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復讐(される側)

少しキャラ増えて来たので今回からキャラクター紹介入れます。


畝傍鷹志、両親がある組織に殺されたことで復讐を企てた主人公、案外早く復讐が片付いたので殺し屋として活動し始める。戸籍場は死んだことになってる。


TAKASHI、ベトナム戦争で最強と謳われた元傭兵。鷹志に殺しを教えた師匠的存在、彼も復讐を望んでいる。


東城綾乃、大富豪國虎の豪邸で借金の人質として生活していた。TAKASHIの國虎暗殺によって解放されたが地元の不良に襲われた。鷹志に助けられたからは鷹志の家に住んでいる。


枝吉唐ノ助、かつてベトナムでTAKASHIとともにベトコンを一掃していたエース。SAWTの長官として日本で活躍している。昔、TAKASHIを裏切った。


盤上亜里沙、殺しと麻薬密売を生業としている組織のリーダー。とある間違いからTAKASHIの潜伏先と思われていた場所を攻撃し、鷹志の両親を死亡させた。すでに殺されてる。


獅子ノ助、虎之助、近距離戦闘を得意とする殺し屋兄弟。盤上亜里沙の組織で一稼ぎしようとしたが殺し屋のセンスの塊である鷹志に返り討ちにされた、兄の獅子ノ助はすでに死んでいる。


伊勢日向、とある組織に人質を取られて無理やり従わされた剣術士、愛刀『殺陣死列』を使って鷹志を暗殺しようとした。今では鷹志に同情を買われて助けられている。



???「もうここまで準備したんだ、やるしかない、見ててくれよ兄さん。」











今日も学校が終わってから綾乃と速やかに家に帰ってから殺しの準備を進める鷹志、近頃は殺し屋としての仕事が多くなってきて繁盛している。


鷹志「はぁ、金が入るのはいいが仕事がきついな、ましてや今日はスナイパーじゃねえか。忍耐切れるぞ。」


独り言を言っている鷹志の部屋に綾乃が入ってきた。


綾乃「今日も行くんでしょ?」


鷹志「当たり前だ、こうしないと俺たちは飢え死にしちまうんだからな。」


綾乃「そうだよね…」


綾乃は浮かない顔をしていた。

何か嫌な予感を感じ取ったのだろうが鷹志には心当たりがなかった。


綾乃「ねぇ、今日の仕事はキャンセルしない?嫌な予感がするの、日向くんと戦ったときの傷も癒えてないのに…」


鷹志「俺がこの仕事をする理由を教えてやるよ。孤児になった俺が自分で自分を生かすためだよ。」


鷹志は続けた。


鷹志「深い理由なんてもうない、取れる仇はとった、でも死にたくない、だから二束三文のクソ安い報酬で命をかけてるんだ。」


綾乃「でも、今日は…」


鷹志「仕事のドタキャンは客の信頼を失う、俺にはやるしかないんだ。」


そういうと鷹志はTAKASHIから借りている九九式狙撃銃をゴルフケースの中に隠した。


鷹志「俺は死なないさ、待ってろ、お前の不安はただの気のせいだって証明してやるさ。」


鷹志はこの言葉を最後にタバコのような形をしたお菓子をくわえて家を出て行った。


綾乃「これは気のせいなんかじゃない、お願い、生きて帰ってきて。」


ひねくれた性格の鷹志が今日はなぜか優しく見えた。









繁華街のとあるビルの屋上に鷹志はきていた。


もちろん殺しを働くためだ、依頼内容は「街宣右翼車両を攻撃し、中の人間を射殺」するものだった。


情報によると右翼車両がポイントを通過するのは夜の8時、それまでには時間があるから鷹志は弾丸やスコープの調整などを入念に施した。

少しだけ冷えた空気、ホットミルクを飲んだり気晴らししていると8時前になっていた。


鷹志「こんな簡単な任務なんだ、綾乃は何に怯えていたんだよ。」


少しニヤつきながら1キロ先の交差点に照準を合わせる鷹志、しかし右翼車両は現れない。

ついには8時から30分も遅れている。


鷹志「おかしいな、何かあったのか?」


鷹志はそのままスコープを覗いていた。

その瞬間、鷹志の横目にほんの少し、素人なら確実に見逃すほどの光を感じた。


鷹志は反射的にかがんだ。

それと同時に鷹志の頭を何かが高速でかすめた。


鷹志「いて!!」


ドォォォォォン!!


