第1話 ―不器用過ぎるQ.E.D.―
「……え。そ……です。いつか何かやるんじゃないかとは思っていたんです。普段はおとなしいですけど何かこう、内に秘めた凶暴さを感じるというか……」
秀作がソファーの上で目を覚ますと、なにやらぶつぶつと言いながらリビングを歩いて回る朱里の姿が目に入った。
そのまま視線を横に移すと、身体にシーツを巻き付けたロボ子がこれまた落着きなく部屋の中をキョロキョロと見回しては、興味津々といった様子で色々なものに触って歩いていた。
秀作が体を起こすと、跳び蹴りを食らった頭にズキッと痛みが走り、思わず「うっ」と声が漏れる。間違いなく本気の飛び蹴りだった。しかも土足の。下手したら死ぬぞ。
「あら、目が覚めたみたいね、犯罪者さん」
責めるように睨めつけながら、冷ややかな声で朱里が言う。
「お前……何してんだ」
「決まってるじゃない、インタビューの練習よ。幼馴染で家も近い私に真っ先に取材が来るのは間違いないんだから」
「あのなぁ……」
秀作は呆れた。
「誤解だって言ってるだろ」
「最初は誰でもそう言うのよ、このケダモノ」
朱里はどうしても秀作を犯罪者にしたい様子だった。秀作は困り果て、不思議そうに電話の受話器を持ち上げては戻しを繰り返していた金髪の少女に助けを求める。
「なぁ、そこの君、ロボ子だっけ?」
「はいっ!」
呼ばれたロボ子は元気よく返事をし、クルリと鮮やかなターンで声の方に振り向いた。
「お前からもさ、説明してやってくれよ。そもそもどうしてあんなとこから出てきたのかとかさ」
「うーんそうですね……」
ロボ子は腕組して「うむむ……」と小さく唸る。その拍子に右肩からシーツがずり落ち、むき出しの肩に金色の髪がハラリと流れ、秀作は思わずそれから目をそらす。
「ロボ子も良く覚えていないのですよ。どうも記憶が曖昧で……」
そういえばさっきもそんなことを言っていたな、と秀作は思い返す。
「可哀想に、恐怖で記憶を失くしているのね」
朱里はロボ子に歩み寄り、ずり落ちたシーツを戻しながら慰めるように頭をなでた。なでられたロボ子は良く意味が分からないようだったが、気持ち良さそうに目を細めた。
「そういえば、親父のことを知ってるんだよな? 俺のことも知ってたみたいだし。君も親父の被害者だ、ってことか?」
「あんたの被害者でしょ」と言う朱里の言葉を、秀作は無視する。
「いえ、被害者だなんてそんな! 博士にはとってもお世話になったというか、博士がいなかったらロボ子もいないというか!」
ロボ子は手をバタバタと動かしながら秀作の言葉を否定した。その動きにしたがってシーツがまたずり落ちるので、秀作はさらに視線を泳がせることになった。
「つ、つまり! ロボ子は博士に作っていただいたロボットなのです!」
「……」
「……」
沈黙が流れる。秀作も朱里も、自分の耳を疑った。
「あ、あれ?」
空気が凍ったことに気付いたロボ子は、慌てた様子で二人の顔を交互に伺った、
「ロボ子、何か変なこと言いました?」
「変なことって、あんた、どう見ても人間じゃない」
朱里はロボ子の頬をぷにぷにとつまみ、体中にペタペタと触る。「く、くすぐったいですよ」と身体をよじるロボ子は、どう見ても人間の少女にしか見えなかった。
一方、秀作は顎に手を当てて考え込んでいた。ロボット、と言うのは考えていなかった。実のところ、それまで秀作の頭には「コールドスリープ」と言う言葉が浮かんでいたのだ。
仮にあのガラスケースがその種類の特殊な睡眠状態を提供するものであり、低体温、低代謝での生命維持を実現していたのだとすると、少女を宅配便で送るという事も不可能ではない。そのような技術はSF小説で何度も読んだことがあったし、部分的に実用化が進んでいると言う話も聞いたことがあった。
だがあのガラスケースにはそのような高度な機能や、断熱効果すら装備されている様子がなかった。どちらかと言えば、ただの開閉機能付きのガラスの箱にしか見えなかったのだ。
そんなただの箱の中で、少女が眠り続けたまま長時間の運搬を経て、何事もなく送り届けられるということは考えにくい。それに、いくら藍作が常識を欠いたマッドサイエンティストだとしても、生きたままの少女をあんな狭苦しいケースに閉じ込めて郵送するようなことを行うとは考えにくい。
それからもう一つ、秀作は少女を最初に見た瞬間の「死体」と言う印象がどうしても頭を離れなかった。実際に死体を間近で見たことはない。しかし、目を閉じたままの彼女のあの姿は、どうしても「ただ眠っている人間」には見えなかった。彼女がロボットであると言うのなら、それら全てに筋が通る……
信じがたいことだが、目の前で起こったことを説明する必要がある、秀作にはそう思われた。
「あ、もしかして」
秀作は手掛かりに思い当って玄関に向かう。開けっ放しにしたダンボールの中にはすっぽりと収まる形でロボ子の出てきたガラスケースが入っていたが、よく見るとその脇には小さな茶封筒が挟み込まれていた。それを手に取ってみると、表にはボールペンで「秀作へ」と書いてあった。父の字だった。
糊付けされていない封筒の口を開きながら、秀作はリビングに戻った。
