復讐、2
「どうしたんだ?かかってこいよ糞アマが。」
もう番長を殺してしまったから後戻りはできない。
ここまで来たらやるしかない。
盤上「あなた、これで勝ったと思ってるの?」
「いいや?そんな甘い話はねえんだろ?」
盤上「正解。」
盤上がそう言った瞬間、天井の板と掃除用具ロッカーのドアが開いて何か飛んで来た。
俺は思わずそれを手でガードしたが手に激痛がはしった。
腕には手裏剣が刺さっていた。
「…ちぇっ」
俺は思わず舌打ちをして天井と掃除用具ロッカーの中を睨んだ。
すると中には少し細身の男がそれぞれに一人ずつ入っていた。
盤上「紹介するわ、私の可愛い兵隊の獅子ノ助と虎之助よ。2人は肉食哺乳類のようにあなたの肉を噛みちぎるわ。」
獅子ノ助「ボス、見ててくださいよ。」
虎之助「俺たちでカタをつけてやりますよ。」
盤上「ええ、お願いね?」
奴らは余裕をかましてる。
相変わらず救えない連中だ。
「お前ら、先に死ぬのはどっちだ?それとも2人仲良く真っ平らになるのか?」
盤上「口だけの犬はうるさいのよ?」
盤上の挑発も耳に入らない。
「そう思うならそいつらに命令しな?『畝傍鷹志を殺せ』ってな。」
盤上「獅子ノ助、虎之助、奴を殺しなさい!!」
獅子ノ助
「よっしゃあ!!仰せのままに!!」
虎之助
2人は一斉に飛びかかって来た。
2人の武器はナイフと手裏剣、少し離れれば手裏剣を使い、近ければナイフを使う。
俺は2人の攻撃をTAKASHIに教えてもらった通りにさばく。
獅子ノ助「くそっ、くそっ!!当たらねえ。」
虎之助「大丈夫だ兄貴、奴は攻撃をかわすので精一杯だ。」
(そんなことないんだけどな。)
俺はTAKASHIに『どんな時でも余裕の表情をつくれ』と、言われている。
最初は意味がわからなかったがここでようやくわかった。
交戦している敵2人と盤上亜里沙は明らかに動揺している。
盤上「まさか、あの事件から数えれるほどしか日は立っていないのになぜここまで組織随一の殺し屋2人を相手にできるの!?」
虎之助「手裏剣が切れた。もうナイフで切り込むしかない。」
獅子ノ助「やるしかねえな、行くぞ!!」
2人は手裏剣が切れたらしく完全な接近戦に持ち込んで来た。
獅子ノ助「ここまで間合いを詰めれば…」
ズドンッ!!
チャリーン!
発砲音、なぜか俺は無意識に照準を合わせて弾丸を発射していた。
虎之助「あ、兄貴!!しっかりしろ!!」
獅子ノ助の眉間にはルガー弾の穴が開いていた。
虎之助「あ、あああ、兄貴ぃ!!!」
「おお、可哀想に。(笑)」
俺はなぜか笑顔だった。
自分でもこれはやばいやつだとわかった。
自分で自分をサイコパス認定したのだ。
虎之助「貴様、よくも兄貴を!!」
虎之助はナイフを手に持って飛びかかって来た、しかし俺の身体は虎之助を受け止めずに受け流し、虎之助は地面に叩きつけられて気を失った。
盤上「こ、こんなことが…」
「盤上、お前の賭けは負けだ。悪いカードにベットするから(ドヤ顔)こうなる。」
自分で自分を責めたくなるほどに俺は変なことを言っていた。
精神と身体が別離している気分だ。
「ヘッヘッヘ、殺す、ぶち殺してやる!!」
ズドンッ!!
俺は思いっきり引き金を引いた。
しかし…弾丸は盤上亜里沙の右側頭部の3センチほどずれたところをすり抜けていた。
「??何があったんだ??」
俺はまだ何が起きたかわからないでいた。