鷹志、綾乃の高校デビュー
鷹志と綾乃は学校に来ていた。
転入生として朝から話題を集めた2人、鷹志は「クール系」として、綾乃は「静かだけどどこか天然」としてクラスメイトと仲良くした。
その日は大したこともなく綾乃と鷹志は帰宅しようとしていた。
鷹志(そういえばTAKASHIさんは何してんだろ…)
綾乃「ねえ、鷹志?」
鷹志「ん?」
綾乃「この人知り合い?」
鷹志が綾乃のほうに目を向けると落ち着いた感じの同い年くらいの男が立っていた。
白髪で眼帯をしている。
髪型は少し散らかっているが目鼻立ちがとてもいい。
鷹志(ボソッ「イケメンじゃねえか」
???「転入して来た鷹志君だよね、俺は伊勢日向っていうんだ、よろしく。」
鷹志「ああ、こちらこそよろしく。」
日向「へぇ、噂通り必要なこと以外は話さないって感じだね。」
鷹志「すまない、これからはこの学校に馴染めるように努力するよ。」
日向「頑張ってね、そしてこっちのお嬢さん、聞いてたと思うけど、俺は伊勢日向。よろしくね。」
綾乃「東城綾乃です、よろしくお願いします。」
伊勢は綾乃の自己紹介を聞くと優しく微笑んで鷹志に聞いた。
日向「君、部活しないの?俺剣道部なんだけど一緒にやらない?」
鷹志「俺、バイトしてるから部活できないんだよ。ごめん。」
鷹志は申し訳なさそうに伊勢に返した。
すると伊勢は鷹志の耳元でこう呟いた。
日向「それって、『殺し』のバイト?」
鷹志「!?」
鷹志は驚いて一瞬固まった。
何せ伊勢日向の口からそんな言葉が出てくるとは思わなかったからだ。
日向「冗談だよ、とりあえず携帯番号交換しよう。」
伊勢日向は鷹志とだけ携帯番号を交換して2人と別れた。
綾乃「あの人、とっても優しそうね、惚れちゃいそう。」
鷹志「……」
綾乃「あっ、鷹志妬いてるの?」
鷹志「そう言ったらお前は満足か?」
日向「さぁて、準備は整った。あとは始末するだけだ。」
伊勢日向は鷹志の携帯番号を見てニヤニヤと笑っていた。
病院〜
とある病室にTAKASHIと枝吉の姿があった。
TAKASHI(ここは、何処だ。)
???「お目覚めになられましたね。」
TAKASHIの目の前にはナース姿の若い女の人がいた。
TAKASHI「ここは何処だ。」
ナース「ここは病院です、病院といっても民間を対象とした通常の病院とは異なります。」
TAKASHI「なるほど、面倒ごと起こした奴が運ばれる極秘的病院ってわけか。」
TAKASHIは自分が置かれている状況を理解した上でナースに聞いた。
TAKASHI「俺の愛銃は何処にいった。」
ナース「心配いりません、この病院を退院する頃にお返しする予定となっています。」
TAKASHI「俺はいつ退院できる?」
ナース「この病院は先生が怪我などを診察し、先生が治療しますが退院を決めるのは先生ではありません。」
TAKASHI「は?どういう事だ。」
ナース「ここに運ばれる患者は何かと忙しく、仕事の保険が効かない人がほとんどです。ですのでお急ぎの場合はすぐにでも退院できます。」
TAKASHIは驚いた、何せすぐにでも自分の意思で退院できる便利な裏の病院があったのだから。
TAKASHI「今すぐに退院する、俺の愛銃を返してくれ。」
ナース「わかりました、こちらになります。」
ナースに手渡されたホルスターショルダーの中にはM1911、帽子の中にはマカロフが入れられていた。
TAKASHIが準備を進める中で枝吉は昏睡状態に陥っていた。
TAKASHI「この状態なら回復するだろう。枝吉、勝負は預けた。」
そう言うとTAKASHIは病室のドアを開けて満身創痍ながら街に出ていった。
???「この勝負、TAKASHIが勝ったと見るべきかな?」
???「何言ってるの、勝負はまだついていないじゃないか。」
???「どういうことだい?」
???「チェスはキングが負けを認めるまで続くんだよ。」
???「いよいよ殺し合いをチェスだなんて呼んで、君はあんな病室を建ててまで何をしたいんだい?」
???「決まっているじゃないか、永遠に戦争の余韻を楽しむんだよ。」




