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国内ヤクザ紛争、救世主

キャラクター紹介


鷹志 成り行きで殺し屋となることを決めた高校生、殺しのセンスの塊。


綾乃 ちょっとツンデレな鷹志のお世話がかり(?)。もともとは奴隷のような扱いを受けていた。


TAKASHI 元傭兵の殺し屋で今世紀最強と呼ばれるが今は仕事に行っていて全然出てこない。


日向 面倒ごとは嫌いと言いながら大抵の面倒ごとに関係している現代の侍。彼女を人質に取られている。


雷 戦争トリオのまとめ役、雷がいないとトリオは成立しなかった。


暁 血の気が多い戦争トリオの特攻隊長、瞬発力が凄い。


稲光 静かな戦争トリオの1人、コミュ障が過ぎて一人でいられるスナイパーを選んだ。


深雪 徳谷組の組長になった高校生、敵対するグロズニィに命を狙われている。


時津風 徳谷深雪の専属護衛を務める関西人、血の気が多く、少し理不尽なセリフが目立つがとりあえずは主思いのいいやつ。

???「もうすぐ奴らが衝突するようだが?」


???「そうだよ、楽しみだな。」


???「しかしアレはどうするんだ?」


???「もう人質としての価値はない、でも玩具としてならまだまだ使えそうだ。」


???「君は本当に残酷だな。」












2003年

日本人同士による日本最悪の殺し合いが始まる。


鷹志「来た…。」


短い間とはいえ深い経験を持つ鷹志はすでにただ者じゃない者が近づいていることに気がついた。


正確な数はわからないがそれは確実に近づいていた。


鷹志「こいつはヤバイな、これまでの相手とは格が違う。」






暁「へっ、こんなところに隠れるなんて頭沸いてんのか。」


雷「うるさいぞ、ライジェフさんの情報がなければ見つけられなかっただろう、なぁ稲光。」


稲光「…。」


稲光はビルの中でWA2000 のメンテナンスをしていた。

耳にはヘッドホンがかぶさっている。

ヘッドホンからはロックが漏れている。


暁「駄目だ、聞いてねえよ。」


雷「狙撃の腕はシモヘイヘ並みなのにあの癖はなんとかならないのか?」


暁「諦めろ、あいつはああしないと10メートルも当たらないんだ、一種の精神統一さ。」


雷「しっ、そろそろだ、撃鉄を起こせ、戦争の余韻を楽しもう。」









鷹志「!!」


突然殺気のようなものを感じ取った鷹志、しかしそれは1.5キロのビルとも何かが近づいてくる方向とも違った。

それはもう一つの3キロのビルからだった。


鷹志「時津風!!敵だ!深雪から目を離すな!!」


時津風「わかっとるわ!!」


「パキューン!!」


家の瓦に弾丸が当たった。


鷹志「まさか…いやありえない、3キロだと!?TAKASHIさんでも2.5キロが公式最長記録だったはずだ!」


鷹志はすぐさま家の屋根から飛び降りた。

不意を突かれて反撃できなかった。


時津風「そっちはどないなっとるんや!!」


鷹志「おかげさまで度肝を抜かれたよ、いきなり3キロから俺の足元10センチに入れて来やがった。」









稲光「ちっ、逃したか…。」


ヘッドホンからは相変わらず音が漏れている。

息抜きなのか口にはタバコ、いや、タバコのようなお菓子がくわえられていた。


稲光「1人は狙撃でびびって出てこれない…行くなら今だよ…。」


暁「よぉし!!よくやった。」


稲光「…。」


稲光に返事は聞こえていない。


雷「よし、行くぞ!!」


暁「同じ日本人を殺すのは久しぶりだぁ!!」


2人は突然民家の陰から出てきて家を銃撃した。


ドガガガガガガガガガガガガガガッ!!!