遠くから響いてくる大きな音、間違いなかった。


鷹志「狙撃されてる!?」


鷹志は反撃のために身を起こして発砲されたと思われるビルを見た。


鷹志「あの角度からの弾丸なら確実にあそこのはずだが…」


そのビルには誰もいなかった。


鷹志「ちっ、すばしっこい野郎だ、しかしここからあのビルもかなりの距離だ、そう遠くにはいけないはずだ。」


スナイパーがいたと思われるビルと鷹志が陣取っていたビルは約800メートルは離れていた。

そう遠くにはいけないというのが妥当だろう。


鷹志はその後も何度かの狙撃を受けたが場所が特定できなかった。


鷹志「くそっ、どこから撃ってやがる。」


トランシーバー「ズズ、やあ聞こえてる〜?」


鷹志がいつも携帯しているトランシーバーから声が聞こえた。


鷹志「誰だお前?」


トランシーバー「忘れたとは言わせないぜ?兄貴の仇はうたせてもらう。」


鷹志「兄貴?そうか、確か虎之助とかいうやつだったな。」


虎之助「ご名答、お前のおかげで俺はスナイパーに職種変更さ、まあそれなりに儲かってるからいいけどね。」


鷹志「その高収入も今日で終わりにしてやるよ。」


虎之助「いいね、いい返事だ、殺し甲斐がある。今すぐにでも兄さんの元に送ってやるよ。」


ドォォォォォン!!


鷹志はすぐさまビルの反対側に退避した。


鷹志「場所がわからないのに顔を出すのは危険だな…しばらくここにいるか。」


???「そうくると思ってたよ。」


鷹志の後ろには刃物を持った人影があった。


鷹志「手前、まさか…」


虎之助「俺はここだ。」


後ろに立っていたのは虎之助だった。

鷹志は何が起きているのかわからず一瞬止まってしまった。


それと同時に虎之助は鷹志に刃物を突き立てた。


鷹志「なぜここにいる、さっきまで800メートル離れてただろ。」


虎之助「それは言えないなぁ。」


鷹志「そうかよ!!」


すぐさま鷹志は虎之助の腕を掴んで地面に叩きつけた。


虎之助「グハッ!!」


鷹志「俺だって伊達にこの世界に足踏み入れてないんだよ!!」


そう言うと鷹志は再び狙撃ポイントに戻った。

虎之助から少し離れてから攻撃の体勢を整えるためだ。


鷹志「こいつは持ってきておいて正解だったな。」


胸のホルスターケースからは愛銃のルガーP08がグリップをのぞかせていた。


鷹志「くるなら来い、一瞬で通風口開けてやるぜ。」


そうして待っていたが次の瞬間、銃声が聞こえた。


ドォォォォォン!!


それは鷹志の銃ではなかった。

それと同時に鷹志はなぜか体勢が前のめりになって今にも倒れそうになっていた、いや、倒れている真っ最中だった。


鷹志「ぐ、馬鹿な!?」


ドサッ


倒れた鷹志は自分がなぜ倒れているのかコンマ数秒だけ考えた、しかしコンマ数秒たてば考えてなどいられなくなった。

左肩に穴が空いていたのだ。

鷹志は激痛に思わず顔を歪めた。


鷹志「ぐぅ…」


虎之助「あいつの腕はどうだい?TAKASHIにはかなり劣るが日本随一のスナイパーの1人さ。」


鷹志「そうか、組んでやがったのか。」


虎之助「そうさ、組んで何か悪いのか?」


鷹志「いいや、悪いどころか計画として最高だね、いいじゃないか。」


虎之助「褒めてくれるのかい、嬉しいなぁ、でもこの嬉しさはもう兄貴とは味わえないんだよ!!」


ドスッ!!


鷹志はいきなり虎之助に顔面を蹴り上げられた。


虎之助「お前がいなければ!!お前がいなければ!!!」


虎之助は激昂しすぎて目の前が見えているのかさえわからない、さらには攻撃が激しすぎて鷹志も顔を上げられない。


虎之助「お前がいなければよかったんだ!!」


虎之助はとどめをさすために思いっきり足を上げて鷹志を踏み殺そうとした。

しかしその大きなモーションが仇となり鷹志に反撃のチャンスを与えた。


鷹志はベルトに挟んでいたナイフを取り出し、虎之助の足の裏に突き刺した。


虎之助「ぐぁぁぁ!!」


虎之助は痛さにもがき苦しんでいる。


虎之助「早く撃て、場御じょうご、早く撃てぇぇぁ!!」


ドォォォォォン!!


