今は無き公爵家の元嫡男~身を慎むことの意義
皆様、間章の最後のお話です。心優しい男性のお話です。
今回の男性は、皆さんの予想の通りの方でしたでしょうか。たぶんお分かりでしたよね?
少々長いです。
彼の名前は昔はそれなりに名のある家名だった。だが、それは2つの醜聞で地に落ち、そのうちの一つは家自体を失う羽目に陥らせた。
呪われてしまった名だという者もいた。
ただ先代の選択が間違いだったとしか言えない。
今でも彼は貴族だ。
周りを国王領の代官と直轄地の執政官に囲まれた豆粒のような領地。
一日あれば、所有地の大半を廻り切れる。それが今の彼の力のすべてだった。
批判は今も続いているし、領地周りの国王領と直轄地の執政官がいつも境界あたりに騎馬隊を連日出し、監視をしていることも知っている。
だが、自分はそれに対して不満や愚痴すら言ってはいけないと毎日戒めている。
それが耳に入れば、今度は私だけではなく妻の命も持っていくに違いない。前回は先代に加担することなく、やり方自体を批判し身を慎み、家と距離を取っていたからこそ、第二の生を許されたのだと思っている。
とはいえ、あまりに厳しい監視のおかげで、領地に住む民の生活にも支障が出てきている。民からは当初は同情の声もあったのだが、監視で物流が毎回のように滞ると、それについての不満が出てくる。公爵家発生からの領民であり、善政を敷いてきた当主のおかげで、領民からの突き上げは今はまだない。だが、それも時間の問題だろう。
今の領地には、集落が三つ存在する。どの集落も同規模で、住民は多くて一集落七十人ほどだ。大して特産のない小麦畑の広がる領地には、丁度刈り入れの時期が来ている。
そして刈り入れの時期になると関係してくるのが税だ。この領地は税を小麦で払う。税は金銭で払うこともできるし、物納でもよい。ただ税の取り立てに関しては専門試験に合格した者だけが納税証明書を発行することができる。この証明書がなければ、次回の徴税は納税額が跳ね上がる。下手をすれば八割取られることもある。徴税官は金儲けには向かないが、やり方によっては賄賂で潤うこともある商売なのだ。ただ賄賂は摘発を受ければ、問答無用で死罪となるため、徴税官は割が合わないという者も多くいるのだ。
貴族は領地に徴税官を自前で雇っている事が多い。しかし自前で雇えない所は毎回王城に徴税官を寄こしてほしいと頼まざるを得ない。しかしその王城の雇われ徴税官が居丈高なせいで、この時期の集落の長は、全員が怒りを貯めている。払わないと言っているわけではないし、払うつもりだが、人を見下すその態度に我慢ならないのだろう。そんな態度じゃ気持ちよく払いたいと思わないというのが人情というものだ。
彼のこの時期の役目は、領民の怒りの視線を感じると、皆の前で謝罪して回ることだ。徴税官の横暴に対する怒りを和らげること、それが彼が自分に課している贖罪でもある。
彼は今しがたの徴税官と領民のもめ事にげんなりしながら歩き、領主の館と呼ばれている家の玄関に立った。護衛役のダリボル・ベズチェクが、玄関のドアを開けて中に入るまで、後ろに立って警戒をしてくれている。だが、本心から言えば、それは必要のないことだ。襲われても仕方がないし、襲われても抵抗するつもりもない。実際のところを言えば、彼は家がなくなった時に死を覚悟していたのだ。
ただ欲を言えば、妻であるヨゼフィーナだけは守ってほしいと思っている。
ドアを開けて入るとそこは短い廊下が伸びている。廊下はすぐに突き当たり、突き当りには厨房兼食堂になる部屋があった。廊下の途中には二階に上がるための階段がある。二階は領主である彼とその妻の私室と寝室、二人の侍女の部屋、そして護衛と執事の部屋がある。
玄関のドアを開けて入ったところの左右には応接室と領主としての執務室があり、食堂の脇には料理人の部屋と下働きの小間使いの暮らす使用人部屋に通じる通路がある。また応接室の隣には日中ヨゼフィーナが過ごしている小部屋があり、そこには客室召使も兼ねる侍女二人が控えている。
これが今の男爵家の使用人のすべてだ。
