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国内ヤクザ紛争、介入

キャラクター紹介


鷹志 成り行きで殺し屋となった高校生、今は深雪の護衛についている。


日向 この小説でほぼ唯一の剣使い、愛刀の『殺陣死列』で敵を斬り殺す。


雷 傭兵三人衆のリーダー的存在、彼がいないとうまく動けなくなるらしい。


稲光 傭兵三人衆のスナイパー、目がよく3キロ離れていても車くらいの面積のものになら当てられる。


暁 傭兵三人衆の特攻隊長、血の気が多くて2人ともかなり困る。


時津風 深雪の専属護衛、かなりの忠義を尽くしている、しかし血の気が多い。


深雪 ヤクザの娘、しかしおしとやかでなおかつ強い意志を持つ、暁に『勇敢』とまで言わせた。


ライジェフ 傭兵三人衆を雇っていたが、3人の希望により正式にグロズニィに歓迎した。自分たちはビジネスマンというが何をするかわからない。


時津風「はぁはぁ、お前強いな。」


暁「伊達に傭兵してねえよ、こっちも命がけなんだ、やっこさんと同じだよ。」


時津風「なんや、お前傭兵か。」


暁「ああそうだよ、それにしても俺とお前はほんっとうに似てるな、性格、格闘スタイル、言葉遣いの荒さ、動き、パターン、でもここで立場がまるで真反対のものがある。」


時津風「は?」


暁「俺は奪う側でお前は守る側、俺はベテランでお前は素人、そして最終手段の有無。」


暁はそういうとバックアップからスプレーのようなものを取り出した。


時津風「そいつは!?」


暁「手榴弾…」


安全ピンを抜きレバーを弾く。

それとともに時津風は足元でひっくり返っていたちゃぶ台を盾の代わりにするためにたてた。


「ピカッ」


突発的な光を放つ手榴弾、しかし光の割に大した爆発音はなかった。

しかしあまりの光の強さに時津風は混乱した。

いや、視力を奪われたのだ。


時津風「ぐあぁぁぁぁぁぁぁ!!」


暁「閃光手榴弾、スタングレネードとでも言うのか。」


時津風「くそっ、正々堂々と戦えや!!この卑怯者が!!」


暁「卑怯者?殺し合いに卑怯も糞もあるか、いいか、これは殺し合いだ、俺たちからすればゲーム感覚だがそれは俺たちが可笑しいからだ、普通ならたとえ友達を売ってでも生き残ろうとするんだよ。」


がらがらがら


深雪「譲治!!」


奥の部屋から深雪が飛び出してきた。


暁「ふん、自分からのこのこ出てきやがったか、部下のために自ら身を乗り出す、美しい清らかな心を持った勇敢なボスだな。」


時津風「姉御ぉぉぉ!!出てくんなぁぁぁぁ!!」


深雪「仲間が死にかけてるのに助けないで何が義理人情よ!!」


暁「世の中は理不尽だ、勇敢で部下を思い前線に出る指揮官ほど死にやすい、故に指揮官はどれだけ勇敢な人間が務めようと臆病にならなくてはいけない、関西弁の男、せめて声で貴様の勇敢な指揮官の最期を感じるがいい。」


時津風「やめえぇぇぇぇぇぇ!!!」


ズドン!!