その銃の吹いた光が見えた瞬間、鷹志は虎之助を盾にした。


ライフル弾なら人の体などたやすく貫通するが虎之助は服の下に刃物などの武器を大量に隠し持っていた、それは前の戦闘で分かっていた。

それを見越して鷹志は虎之助を盾にした。


虎之助「てめえ、なにしてやが…」


ドォォォォォン!!


虎之助の腹が血を吐いていた。

後から来た銃声は何事もなかったかのように夜の町に響く。


その発砲で場御と呼ばれる敵スナイパーの位置も把握できた。


すぐさま虎之助を捨てて九九式狙撃銃を拾い上げる。


鷹志「向かいのビル800メートル、弾丸よし、狙うは奴の眉間だ!!」


向かいのビルの屋上には誰か人がいた。

マスクをしていたのか素顔は確認できなかった。


ズッドォォォン!!


九九式狙撃銃は今の銃とは少し違う音を立てて弾丸を発射した。


鷹志はボルトを引いて薬莢を捨て、反撃に備えた。


しかし弾丸は返ってこなかった。


鷹志「殺したか?あ、死亡フラグだ。」


虎之助「場御!!応答しろ、場御!!!まだ生きてるんだな!?」


どうやら生きているようだ、しかし虎之助の会話を聞いているとかなりな重傷を負っているようにも思える。


鷹志「人の心配なんてお前ができるんだな。」


虎之助「クソ野郎、お前がいなけりゃ俺と兄さんの名声は永遠のものだった!!」


鷹志「人はいつか死ぬし記憶の中から消えるものだ、そんなに名声を轟かせたいなら社会の教科書にでも名前を売りな、『間抜けなブラコンの殺し屋虎之助』ってな。」


あからさまに馬鹿にした態度だ、もちろん虎之助はブチギレだ。


虎之助「きぃさぁまぁ!!!!!」


鷹志「お前にチャンスをやる、今すぐに逃げれば場御ってやつと一緒に逃がしてやる。」


虎之助「舐めてんじゃねえ!!!」


虎之助は隠していたマチェットを取り出して攻撃して来た。


虎之助「お前だけは!!!おまえだけはぁぁぁ!!!」


ズドン!!!













翌日、


テレビ「今日のニュースです、昨夜関東ビルの屋上で死体が発見されました。遺体の身元は不明ですが周辺に薬莢や弾丸、遺体には弾痕が確認されたため凶器はピストルかと思われますが凶器はまだ見つかっていません、また800メートルほど離れたビルの屋上にも薬莢と血痕が残っていたため関係性があるとみて警察は捜査を続けています。また、関東ビル向かいのビルに放置されていた薬莢に関してはTAKASHI捜索で発見されたメーカーの物と一致するためTAKASHIも捜査の対象に加えるとのことです。」


鷹志「それはないだろ。」


鷹志は家に帰っていた、久しぶりに興奮したため虎之助に攻撃されたところはあまり痛まなかったようだが帰ってから激痛にうなされた。


綾乃「こらっ、動いちゃダメって言ったでしょ、なんでそうやってすぐ動くの!!」


鷹志「なんでそうやってすぐ指図するの、私たちタメでしょ!!」


鷹志は暇つぶしに綾乃を馬鹿にする時がある、しかしそういう時は限ってこうなる。


綾乃「馬鹿にしないでよ!!」


バシッ!!!


強烈なビンタが鷹志に襲いかかる。

しばかれたのは昨日虎之助に滅多打ちにされたところ。


鷹志「ギィやぁぁあぁぁぉぁぁぁ!?!!!!」


人のものとは思えない叫び声を放つ鷹志。


綾乃「あははははっ、笑わせないでよ鷹志、あははははっ!!」


鷹志「笑い事じゃねえ!!なんで怪我したところを!!」


綾乃「だって安静にしてなさいって言ってもいうこと聞かないんだもん、あははははっ!!」


鷹志「ふっ、ふへへへへっ。」





今日も鷹志の家は平和です。

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