暁「ははっ、終わっちまったんじゃねえのか?」








時津風「ふぅ、伏せといて正解でしたね姉御、あのまま立ってたら快調な風穴がポッカリでしたぜ。」


深雪「助かったわ、譲治にはいつも助けられてばっかりね。」


時津風「姉御を守るのが俺の役目です。」






暁「おい、声が聞こえたぞ!!」


雷「さすがというべきか、そんな簡単には死んでくれないな。入るぞ。」


暁が真っ先に家のドアに手を伸ばす。


暁「バッドエンドの時間だゴルァァ!!」


鷹志「それは手前だ。」


ズドン!!


屋根から降りて様子を見ていた鷹志、敵がドアに手を伸ばすまで陰に隠れて待っていたのだ。


鷹志「いやはや、流石というか…よくもまあ反応できたもんだ。」


暁「あ、あぶねー、危うくくたばるところだった。」


鷹志が会心のタイミングで飛び出して銃を向けた瞬間、暁は思いっきり身を仰け反らして弾丸が発射される前に銃口が向いている方向とは少し違う位置に移動していたのだ。


雷「暁、何してる早く撃て!!」


暁「わかってる!!」


ドガガガガガガガガガガガッ!!


すぐさま陰に身を隠した。

弾丸は鷹志に1発も当たらなかった。


暁「ひゅ〜、やるねえ。」


雷「ここは俺に任せろ、お前は徳谷深雪を殺せ!!」


暁「任せときな、ちゃんと殺らせてもらうよ。」


暁が家に入ろうとする。


鷹志「待て!!手前は俺が仕留めて…」


ドキュゥン!!


雷「すまないな、君の相手は俺だ。」


鷹志の前に立ちはだかる雷、暁はそれを横目に家に入っていった。


鷹志「時津風!行ったぞ!!」



時津風「任せとけや、姉御には俺が付いとるんや!!」


時津風は深雪を奥の部屋に避難させMP5を握って仁王立ちしていた。


暁「ほお、お前が徳谷深雪の護衛か、見たところど素人だな。」


時津風「臆病なベテランよりも勇敢な素人の方が使えるんとちゃうか。」


暁「勇敢、ねえ、勇気と蛮勇は違うって昔から言うだろ?」


時津風はそう言われてもいつものようにキレることはなかった。

むしろいつもよりも落ち着いていた。


暁「どうした?ぶるってんのか?それならこっちから行ってやるよ!!」


暁はナイフが付いたAKを時津風に向けて突進してきた。


すぐにMP5を放って38口径とナイフを取り出して時津風も応戦する。


お互いの刃物は接触して甲高い音を出した。


暁「いいねぇ、あの時と一緒だ、イラクで俺を刺突してきた少年兵を思い出す!!」


時津風は暁に押されて倒れた。

すぐさま馬乗りになる暁。


暁「まあその少年兵は殺しちまったんだけどな。」


時津風「聞いてねえよ!!」


力は時津風の方が上だったのかすぐに暁を押しのけてすぐに立ち上がった。


時津風「撃たんのか?」


暁「お前みたいなのは大好きだ、せめて徳谷深雪を殺してからお前が苦しむ姿を見て殺してやる。」


時津風「そうか、でも一つだけ違うぞ、死ぬのは俺やないお前や!!」


ドキュゥン!


また鷹志の時と同じような感じに弾丸を避けた。


時津風「こいつバケモンか!?」


暁「化け物だと?俺は戦争狂だよ!!」


暁のハイキックが時津風を襲った。

しかし時津風には喧嘩で鍛えた喧嘩方があった。


銃撃では暁、接近戦では時津風というような感じだった。


暁「どうやら悠長なことは言ってられないみたいだな。」


暁はAKの引き金に指をかけた。


ドガガガガガガガガガガガッ!!!