銃声。

それに対して絶望する時津風、守りきれなかったという自責の念を感じる。







???「大丈夫?」


突然時津風は声をかけられた。

閃光手榴弾の光で視力を一時的に失っていた時津風は一瞬困惑した。

その声は撃たれたはずの深雪の声だったからだ。


時津風「姉御?」


深雪「そうよ、私よ。」


時津風「う、嘘や、なんで、撃たれたんと違うんか。」


徐々に視力が戻ってきた時津風、そこにはあの暁が倒れていた。

どうやら気絶しているようだった。


???「徹甲弾が肩を抜けて脳震盪を起こしたみたいだな。」


時津風が目をやるとそこには外で戦っていたはずの鷹志が血まみれで立っていた。


鷹志「M16に徹甲弾を入れといたのは正解だったよ。」


時津風「お前、外の奴らは…」


鷹志「増援が来たんだ、そいつが引き受けてる。」


深雪「その傷、大丈夫なの?」


鷹志「普段ならやばいけど今はいい感じに気持ちが高ぶってるから脳内麻薬的なのが聞いてるんだろ(適当)。」












日向「おい!!鷹志!!いくら俺でもプロの傭兵2人を相手にするのはマズイぞ!!」


雷「喋る暇があるのか、そいつは心外だな!!」


ズガガガガガガガガガガか!!!








稲光「チッ、何回も手間かけさせやがって…いい加減に堕ちろよ…」


ズドォンズドォン!!


ビルの部屋には薬莢が大量に散らばっていた。

日向に対する銃撃は正直効果がないと言っても過言ではなかった。

しかし遠距離、それも3キロも離れている稲光からすればそれが意味のないことだとわかっていてもそれを続けるしかなかった。


鷹志「俺は奴らと交戦する、時津風は深雪を完全に護衛しろ!!」


時津風「任せろや!!」


鷹志「お前にこの銃を預ける、徹甲弾入りだ、ベストを着た敵でも基本は殺せる、持っていけ。」


鷹志はそういうと時津風にM16を手渡した。


深雪「それじゃああなたの武器が…」


鷹志「俺にはまだ骨董品が残ってる、それならあのスナイパーの野郎に一泡吹かせられる。」


深雪「本当にごめんなさい、私たちのことなのに関係のないあなたたちを巻き込んでしまって。」


鷹志「気にするな、どの道俺は深雪を守ることになってただろう。」


深雪「え?」


鷹志「時津風!!行け!!ここは任せろ!!」


そう叫んだあと鷹志に向かって時津風が叫び返した。


時津風「フラグ立たんなや、死ぬ気か!!」


鷹志「ここでフラグを回収させなかったらかっこいいだろ?」


銃弾の煙幕が部屋に広がってくる中、鷹志はその煙幕の中に姿を消していった。








日向「流石に疲れるな。」


外では日向と雷、稲光が死闘を繰り広げていた。


鷹志「待たせたな。」


日向「何してたんだ、こっちはもうクタクタだ。」


鷹志「もう暫くそいつと遊んでろよ。」


日向「はあ?」


鷹志「俺がスナイパーを片付ける。」


鷹志の手には屋根で手放した九九式狙撃銃が握られていた。

鷹志は有効射程距離外の敵と撃ち合いを始めようとしていた。


日向「バカ!!そんなお古で勝てるはずな…」


雷「あいての心配をしてる場合か!!」


ズガガガガガガガガガガか!!






鷹志「さぁてと、始めるか…」


稲光「正面から…いいねぇこんな緊張は久しぶりだ…」




2人「かかってこい、この化け物めが!!」


ズドォン!!


2人は全く同じタイミングで引き金を引いた。


互いの距離は3キロ、弾丸は2〜3秒ほどで相手に着弾する。


3、


2、


1、



ガチャン!!


鷹志の弾丸は稲光がいるフロアより2階分下のフロアの窓に穴を開けた。


稲光の弾丸は鷹志の右太ももを掠めた。


鷹志「やっぱり俺の方が下手くそかよ。」


稲光「流石に3キロもあると一回で当ててくるのは無理なようだな…次で決めてやる。」


鷹志がボルトを引いて薬莢を排出していると次の弾丸が鷹志の頬を掠めた。


鷹志「痛ッ、やりやがったな!!」


ズドォン!!





パリン!!


稲光「惜しいな…」


弾丸は稲光が開けていた隣の窓をわっていた。


鷹志「チッ、外したか。」


稲光「これ以上は危険だ、死ね!!」


ズドォン!!!


