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策士

2人は四番倉庫で殺し合いをしていた。


伊勢日向の武器は日本刀、一方、鷹志の武器はピストル二丁とその他もろもろというところだ。


この時点では鷹志が有利に見えるが勝負というのは武器の多さだけで優劣がつくほど単純な世界でもない。


ましてや命を懸けた殺し合いをするなら磨き込んだ一太刀もその辺に転がっている石も何もかもが武器になり得る。


しばらく至近距離で攻撃しあっていた2人が間合いを取って止まる。


鷹志の愛銃からは煙が上がり、伊勢日向の殺陣死列には何発もの弾丸を切り落とした時のすすが見える。



鷹志はトグルが上がったルガーからマガジンを落として次のマガジンを入れた。


伊勢日向は気持ちを入れ直すかのようにため息をついてから目つきを変えた。


日向「本当に君は生活のために戦っているのかい?」


鷹志「そうだ、今の俺にははした金に命をかけることができる。」


日向「そうか、君にはもっと希望のようなものを感じたんだがね。」


鷹志「それが何か俺にもわからないがとにかく今日は手前を始末して終いだ。」


日向「そうか、しかしそれが希望だった時、それを打ち砕くのは僕だ。」


鷹志「やれるもんならやってみろぉぉぉ!!!」


再び2人は至近距離の戦闘を繰り広げた。

撃ってはよけ、斬っては避け、飛んだり回ったり、関節技を決めたと思えば切り返され、斬ったと思えばピストルのグリップで攻撃を阻止される。


日向「この動き、努力だ実力だなんてレベルじゃない…」


鷹志「何をブツブツ呟いてやがる!!」


ズドンッ!!


油断をついた鷹志だったが経験豊富な日向は難なく攻撃を避ける。


それどころか弾丸が尽きて装填に入ろうとした鷹志との距離を詰めて斬りかかろうとしていた。


鷹志は上着の中に手を入れ、マガジンを取り出そうとしていた。


日向「これで終わりだ!!」


日向は渾身の力で刀を振り下ろそうとした。








鷹志「かかったな…」


???「チャキン!!」


突然金属音のようなものが聞こえた、それとともに鷹志は筒状のものを投げていた。


日向「これは!?」


それとともに大きな音と強い光が発生した。


「ドォォォォォン!!」


日向「ぐわっ!!」


あまりにも強すぎた衝撃は日向を怯ませた。


さらに同じ衝撃が日向の真後ろからして日向は冷静にいられなかった。


日向「クソ!!目が!!」


強すぎる光は日向の目の網膜を瞬時に焼いた。

大きすぎた音は日向の鼓膜に傷をつけた。


右も左も分からない日向に鷹志は追い討ちをかけた。


腰に隠していたマチェットを日向に向かって投げた。


くるくると回転しながら日向に近づくマチェットは最後は日向の右手の甲に刺さった。


鷹志「勝負あったな…」


鷹志はとどめを刺さんと日向に近づく。

その足音はカツーンカツーンと倉庫内に響き渡る。


日向「よせ、来るな!!」


鷹志「だが四番倉庫に来いと言ったのはお前だ。」


日向「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


錯乱状態の日向にさらに鷹志は投げナイフを突き刺す。


日向「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


日向はあまりの激痛で気絶してしまった。



鷹志「ちぇっ、面白くねえ。」


そう言いつつ鷹志の腹は縦一文字に裂かれていた。


血は止まっていない。


鷹志「さっさと帰らねえとヤバそうだな、それと…こいつをどうにかしねえと。」


鷹志の目先には伊勢日向が横たわっていた。

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