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使いと精霊 8

 今日中に済ませておきたい用事は後二つだ。

 デジレさんに邪霊の灰と魔核石を届けに行く事とそれ以外の魔境で手に入れた素材を換金したり強制呼集の報酬を受け取る為ギルドに行く事だ。

 どちらを先にしてもいいが丁度昼時で食事も取りたいので酒場の併設されているギルドに向かう事にした。

 街を歩く中飲食の屋台を幾つか目にしたが久しぶりにきちんとした食事がとりたかったのでそのままギルドに向かう。

 ギルドに入ってからも酒場の方からいい匂いがし楽しそうに飲み食いしている人達が見えたが先に用事を済ませる事にした。


 受付に魔境で手に入れた邪霊の灰と魔核石以外の素材を出し買取りを頼む。

 3日前に手に入れたオークの肉など値が付かないか買取りを拒否させるかとも思ったが問題ないと引き受けてくれた。

 有り難いが理由が知りたくなりオーク肉が腐敗に強いのか亜空間ポーチに何かあるのかと鑑定してみると亜空間ポーチの中は時間の進みが10分の1から20分の1に遅くなると鑑定出来た。

 今まで詳しく調べなかった自分の迂闊さに多少呆れるがこれからは少しだけ保存食のお世話になる回数を減らせそうだ。

 

 受付嬢が素材の査定と報酬の計算を進める間暇つぶしに壁に張り出されている依頼表を見ていると4日後に出発するダレンの街への定期商隊の護衛依頼があった。

 報酬は一人当たり日当銀貨1枚と少ないがランク不問で受けられるようなのでダレンの街に戻るにはこういった依頼に便乗するのが良さそうだが4日後というのは早過ぎる。

 だが次回の出発日が15日以上後になるなら早過ぎてもこの依頼に便乗した方が良いので受付嬢に尋ねてみよう。

 そう考えを纏めていると受付嬢から計算が終わったと告げられ素材の代金を俺の前に用意してくれたのでそれを仕舞いながらさっきの考えを尋ねてみると、定期商隊は週に一度ダレンの街に向かって出発しているそうで4日後の次は11日後位になるだろうと教えてくれた。

 11日後位なら丁度良いのでその定期商隊の護衛を受けたいと頼むと出発日の5〜6日前に護衛募集の依頼を張り出すのでその時に出直してほしいと言われた。

 仕方がないので礼を言って受付を離れ酒場の方に向かい200ヘルクの一番高い定食メニューを二人分頼み並んで座る。

 ティアは始め恐縮していたが問題ないと進めると屈託のない笑顔でお礼を言ってくれたので十分以上に元のとれた昼食になった。


 昼食の後は真っ直ぐデジレさんの工房に向かう。

 前回と同じように扉を叩くとすぐに招き入れてくれ取ってきた邪霊の灰と魔核石を渡した。

 渡した素材でどれほどの数が出来るか聞いてみると瓶そのものの在庫は5000程あり渡した邪霊の灰で1500程に付与が出来るらしく、魔核石の方は亜空間ポーチにするには少し足りないらしい。

 今後の予定として魔境で狩りを続け11日後位に出発する定期商隊に護衛として便乗しダレンの街に戻るつもりだと話すと瓶については出発の4日前までに素材を納めてくれれば出発の前日に引き渡すことが出来て、亜空間ポーチについては魔核石の数が揃えば2日で仕上げると確約してくれた。

