になっている、いや、それは怒りではなく遣る瀬無さに希望を打ち砕かれて自暴自棄になっている・・・のか・・・。しかし、私がじっと見つめると、男は諦めたように後退していき、陰に隠れてしまった。

 一人の女性は儚げで、そして自信がなさそうに所々翳んでいる。じっと見ていなくても私に対して申し訳ないとでもいうようだ。そして女性は何を言うでもなく翳んで消えていく。それに合わせる様に周りを囲む人達も、そして5人の人達も、そして一人の男も消えて行った。

 残ったのは、煌めく大広間に、優雅に奏でられる音楽、笑い騒めく声だった・・・。


 気が付くと、私は一人の男性と踊っている。踊りやすい、決して踊りが得意ではなかった私からしてもリードが的確で常に私を優先してくれる、踊りが上達したのではないかと錯覚させるような・・・。


 興味を持って、その男性の顔を見ようとしても天井のシャンデリアが煌めいて、逆光になりよくわからない・・・。

 目を凝らし顔を覗き込むが、その度に光が煌めいて見ることはできない。だが、男性は確かに私に向けて笑いかけている。そう私は感じた。


 突然、男性の顔が光り始めた。どんどん光が眼窩から、額、頬、鼻、口腔から溢れ出てきた。

 男性の顔を見て私はたぶん悲鳴を上げたのだろうと思う。

 だが、二人の踊りはとどまるところを知らず、続く。そして男性の顔から溢れる光もとどまらず、私の悲鳴も続いた。


 光は今や顔全体から出ている。その光が皮膚を焼き、焼け爛れて、黒く変色している。男性はそれでも私に向けて笑いかけている。

 皮膚が焼け爛れて無くなり、光一色になっても私は男性と悲鳴を上げながら踊り続けていた。

 光は私をも焼き始めて、私は痛みを感じたのか、一層の悲鳴を上げる。


 一人の豪奢な衣装を身に着けた男、その豪奢な衣装と対照的に質素だが、仕立ての良い動きやすい衣装を着た男、少々薄汚れた衣装を着ている男、それらが私を見ている。光りながら、そして燃え続けながら踊る二人を見つめている。

 彼らを中心とした人々がただただ周りを囲んで立っている。


 炎が目の前で揺らめき、それでも私たちは踊り続ける。

 一層のあらゆる視線を浴びながら。


 光は私たちを焼き、そして二人が立っている床も焼く。焼かれた床は黒々としている。

 そして、燃え尽きる寸前、私の耳に言葉が届く。

 

 『・・・私を・・・信じて・・・』


 二人は床の奈落から落ちて行く。燠のように赤く光りながら・・・。


 私は目を開けます。荒い息遣いに私自身少々軽い驚きがあります。

 薄暗い部屋の中、しばらくじっとしていると、動悸も収まって来ました。


 ベッドサイドの側机に置かれた水差しとグラスを見て、私は一息、息をつきました。


 「なんか変な夢でした・・・」


 夜明け間近なのでしょうか、暗がりだった部屋の中も、ぼんやりとではありますが物の形が見て取れるようになっています。


 今しがたのものが悪夢というものなのでしょうか。


 「・・・夢は願望が出たものだと言いますが、私は光が漏れ出る方と恋愛をすることになるのでしょうか・・・」


 私は起き上がって、のどを潤すために水差しに手を伸ばしました。


如何でしたでしょうか。

この世界には魔法や転生もないので、夢が持つ役割など大したものではないでしょうが、リーディエも残念美人ながらも、不安を感じていると思っていただければ幸いです。

異世界(恋愛)ながら、恋愛要素がないなと反省しきりです。この章で婚約者と甘く過ごせればよいのですが、残念なリーディエを甘い雰囲気にしようとすると、必ずリーディエ自身でぶち壊していくのですよねえ・・・。

ブックマークなどをつけていただけますと、皆様が読んでいただけていると嬉しくなりますので、何卒よろしくお願いいたします。

2016.01.24追記

現在リーディエの婚約話が進んでいないと考えまして、全面的に改稿中です。最初は伏線の回収でいとこの死亡の真相などを書いていたのですが、ジャンルが違うなと思い直して、婚約者と婚約するなどの話に書き換えています。ですが、真相についてもリーディエの推理でさらりと触れながらハッピーエンドになるように書き直しますので、もう少しお待ちください。

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