この家では執事以外の人員はすべてヨゼフィーナの実家が雇い入れて、給料も伯爵家が持ったうえで派遣されているのだ。従って護衛も本来はヨゼフィーナを守るための人員だ。だがヨゼフィーナは彼が外出するときは、必ずダリボル・ベズチェクを彼につける。
これについてはいつも二人の間では、口論の種になる。
「・・・ヨゼフィーナ、いいかい、ダリボル・ベズチェク殿はあなたの護衛だよ。私ごときにつけてよい方ではない」
「・・・いえ、彼には旦那様を守っていただきます。わたくしの父であるハラデツキー伯爵が旦那様も守れと直々にダリボル・ベズチェクに命じております。ですから、外出時には旦那様についていくとなっております」
毎回外出前には、このような会話でヨゼフィーナに諭すが、彼の妻は聞き入れない。決して夫を蔑ろにするわけではないヨゼフィーナだったが、どうやら彼が自分の生に執着していないと見抜いているらしい。さらには伯爵家の令嬢だったために、自分付きの侍女が二人しかいないのは、さぞかし不自由だろうと毎回侍女を増やそうと言ったのだが、今の二人でよいと頑ななのだ。
「侍女を増やしたら、今の男爵家の収入ではやっていけません。そのときに、またわたくしを離縁しようとなさるおつもりなのでしょう?そんなことは絶対にさせませんからね。わたくしの幸せは旦那様と共に暮らすことです」
彼の妻であるヨゼフィーナとは政略結婚だった。
彼女はハラデツキー伯爵家の出で、下に妹が二人いる長女だった。さらに伯爵家には嫡男が居て、歳は今年で十を数えた。弟は待望の子で、家族全員から可愛がられている。幸いなことに体は頑健に生まれついたのだろう、風邪一つ引いたことがないという。羨ましい限りだった。
彼の家がなくなるときに、自分に殉じることはないと、彼はヨゼフィーナを妻の実家に連れて行った。何も説明しないまま、輿入れの際についてきた二人の侍女と共に馬車に乗せ、ハラデツキー伯爵家に送り届けた。義理の父は最初は受け入れを拒否したが、もう公爵家が存続出来ないことを説明し、自分には過ぎた妻だったというと仕方なしに受け入れたのだった。
しかし、ここからが大変だった。ヨゼフィーナが大粒の涙をこぼしながら、離れないと叫び側に居て同じ罰を受けると彼に縋って離れようとしなかったのだった。義理の父の力も借り、何とか引きはがし、その足で彼は王城に出頭したが、その途中で離縁状を法務大臣に提出した。これで、ヨゼフィーナは罪に問われることはないだろうと、安心をした。肩の荷が下りた気がしていた。だが、政略結婚のはずだったのに、ヨゼフィーナがあんなにも離れたくないと大泣きするとは予想もしていなかった。少しだけ嬉しく思ったことも事実だった。だが、離縁を認めなければ身に害が及ぶ。聞き分けてくれと、それだけを願った。
王城の牢に入れられてしばし暮らすうちに、彼はふと昔のことを思い出した。記憶を封じ込めるようにしていたのだが、やることもなくなり、閉ざしていた記憶の蓋が開くように、思い出した子が居た。一人の女の子だった。事情があり、もう決して会うことはない人になってしまったが、昔を思い出した彼は、無性に会いたくなったのだった。その子は生まれながらに自分の弟に嫁ぐことを約束されていた。
だが、弟はその子を嫌い虐げていた。弟は、その子は自分には好意を向けないと言い、冷たくしていた。時にはその子を殴るなど、信じられないことをするのだった。だが彼は不思議に思っていた。その子は彼にはいつも笑顔で『お義兄様』と呼び、遠くから彼を見つけるたび、駆けて来てくれたからだった。
実のところ、そういう姿に絆されない男はいないだろうと思う。もちろん彼もその子が好きだった。ただ弟の元に来るということは、彼はその子のことをあきらめなければならないと、頭のどこかで分かっていたため、あまり親しくはできなかった。それでも、弟がその子を置いて逃げ出してしまうため、彼がその子の相手をすることは頻繁だった。
「・・・あの子は、今はお隣の国に出たそうだが、息災だろうか」
そのつぶやきは、牢の石組に消えて行ったが、彼の心の中には繰り返し繰り返し響き渡った。
