表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
残念美人である貴族令嬢は婚姻を望んでいます  作者: 花朝 はた
第二章 残念美人の女男爵は婚姻を望んでいます
23/45

残念美人はお隣の婚約者候補について語る

何とか間に合いましたので、投稿します。3日連続投稿の3日目です。

お隣の侯爵家の婚約者候補は、あの残念美人のリーディエには勿体ないということなのでしょう。集まった友人たちは候補から外れることに対して残念だとかの言葉は発していません。なんだか、可哀想です。

 皆様、ごきげんよう。

 私はリーディエ・シュブルトヴァー男爵です。


 私達、ベェハル国の王都ブラホスラフのシュブルト男爵家のタウンハウスの一応当主である私、リーディエ・シュブルトヴァー男爵の私室に、大伯父様と弟のヴィーテク、そしてヴィーテクの学院時代の悪友であるベネディクト・チャペック様、ザハリアーシュ・ピェクニー様、オトマル・テサーレク様、そして私の王立ハルディナ学院時代の級友であるドラフシェ・ピェクニー様が詰めかけていて、あまり広くないタウンハウスの私室が息苦しいほどです。


 「レオポルト・ストルナドについては、何か掴んでいることでもあるのか?」

 咳払いをした大伯父様の言葉が低く低く耳に響きます。

 「・・・先ほどラドヴァン・ベチュヴァーシュ様と踊ったときに、彼の妾と言うべきか、愛人と言うべきか、恋人ですか、そう言う存在をこの王都ブラホスラフに囲っていると、話してくれました」

 「・・・それを信じたのか?」

 大伯父様の目が光っています。

 「・・・ラドヴァン・ベチュヴァーシュ様には初めてお会いしましたのですが、あちらは確か公爵家の嫡子ですが、今は婚約者も居なかったはずですので私との仲を進展させたいと考えて、恋敵を蹴落としたくて、ないことを言ったのかもしれません」

 私の言葉に、大伯父様はしばらく考え込まれました。

 「・・・婚約してるわけでもないのに、妾なんて可哀想な呼び方だよねえ」

 ぼそっとオトマル・テサーレク様が呟きます。

 「・・・恋人と呼べばいいんじゃ?」

 ベネディクト・チャペック様が、これまたぼそっと呟きます。

 「・・・呼び方なんてどうでもいいんだよ!」

 これはヴィーテクです。

 「それよりもだ!オトマル、お前、姉さんに婚約を申し込んだんだってな!お前、命が要らないのか!」

 あ、婚約の申し込み、ヴィーテクにバレてます。私は是非については答えなかったけど、オトマル・テサーレク様は私の夫としてはどうなのでしょうかね?誠実であれば、婚約しても良いのですけど。ただヴィーテクといつも一緒でしたので、私はオトマル・テサーレク様は弟と同じような感覚なのですよねえ・・・。

 「い、いいじゃないか!ラドミラ・カシュパーレク様は学院での憧れだったんだよ!手の届く場所に居る貴族なら一緒になりたいと思ったんだよ!」

 「戯言だってんなら、殺す!姉さんを惑わせるつもりなら、ここで死ね!」

 ・・・もう何も言うまい・・・。どうしてヴィーテクはこんなにおかしくなったんでしょうか・・・。ため息も出ない・・・。

 「僕を殺そうとするな!」

 実のところ、打算的に考えればですが、オトマル・テサーレク様との婚約は国王が王命を出してきたときにも婚約者が決まっていなかったときの風除けとして残しておきたいような気がします。ですから、ヴィーテク、オトマル・テサーレク様を生かしておいて欲しい。


 「話が本筋から離れているぞ。オトマル・テサーレク様は国王の王命をかわすための意味で、選択肢の一つとして残しておけ。まだ殺すな」

 大伯父様、私と同じこと考えてました。王命への対抗策としてオトマル・テサーレク様の婚約ですね。

 「・・・ひどくないか、僕の扱い・・・」

 「・・・カシュパーレク家に喧嘩売ったようなもんだ。昔は武の家だったから、戦でも多分強いぞ、一族郎党消されるかもしれんぞ」

 「そうそう、そうだよな」

 「不安を煽るなよ!」


 「実は私がラドヴァン・ベチュヴァーシュ様と踊った後、レオポルト・ストルナド様が現れてなぜか言いがかりをつけてきまして・・・」

 私がヴィーテクに脅されるオトマル・テサーレク様を囲んで慰めようとしている悪友二人を無視して、大伯父様にラドヴァン・ベチュヴァーシュ様と踊った後に起きたことを伝えます。