火をふくアサルトライフル、それとともに逃げるかのように暁の死角に飛び込む時津風、それとともに時津風は放っておいたMP5を拾い上げた。


暁「逃すかぁ!!」


振り向く暁、しかし暁の銃は度重なる乱射で弾切れだった。


時津風「次に逃げるのはお前や!!」


ドパパパパパパパッ


少しだけ高い銃声だった。


狭い家の中には弾丸がとびかっていた。






雷「なかなかしぶといな。」


外では雷と鷹志が身を隠しながら銃撃戦を展開していた。


ここまで銃撃戦をしておきながら警察が来ないのはグロズニィが警察の回線を封鎖しているからだろう。

それ故に邪魔が入らない、人数の少ない鷹志たちが不利になる。


鷹志「こっちも伊達に殺し屋してないんだよ!!」







稲光「そこじゃ民家が邪魔で撃てない、もっと開けたところに誘い込んで…。」


雷「駄目だ、さっきから逃げるそぶりをしても追ってこない、殺すことよりも護衛として割り切ってるんだ。」


いつのまにか稲光はヘッドホンを外していた。

自分たちがどれ程の実力を持つ相手と殺し合いをしているか気がついたのだろう。


稲光「その家の裏には裏口と裏庭がある…そこまで誘い出せれば仕留めれる…。」


雷「わかった、動くぞ。」


稲光の提案に乗り雷は裏口に回ろうとした。


鷹志「裏口のことも調べ尽くしてるのか、流石だな。」


鷹志も雷を追いかけて裏口に回った。


雷「食らいついたぞ!!」


稲光「あと少しで射線に入る…。」


そしてついに鷹志が裏口から入ろうとしていた雷を捉えて引き金を引こうとした瞬間、


ズドォォォォォン!!


一瞬感じた光に鷹志が止まった。


鷹志「なん…」


ブシャァァァァ!!


鷹志は血を吐いていた。


鷹志「な、なんだと!?」


雷「こっちにあれ程の者がいるとは思わなかっただろう、彼は弾丸さえ届けばどれだけ風が吹いていようとどれだけ目標が動いていようと2発目までに必ず当てる男だ。」


鷹志「そんな馬鹿な…3キロの距離を…当てるなど。」








稲光「高低差があるこのビルがあれば3キロなんて容易いもんさ…、高度さえ取れればどんなものにでも『2発目』までに当てる。」









鷹志「俺が、こんな…ところで…殺されるわけにはいかない!!俺が…守らないと…いけないんだ!!」


流血は止まらない、しかし鷹志はそれでも立ち上がる。


鷹志「俺が…こっち(裏社会)に来て初めて可哀想と感じれた…女だ、俺が…守らないと…。」


雷「なぜだ、なぜそこまでする。」


鷹志「金、受け取っちまったからな…全うしないとダサいんだよ。」


血を吐きながら鷹志は続けた。


鷹志「俺たちは、金受け取っちまったら…最後までやらなきゃダメだろ、ケジメなんだよ。」


雷「可哀想か、その感情が自分を苦しめているとなぜ気づかないのか。」


鷹志「たとえ裏社会の人間でも…感情は持ってしかるべきものだ…。」


雷「そうか、それならその感情を自分に向けて死ぬがいい。」


雷はホルスターからニューナンブを取り出して鷹志の額に突きつけた。


雷「俺も人間だ、お前の遺言を聞こうか。」


鷹志「聞いてくれるのか…それなら…『お前の負けだ』。」


ガチャン!!!


突然ニューナンブが真っ二つに切れた。


???「全く、面倒ごとには関わりたくないって言っただろう。」


雷「なんだ、お前は。」


そこには白髪の美青年が日本刀を構えて立っていた。


鷹志「やっと来たか…『日向』!!」


日向「遅れてすまないね。」


それは鷹志の増援だった。

面倒ごとには関わりたくないと言っていた日向が今になって登場したのだ。


鷹志「何してた…。」


日向「救世主は遅れて登場するものだろう?」


鷹志「はぁ、ここにきて厨二病こじらせたのか?」


日向「何言ってるんだよ、これが俺の素だろう。」


2人で笑っている途中、横から掛け声が聞こえた。


雷「撃て!!2人とも撃ち殺せ!!」


ズドォォォォォン!!

ズドォォォォォン!!


日向「遠いな…」


ピキュゥゥゥゥゥン!!


日向「まっ、遠いほうが反応しやすい。」

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