彼は立場柄、あまり親しくできなかったことを長い間謝りたいと思っていた。特に弟が学院の卒業パーティで婚約破棄を言い渡し、伯爵家が弟の虐めや暴力があったこと、それが幾度も繰り返されたことを申し立て、それが真実であると、弟の有責で公爵家が慰謝料を支払うことになったことで、罪悪感は留まることを知らないほどになった。
弟の行状に関して罪悪感を抱き、昔なじみに謝ろうと思うのは、どうしてなのか、彼にもわからなかった。ただ、公爵家の者として謝罪をするにしても、慰謝料を払っているので謝罪としてみれば十分のはずだった。だが、なぜかあって謝りたいという気持ちがなくなることはなかった。
彼が従順に出頭し、牢につながれたことと、積極的に取り調べに応じたことから、今回の犯罪は一切合切が公爵一人で行ったことが判明し、彼の首の皮はつながった。嫡男という理由で父の公爵と共に断罪に処せられるのではないかと思っていたのだが、ふたを開けてみると公爵本人も終身刑となった。
牢につながれたままでこのまま一生を終えることが、恩情と言えるのか、意見は分かれるところだろうが、処刑された者は公式にはいなかった。ただ、クバーセク国の悪徳商人の手先で王都に潜り込んでいた者は捕えられ、秘密裏に処理されたと言われていた。この手先をたどり、クバーセクの秘密機関の構成員を割り出すことができ、このために公爵と公爵夫人と彼は命までは取られなかったと言われている。
公爵家の沙汰が終わり、彼は牢から出された。市井に出て何をしようかと考えた時に、手紙の代筆業を思いついた。市井では今だ読み書きができるものが少なかったのだ。商売人のために契約書や誓約書を書き、国への申請書を清書して提出することでひとまずは飢えることはなくなった。小さな家を借り、その家で近所の人々の代筆業を受け付ける商売も軌道に乗り始め、半年が過ぎたころ、なぜか王城に呼び出された。
王は公爵の行いを批判するかのような彼の行動を評価し、一定の制限をつけながらだが、爵位を与えると言った。実のところ、彼はあの子に対する、父である公爵の行いが許せなかったこともあり、普段父とは違う行動を心掛けていた。あの犯罪の時も、そういう理由から自分は違うことをしようとしていたのだった。それを評価されるとはと彼は苦笑する。だが、それと爵位を受けることは話が別だ。彼は断ろうとした。
だが、王は殊の外鋭い目で彼を見てきた。そして断ることは許さんとだけ言った。
頭を下げて王の前から下がりながら、王はペリーシェク公爵家を許したわけではないらしいと悟っていた。噂は本当だったかと彼は思っていた。
噂では父はこの犯罪で金を集め、王になり替わろうとしていたと言われていた。王への支持を自分に向けさせるために金で支持を買おうとしたと、早急に事を運ぶために違法麻薬販売を選んだと噂されていたのだ。
そういう事情から、彼は王に監視されていたのだった。その監視は市井では判り辛いため、領地を与えてそこで監視しようと考えたのだろう。そして失政を理由にして、いつか処刑する。そういうシナリオを描いているのだろう。王に楯突こうとした家を継ぐことのできる男はこのようにして消していく。たぶん父と弟にもその手は伸びているのだろう。
だが、代筆業で生計を立てていた家にたどり着くとそこにはヨゼフィーナが居た。彼の妻は私だと言って家に居座る。貴族の令嬢であるヨゼフィーナでは市井で暮らしていけないと何度も諭しても、聞き入れることはなかった。ついには隠れていたらしい義理の父である伯爵まで登場する始末だった。伯爵は爵位をもらい領地に赴任することも掴んでいたようで、伯爵には結局なし崩しにヨゼフィーナを妻とすることに同意させられ、さらには領地に連れていくことにも同意させられてしまった。
「義父上、私は国王に睨まれています。私を領地に押し込め、失政を理由に始末するつもりでしょう。その時にヨゼフィーナが居たら、一緒に処刑させられるかもしれないのです。義父上、ヨゼフィーナを死なせたくないでしょう?」
必死に義理の父を説得する。だが、願い空しく義理の父は笑みも見せず答えた。