稲光「決まった。」


弾丸は完璧な直撃コースだった。

稲光の感が直撃をほぼ確実なものとした…が、

弾丸は2キロを過ぎたあたりで強風に煽られて軌道がそれた。


ブシャァ!!


鷹志「!?」


弾丸はたしかに鷹志に当たった、しかし致命傷にはならなかった。


鷹志「今度は左肩か、痛えだろうが!!」


ズドォン!!


鷹志の弾丸も直撃コースだった。

しかし鷹志の射撃ではなぜか強風は起きなかった。


稲光「まずい!!」


焦ってスコープから顔を離す稲光、次の瞬間、スコープからガラスが粉々になって出てきた。


バリーン!!


弾丸は稲光にあたりはしなかったもののスコープを壊した。


稲光「チッ、これじゃもう無理だな…負けか…」






雷「稲光の狙撃が止まった…って事は死んだのか狙撃システムのどれかに異常か。」


日向「人の心配か、随分と余裕をかますじゃないか!!」


日向の斬撃はいとも容易く避けられてしまう。

雷の動きは日向の斬撃よりも軽やかだった。


雷「稲光!!応答しろ!!」


稲光「ごめん…スコープをやられた…この距離じゃスコープなしでは当てれない。」


雷「無事ならそれでいい、お前双眼鏡持ってただろ、増援が来ないように見張っててくれ!!」


稲光「わかった、何かあったらすぐに連絡する。」


稲光はそういうと無線を切った。


日向「さあ、お話は済んだか?」


日向は雷が話し終わるのを待っていた。


雷「まさかこんな青年にひとときの情けをかけられるとはな、全く、世の中は何があるかわからないものだ。」


日向「…」


雷「…」


雷はもはや目的を果たすことよりも退却のことしか考えていなかった。

相手は近距離武器を得意とするため追跡されても銃で牽制できる、鷹志も既に重傷を負っているため追跡は困難だった。

しかし暁がまだ気絶している、そのまま暁を置いて帰るわけにも行かなかった。


雷「俺たち3人は小学校から同じだった、でも中学の時に女の子を虐めてた先生を俺たち3人でレンガで殴ったんだ…」


日向「…」


雷「先生は衝撃で脳幹を損傷、次の日に死んだんだ、それからは鑑別所だ少年院だといろんな施設を3人で回されてきたんだ。」


日向「それがどうした…」


雷「俺たちはどんな困難も、初めての犯行もみんな一緒にやってきたんだ…」


雷は背中に手を回して何かを掴んだ。


雷「ここで1人欠けるのはこれまでの友情を捨てるってことなんだよ!!」


ボン!!