 薬瓶は出発の前日に纏めて受け取る事にしてまた魔物を狩ってきたら素材を持って来る事を約束してデジレさんの工房を後にした。


 工房を出てもまだ夕方前だったが今日は宿で休むことにする。

 部屋を取った宿屋に戻ると予定より帰るのが遅れていた俺達を心配してくれていたようで無事で良かったよと声を掛けてくれた。

 夕食までの間は装備を脱いで部屋でゆっくりしティアと二人で宿の夕食を食べた後は生活魔術で身を清め結界を展開して久しぶりにティアに溺れて眠った。


 朝日を感じて目を覚ましまだ俺の左腕の中で眠っていたティアを起こして一緒にベッドから出る。

 俺より先に起きれなかったのをティアは恐縮するが何とか宥めて俺とティアを含む部屋全体に生活魔術を掛けて清浄化した。

 今日はアーツブックを読みに行くつもりなので鎧は必要ないが念のためティアには弓と短剣を俺は剣と盾を装備して部屋を出た。

 宿で朝食を食べ真っ直ぐミルネ教会に向かう。

 既知の人に対応してほしいので教会の外から魔眼でアリア嬢を探すともう図書館で掃除をしていたのでそこに真っ直ぐ向かい声を掛けた。

「お早う御座います。アリアさん。」

「セイジさんにティアさん、お早う御座います。」

「実はアリアさんにお聞きしたい事があるんですが、今お時間大丈夫ですか?」

「大丈夫ですよ。何か御用があるんですか?」

「はい、聞きたい事があります、精霊武装や精霊召喚のアーツブックはこの教会に在りますか?」

「残念ながら当教会にはありませし、恐らく他のどのミルネ教会にも無いでしょう。精霊に関してはエルフが専門なので大きなエルフの集落にならあるかもしれません。どうしても読みたいという事ならそういった場所を訪ねるしかないと思います。すみません。」

「あるかどうか確認したかっただけなのでアリアさんが謝る事無いですよ。ついでにもう一つ教えて下さい。今日はアーツブックを読ませて貰おうと思うので、転移法術とその関連アーツの物と速読スキルの物があるなら何処にあるか教えて貰えますか?」

「それらのアーツブックはあるので、わたしが取ってきますからあちらのカウンターでお待ちください。」

「ある場所を教えて貰えば自分で探しに行きますけど?」

「アーツブックを読むことを希望される方がいた場合教会の者が希望のアースブックを用意する決まりなんです。管理上の決まりなので次からも声を掛けて下さいね。ではアーツブックを用意してきますね。」

「お願いします。」

 

 アリア嬢と別れ図書館の一角のカウンターで待っているとすぐにアーツブックを持って来てくれる。

 アリア嬢に礼を言ってアーツブックを受け取りティアには速読スキルのアーツブックを読んでもらい、俺は転移法術のアーツブックに取り掛かった。

 昼時までにティアは速読スキルのアーツブックを読み終わったので一度教会を出て昼食を取った後は小剣スキルのアーツブックを読んで貰った。

 夕方までに俺もティアもアーツブックを読み終わりアリア嬢にアーツブックを返して礼を言ってミルネ教会を出た。


転移法術スキルを取得した

法術アーツ帰還転移を取得した

法術アーツ指定目標転移を取得した

法術アーツ記憶地形転移を取得した

法術アーツ帰還転移、法術アーツ指定目標転移、法術アーツ記憶地形転移は転移法術スキルに格納されます。


 宿に帰ると一旦部屋に引き上げティアにBPを使って精霊武装と精霊召喚のスキルを取得するよう命じ、実際に水の精霊で試させる。

 スキルを取得した事で発動速度や威力が上がったようで十分実戦でも通用しそうだ。

 ティアの見せてくれた水の精霊武装と精霊召喚を参考に俺も土の精霊で試してみると、


精霊武装スキルを取得した

精霊召喚スキルを取得した

精霊使役術スキルを取得した

精霊武装スキル、精霊召喚スキルは精霊使役術スキルに格納されます


 上手くスキルを取得出来たので試しをここまでにして夕食を取る事にした。

 宿で夕食を取った後は明日からまた魔境に向かうつもりなので部屋に結界法術を展開しティアに1回だけ相手をして貰い一緒に眠った。


 それからの10日間は転移法術の使用感を確かめながら3日掛けるカーズドエレメントの出る洞窟への遠征を3回行い、一回ごとに素材をデジレさんの工房に届け2回目が終わった所で亜空間ポーチに必要な魔核石の数が揃った。

 3回目に出発する日の朝に定期商隊の護衛依頼を受け、最後の日の午前中はデジレさんの工房を訪ねて薬瓶と俺とティアの亜空間ポーチを納めて貰い納品書を受け取った。

 午後からは午前中に聞いたデジレさんの助言に従い亜空間ポーチの効果を上げる空間法術と法術アーツ亜空間収納をティアと俺の順に覚えアリア嬢に別れを告げて宿に戻って眠った。


空間法術スキルを取得した

法術アーツ亜空間収納を取得した

法術アーツ亜空間収納は空間法術スキルに格納されます


 次の日の朝宿を引き払いダレンの街に向かう定期商隊の護衛としてミラルテの街を離れた。


お読み頂き有難う御座います。

ストックが尽きたので以降の投稿は3日に1度位になります。

大まかなプロットを作ってある所までは書き続けようと思っているので

お付き合い頂ければ幸いです。


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