 「・・・どんな言いがかりだ?」

 「私とレオポルト・ストルナド様が婚約するとか言いましたね」

 「はああ?」

 私の言葉に、大伯父様以外が全員振り返りました。

 「婚約するのだから、踊るのもレオポルト・ストルナド様と一番最初に踊らないのはおかしいと、言っていましたね」

 「・・・信じられない・・・」

 ドラフシェ・ピェクニー様が呟きます。

 「そんなことはないと言ったのですが、聞き入れなくて」

 「・・・そうか」

 「・・・そんな中、ボリス・ズーレク男爵がやってきまして、私が迷惑に思っていると言って私とレオポルト・ストルナド様の間に入られて・・・。そのあと、王都の友人と呼んでいましたが、その方にお伝えしたらどうかと言いましたね。まあ、その時は大伯父様も他の方々もその場にいたはずですから、言わなくても分かっていると思いますが」

 「王都の友人は本当に居るのだろうかな?」

 「・・・少なくとも、本当だと思いますけどね。普通あの勢いで迫ってきてそれを言われたぐらいで何もしないで消えてしまうなど考えられません」

 「・・・芝居ということもあるが?」

 「大伯父様、一つはっきりさせたいことがあるのです」

 私は身体の向きを変えて、大伯父様に正対します。

 「大伯父様は、あのレオポルト・ストルナド様が私の相手にふさわしいとお思いですか?」

 「・・・」

 「私は大伯父様は本当にそんなことを考えておられないと思うのですが、ただ、なぜかあの人物ではなく、北隣の領地の侯爵家に並々ならぬ興味を抱いているご様子です。大伯父様が借りを作ったとは思えないのですが、何か因縁があるとかありませんか?」


 大伯父様が私から目を離して過去を思い出すように視線を遠くに向けます。

 「・・・昔の話だ」

 「何かあったのですね」

 「・・・ああ、そう言うことだ。その昔、あのストルナド侯爵家は、わしと同じ北の大公家を支持していた。ベェハル王国は数代前にベェハル王の正当な血筋が絶えてな、諸侯での話し合いがもたれた。その話し合いの結果、今のシュテファン王のカドレチェク侯爵家が王になったのだが、実力と規模を持ってすれば北の大公であるダンヘル公爵家が国王になるのが国内外に威信を示すことができると、シュブルト家では思っておったのだ。ダンヘル公爵家は建国時のクバーセクの侵攻時に先頭に立って激戦を繰り広げた武に優れた家だった。対するカドレチェク侯爵家は、外交などに優れていた。一番の功績は隣国の強国だったプシダル国に不可侵条約を認めさせたことだ」

 「現王の血筋は文官系か」

 おや?なぜかザハリアーシュ・ピェクニー様が目を輝かせています。武に強い家だと勝手に思っていましたが、文に憧れなどありますか?

 そんなことはお構いなしというのか、大伯父様の話は続いています。

 「最初はダンヘル公爵家が有利だったんだが、途中で流れが変わった。ストルナド家がカドレチェク家を推し始めた。王家の姫が最近入った家の方が血が濃いと言う理由をつけてな」

 「数代前に王家から降嫁した姫が居たということですか?」

 ベネディクト・チャペック様が身を乗り出しています。

 「ああ、その時には身まかられていたが、二代前にその当時の第一王女がな、カドレチェク家に降嫁して嫡子を生んでいた」

 「・・・それで、話の流れが変わったということですか」

 「そう言うことだ。ダンヘル公爵家も時の王から何度も王女を賜り、王家の血筋は流れていたはずだが、その当時は王女の降嫁はダンヘル公爵家にはなかった」

 大伯父様は疲れたように椅子の背にもたれ掛ります。

 「ストルナド家はこの地方の貴族の総括をしていた。この地方は何度もクバーセクから侵攻されて、国王には武に強い家が良いと考えていた。クバーセクが攻めてくれば、反撃をしてくれる家が良いと考えていたのだ。当然ストルナド家もそうだと思っていたが、実際は違う家を推したわけだ」