雷はとっさに口の中にハンカチを詰めて鼻も手で覆っていた。


雷が背中から手に取ったのはガス缶だったのだ。


日向「ゲホッ、クソが、やりやがったな!!」


咳が激しくなって倒れこむ日向、雷は暁を救出するために家の中に入った。













稲光「……何か…何か変だ、俺たち以外にも…武装したやつがいる。」


稲光は双眼鏡で列になって走る車を見ていた。


見た目は電化製品店の修理などに使われる柄の車だが、中の人間がどうも殺気をおびている。


何人かは銃のようなものも、いや、銃も持っている。


稲光「これはマズイ…雷!!」







雷「どうした、何かあったのか?」


稲光「明らかにおかしい連中がそっちに向かっている、明確な数はわからないがワゴン車5台分だ。」


雷「わかった、暁は回収した、すぐに撤退する!!」


雷が逃げようとした途端、雷は背中から殺気を感じた。


雷「!?」


鷹志「どこに行こうとしている…」


立っていたのは今にも倒れそうな鷹志だった。

右肩には稲光のものと思われる数が増えていた。


鷹志「まだ深雪を狙おうってのか?」


雷「…我々は撤退する。」


鷹志「なんだって?」


雷「先程君と一騎打ちを展開したスナイパーから連絡が入った、どうやら我々以外の武装勢力がこちらに向かっているらしい。」


鷹志「どうやって信じろっていうんだ。」


雷「信じる信じないは君に任せよう、しかし私の言ったことを真実と受け止めてくれるなら今すぐにここを離れるんだ。」


鷹志「そんなハッタリに惑わされると思って…」



???「いたぞ!奴らだ!!生きてる人間は全員ぶち殺せ!!」


突然声がした、鷹志が振り向くとワゴン車の中からガトリングガンが銃口を覗かせていた。


キュルキュルキュルキュル


バレルが回り始める。


鷹志「くそっ、ガチの話かよ!!」


ババババババババババババババババババババ!!!


突然の轟音とともに弾丸の壁が迫ってきた。


鷹志「ふう、なんて奴らだ、あんな物を持ってるなんて。」


鷹志はギリギリのところで遮蔽物に隠れることができた。

しかし相手はペインレス(痛みを感じる間も無くあの世行き)とまで言われる化け物、そう長時間耐えられるようなものでもなかった。


鷹志「いったいどこの連中だ。」


雷「アメリカ軍の不正規戦を得意とする特殊部隊、それかトライアウドか金持ちマフィアか。」


鷹志「生きてたのか…」


雷「ああ、だが出られないな、あれだけの弾丸だ、喰らえばひとたまりもない、よかったな。」


鷹志「何がいいんだ?」


雷「あいつは人物大なら3キロでは当てられんが車ほどの面積があるものなら…」


ズドォン!!


雷「スコープなしでも狙える。」


突然ガトリングガンのガンナーが倒れた。

ガンナーの左太ももに穴が空いている。


ピキュゥゥゥゥゥン!!


ピキュゥゥゥゥゥン!!


その後も何度も高い音がなった。


鷹志「まさか、あのスナイパーが…」


雷「あいつは昔から視力だけはいいんだ、あとメンタルさえ強ければなぁ、ところでだ、この場は互いに具合が悪い、少しだけ休戦しないか?」


鷹志「不本意だが、仕方ない、でもこれが終わったらこれまでと同じだ。」


雷「それでも十分すぎる!!」


雷はガトリングガンが止まったのを見計らって飛び出した。

ズガガガガガガガガガガ!!っと爆音を奏でるガリル、その下で薬莢が力なく転がっていた。


???「まだ生きてるぞ!!グハッ!!」


???「装填早くしろ!!」


???「クソッタレ、バケモノめ!!ガッ!!」


雷「装填!!」


鷹志「チッ、指図すんなよ!!」


ズドンズドンズドン!!!


???「ガンナーがやられた、早く変われ!!」


敵のリーダーみたいなのが指示を出していた。


鷹志「あいつさえ殺れば。」


ズドン!!


???「奴らは健在だ!早く仕留め…ブハッ」


雷「よしっ、あとは任せろ!!」


ズガガガガガガガガガガ!!!


敵の応戦は甲斐なく全て鎮圧された。

8人くらいいた敵はみんな血まみれになっている。


雷「この服、見たことあるぞ…」


鷹志「リーダーみたいなのが着てるコートか?」


雷「……あっ!!」


突然雷が声をあげたので鷹志は一瞬ビクッとした。


鷹志「脅かすなよ、傷がまた開く。」


雷は鷹志の声など無視して無線機を手に取っている。


雷「………」


鷹志「誰に連絡してるんだ?」






















ライジェフ「…ライジェフだ。」


雷「先程、第三勢力の襲撃を受けた。」


ライジェフ「被害は?」


雷「現在は無し。」


ライジェフ「そうか、敵の特徴はわかるか?」


雷「………敵の現場のリーダーと思われる人物は…………グロズニィの幹部用のコートを着ている。」



ライジェフ「!?」

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