「・・・委細承知の上だ。ヨゼフィーナはそれでもあなたと一緒に居たいそうだ」
小さな家の中を見て回っているヨゼフィーナを見やりながら、義理の父はため息をつく。
「・・・何度も説得したのだよ、コンラート殿。でも無駄だった。昔から言い出したら聞かん子でな。私もほとほと困っておったのだがな」
そして今、彼らは領地にいる。
「・・・旦那様、お帰りなさいませ」
ドアの開く音に妻のヨゼフィーナが小部屋から出てくる。
「ああ、ヨゼフィーナ、今帰ったよ」
近寄ってくるヨゼフィーナのほほにキスをする。
「・・・何か変わったことはなかったかい?」
「あのう・・・、次回行う予定のバザーで、刺繍したハンカチを売りに出す予定にしておりました。そこで刺繍を始めたのですが、刺繍糸が足りなくなってしまいまして。持ってきてもらいましたのですが、初めて見かけた商人の方で、挨拶状を置いて行かれたのです。お店の名もはじめての名で、こんな事初めてで・・・」
胸騒ぎがする。できるだけヨゼフィーナを刺激しないように、努めて冷静な声を心掛けて尋ねた。
「へえ、珍しいな、今時挨拶状なんて置いていくのかい?」
「わたくしも初めての経験でしたけど」
「・・・そうかい、何か売込みでもしたいのかな?何か書かれているのかい?」
「・・・ご覧になりますか?」
ヨゼフィーナが彼の言葉に小首をかしげながら、答える。
彼女の言葉に侍女が、その挨拶状を取りに小部屋に戻り、ほどなくして戻ってきた。ヨゼフィーナが受け取り、それを彼に渡す。
「こちらです」
「・・・ありがとう」
彼が改めるその挨拶状にはこれと言っておかしなところは見受けられない。至って普通の挨拶状だ。
『いつも御贔屓いただきましてありがとうございます。現在こちらの地方を担当しております者が長期の休暇を取っております。その者の代わりで臨時の担当となります、ハルディナ学院店でございます。新規の店舗ではございますが、お客様の興味を持つ品が盛り沢山です。一度ご用命くださいませ』
「・・・何か言っていたのかな?」
読んでから平静を装い質問すると、ヨゼフィーナが小首をかしげて答えた。
「わたくしの欲しかった糸にも種類があるとかで、明日、もう一度糸をもって来ると言って居りました」
次の日、彼は執務室で刺繍糸を持ってくるという商人を待ち受ける。
ドアがノックされ、執事によってドアが開けられる。平凡な顔つきのこれと言って印象の残らない男が入ってくる。探るようにその男を彼が見ると、その男がふとにこりとした。しかし、その男の視線はそのままヨゼフィーナに向かい、一礼をする。
「奥様、ありがとうございます。先日ご相談をいただきました刺繍糸を数種類お持ちいたしました」
「ああ、ありがとうございます。早速見させていただいてもよろしくて?」
「はい、どうぞ」
「今日は、わたくしの主人もおりますの。わたくしが糸を選ぶ間、主人に最近の流行りは何があるか、お話しいただいてもよろしいかしら?」
「・・・かしこまりました」
再度、一礼をして、応接室のテーブルに糸を並べる。自由に選んでもらうつもりのようだ。そのまま、体の向きを変えて近寄ると、男は彼にも一礼する。
「お初にお目にかかります、わたくしはリーディエ・シュブルトヴァーの遣いの者です。コンラート・ペリーシェク男爵様とそのご家族の方を保護するようにと主人から言われてまいりました」
そうして、コンラートと妻のヨゼフィーナ、そしてヨゼフィーナ付きの侍女の二人、リリアナとノエミ、護衛のダリボル・ベズチェク、そして執事であるシュチェパーンはカィエターンの領主館アルノシュト城にたどり着いていた。後の下働きの小間使いと料理人は今別の荷馬車に隠れてシュブルト領に向かっているとのことだった。
「・・・申し訳ありません。今主人はこのベェハル国の王都ブラホスラフに居りますので、ご挨拶できないと残念がっておりました。代わりに主人からの手紙を預かっておりますので、ご一読ください」
ロマンという顔の良い執事があいさつをし、トレイに乗せた手紙を差し出す。
彼が手紙を開け、中を見る。
