3/142
アリスの鏡
踏みつける。踏みつける。踏みつける踏みつける
踏みつける踏みつける踏みつける踏みつける踏み
つける踏みつける踏みつける踏みつける。
そうやって踏んでやるとアイツは涎を垂らして喜
んだ。だからワタシは嫌で嫌で仕方ないけど、踏
んで踏んで踏んで踏んで潰してあげるの…。
潰してやるとアイツは赤い泡を吹いて喜ぶ。それ
はワタシの心臓を鷲掴みにする。
そうして汗にまみれたら鏡を見るの。
ワタシはその時だけ笑顔になれる。ワタシを笑顔
にしてくれる。毎日見飽きたワタシの顔が表情を
作るのよ。あぁ…また踏みつけなくちゃ…。