 「ストルナド家はそれで恩恵を得たのですか?」

 「カドレチェク家の姫を嫁に迎えて爵位と土地を貰った、クバーセクが侵攻してきた際に直接の被害を受けることのない少し離れた北の地に、な」

 「・・・」

 「今のシュブルト家の北に当たる地だ」


 「つまり、取引をしたと?」

 私の言葉がしんっとなった部屋の中に響きます。

 「多分、いや十中八九そうだろうな。あのストルナド家は文の家とは言え、この地方の貴族としては戦下手だった。だから当時クバーセクにまた攻められたら負けるかもしれないと考えていたのかもしれない。そのために、カドレチェク家に応援する代わりに改易を願ったということだろう」

 「・・・それならどうして姉さんの婚約者候補にそんな負け犬のような家の男などを選んだのですか?そんな貴族と縁を結ぶなど、止めた方がよいのではありませんか?」

 ヴィーテクがまじまじと大伯父様を見つめて問うています。ちょっと怒りがにじみ出ていますね。場合によっては止めるように動いたほうが良いかもしれません。

 「・・・まあ、普通そうだろうな。

 だが、今あの家は危ない。領地経営に失敗したらしい。どうしようかと頭を抱えていたところに、隣のシュブルト家に若い女男爵が誕生すると聞いて、自分の次男を送りこめれば、我が領地から金を引き出せると踏んだのだろう。あの侯爵家は遅かれ早かれ追放されるだろうと思ってなあ、その時にリ、−ディエが婚約者ならあの領地を手に入れられるかもしれんと考えたことも事実だがな。まあ、あのバカと婚約していたら、それが国王に対する目くらましになるのではと考えておったよ。

 それでリ、−ディエが気に入るかどうかわからんが、婚約を望むなら一度顔合わせに来てくれと答えておいた。顔見せをしてひょっとするとリ、−ディエが気に入るかもしれんと考えたのでな。だが、まず無理だろう、ほぼリ、−ディエは気に入らんだろうと確信していたが」

 か、確信!人を見る目の事をほめたのでしょうが、なぜか複雑な気分です・・・。これはレオポルト・ストルナド様を婚約者としないと通知しないとダメということですね。と、言うか、もともとあの夜会の時にレオポルト・ストルナド様に言ったことは本心で、連絡がないところで婚約者にはできないなと思っていたので、大伯父様が言う通りなんですけどね。

 ですがヴィーテクはジト目で大伯父様を見ています。

 「大伯父様、姉さんを出汁に使うような真似をするのには反対です!婚約をしていたら、その侯爵の次男坊と婚約破棄をしただけで姉さんの経歴に傷がつくじゃないですか!二度目の傷など、到底許せません!」

 何をズレた事を言っているのでしょうかね、この弟は・・・。婚約はまだしていませんし、これからも婚約することはないですよ、レオポルト・ストルナド様と。


 私はそんなヴィーテクの叫びよりも気になることがあり、ヴィーテクをそっちのけにして大伯父様に尋ねます。

 「そう言えば、大伯父様、南の領主ボリス・ズーレク男爵ですけど、突然の婚約申し入れの時に言われていましたけど、あのボリス・ズーレク男爵が申し入れてきた真意はわかったのですか?私、不穏な事を聞いたのですけど」

 大伯父様が呆れたように見ていたヴィーテクから視線を私に移します。

 「不穏な事とはなんだ?」

 「これも踊った公爵嫡男のラドヴァン・ベチュヴァーシュ様から聞いたのですが、あのボリス・ズーレク男爵領にあのイグナーツ・ペリーシェク様が居るそうなのです」


リーディエの婚約は整うのでしょうか。何だか書いていて不安になってきました。

ちなみに、大伯父様は相変わらず一息でリーディエと呼べません。呼ぼうとすると一拍溜めが入ります。ですので「リ、-ディエ」です。

忙しくならなければ、また投稿できると思いますが、忙しくなったら申し訳ありません。

ですが残念美人の婚約者が無事決まるところまでは頑張りますので、応援よろしくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