『お義兄様、お久しぶりでございます、私はリーディエ・シュブルトヴァー、お義兄様にはラドミラ・カシュパーレクと言ったほうがお分かりになりますでしょうか、このシュブルト領の領主でございます・・・』
ああ、やはりあの子だ。いつも私を見つけると嬉しそうにかけてきたあの子、弟の婚約者、ラドミラだった。私はあの子に謝らなければならないと思っていたのだ。弟がいつも嫉妬から傷つけて申し訳ない、あなたの意思も聞かずに勝手に婚約を進めた両親を止められなくて申し訳ない、そして、こんなにも好意を寄せてくれたのに、寄せてくれていたのにわからない振りをしていて申し訳ないと。
涙があふれて、あの子の手紙を読めなくなった。その様子を見た執事のロマンは視線を彼から外し、ただ黙って在らぬ宙を見ていた。泣いている夫の姿を見たヨゼフィーナが慌てて駆け寄ってくる・・・。
そして、今彼はシュブルト領の代官の一人として、スコカンの町を采配している。この町でならあのプシダル国の王権も届かない。家名をペリーシェクからこの地方の昔の呼び名の一つハディマに変え、コンラート・ハディマと名乗っている。
つい最近、コンラートは王都ブラホスラフに妻のヨゼフィーナと共に連れていかれ、国王に目通りした。国王に問われるまま、答えていたらいたく感動され、その場で国王が叙爵すると言い出す。結局すったもんだの末、男爵とされてしまった。
「私の味方をしてくれないか?」
国王にそう言われたが、彼は笑顔で答えた。
「いえ、残念ながら、私と妻はリーディエ・シュブルトヴァーの味方です。決して裏切ることはありません」
プシダル国の国王は、コンラートの治めていた領地を国王の名の元に貸しているという感覚でした。なのでコンラートが居なくなってもそのまま接収すればよい、誰を代官にしようかと今は考えています。
国王は監視に耐えられない領民が暴発し、コンラートを襲う筋書きを書いていたのですが、案外上手く逃亡したな、居なくなってしまい、処分を言い渡せなくて残念だと思っってはいますが、処分に拘っているわけではありません。この世界の国王など、こんな思考のおかしいいかれた人と言っても良いでしょう。
ちなみに逃亡劇ですが、まず、料理人と下働きさんが休暇で家を離れます。ついで、執事と護衛と侍女二人を引き連れて、妻と共に彼の母のいる修道院へお見舞いに行きます。そのまま、母の実家の侯爵家に泊まります。この家は祖父母が健在で、そのまま、二人をカシュパーレク領に執事と護衛と侍女二人と一緒に隠れて向かいます。その間に料理人と下働きさんは荷馬車に隠れてシュブルト領に出発。カシュパーレク領で迎えに来ていたシュブルト領の馬車に便乗し、そのまま走り抜けるという寸法です。
ちなみに執事も護衛も侍女二人も料理人も下働きさんも、リーディエの執事代理チェスラフ・ミハレツが説得し、全員から逃亡について承諾をもらっています。ちなみにコンラートとヨゼフィーナがシュブルト領につけば、後の者はどうしようと勝手ですよと、二人がシュブルト領に入るまでは協力してほしいと言って、協力してもらいました。
実のところ、なかなか失政をしないので、王をはじめとする面々は半ば強引に強盗を装い、襲撃して殺すのも検討中でした。間一髪ですね。ちなみに母は、実家の侯爵家の庇護で近々侯爵家に引き取られる予定ですが、もう一生侯爵邸から外には出られないでしょうね。飼い殺しです。
これで、リーディエに係った男性を全員話題にできたと思います。
さて、間章は今回で最後となります。最後のお話は、本当はもっと長くなる予定でしたが、これだけで一章使いそうだったので、途中途中を切って仕上げました。少しだけ彼の感傷に浸っていただければ幸いです。
次からは最終章の予定です。リーディエを陥れようとする相手は誰なのか。構想では有力候補はいます。たぶん、あの人かなあ・・・。
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(記2020年11月23日)第三章はある程度書き溜めてから、投稿しますので、今しばらくお待ちください