封筒の中には数枚の便箋が入っていた。秀作はソファーに腰を下ろしながら一枚目を読み始める。
秀作へ。
荷物の中身に驚いただろうが、ケースを開ける前に必ずこの手紙に目を通してほしい。
「おせーよ……」
思わず声に出して秀作は言った。相変わらずロボ子の「触診」を続けていた朱里が秀作の方を振り返り、手にした紙に目を留める。
「何よそれ」
「親父からの手紙。荷物……その子が入ってたダンボールに残ってた」
「ダンボール?」
「はい、ロボ子はダンボールに入ってこの家にやってきました」
「はっ?」
朱里は口をあんぐりと開けてロボ子を見つめた。
「ダンボールって、あの、玄関に置いてあったやつ?」
「はい! それより前のことはよく覚えていませんが、起動したのはあのダンボールの中でした」
ロボ子は確かに「起動した」と、そう言った。朱里は困ったように目を白黒させていた。
「まあ落ち着けよ朱里。とりあえずこれを読もう。何かわかるかもしれない」
「落ち着けってあんた、だって、あの女の子がほんとにロボットだって言うの!?」
「だからそれが分からないからこれを読もうって言ってるんだよ」
秀作は手に持った便箋をピラピラと揺らして見せる。
「騒いだって何にもならないだろ。こういう時こそ落ち着いて、やれることをやらないと」
そう言って便箋に目を落とす秀作を見て、朱里は毒気を抜かれたようにへなへなとソファーに腰を落とす。
「んで、何て書いてあるのよ」
「ああ、読み上げるよ」
妙な誤解を解くためにも、手紙の内容は朱里にも知ってもらう必要があると思われた。秀作は手紙の内容を声に出して読み始める。
『秀作へ。
荷物の中身に驚いただろうが、ケースを開ける前に必ずこの手紙に目を通してほしい。
まず彼女の紹介をしなければならない。彼女の名前はロボ子、私と母さんが一緒に作り上げたアンドロイドだ。
本来は研究内容については家族にも話すことは許されないが、今回は特別にそれを記す。私たちはここで高度な人工知能の研究をしていた。それを完成させることで、現在では人間にしか出来ない仕事の多くを機械でもこなせるようにする、というのが目的だった。
研究は難航した。いくつもの研究チームが独自の研究を続けたが、人間と同じように自由な発想で、柔軟な仕事が出来るロボットと言うものを作ることは出来なかった。
しかし私と母さんのチームは、遂にそれを完成させた。私たちの研究チームが採用した方法は、人工知能にどこまでも「人間らしさ」を追及するというものだった。そのために極限まで人間に似せたボディを作り上げ、そこにあらゆる意味で「人間らしい」人工知能を宿らせようとしたのだ。
体を持たない人間はいないし、人間は生きていくうえで、自分の「からだ」のことを完全に忘れることは出来ない。「脳みそ」だけを作り出そうとするのが、現代の人工知能の限界になっているのだと私たちは考えたのだ。
私たちの方針は周囲から馬鹿にされた。巨額の資金を投じて、人工知能ではなく人工身体を作り始めた私たちは、気が狂ったとまで言われ始めた。
だが、私たちは諦めなかった。そして研究は遂に実を結び、不可能を可能に変え、そこには完全な「人間らしさ」を獲得した感情さえ持ったアンドロイドが完成した。
それが、ロボ子だ。』
そこで秀作は一度言葉を切った。もう少し、名前頑張れなかったのだろうか……
ロボ子の方を見ると、再び部屋を歩き回りながら色々なものを手にとってはしげしげと眺めている。
朱里は秀作の隣で、納得がいかないように眉間に皺を寄せていた。
「私には良く分からないけど、なんとなく胡散臭いとしか思えないわ。だってあの子が人間じゃないなんて……どう見ても人間じゃない……」
「とにかく、先を読んでみよう」
秀作はさらに続きを読み上げる。確かに朱里の言うように、にわかには信じがたい話だと思った。だが秀作は、父親が意味もない冗談でこのような手紙を書く人間ではないことを知っていたし、何より両親は異常だとは思いつつも、その有能さは誰よりも高く評価していた。彼らの頭脳ならば、あるいは……
『ロボ子が完成したとき、私たちは歓喜した。これは歴史を変えるほどの大発明だと、そう確信した。私たちを馬鹿にしていた人々も、実際にロボ子を見ればその正しさを信じるしかなかった。
しかし、全てがそう上手くはいかなかった。ロボ子は確かに、完璧に「人間らしさ」を実現したと言えた。しかし彼女は人間らし過ぎたのだ。
彼女についての様々な議論が巻き起こった。人間らしすぎる、つまりは感情まで持った人工知能は「物」として扱われて良いのかという倫理的な論争もあった。人間と同じく「仕事を覚える」時間を必要とすることや、人間らしさのあまり「人間らしい失敗」、ヒューマンエラーさえも起こしてしまうという特性が、元々の開発目的から外れていると言う指摘もあった。
数々の論争には決着がつかず、結局研究所は私たちの研究成果をなかったことにすることを決定した。今回の研究資料と活かし、欠点を改良した新たな人工知能を設計する事が命じられた。
そして研究の成果物、ロボ子に関しては、スクラップ処分の命令が下った。』
「そんな!」
朱里は黙りかねたように声を上げた。この話の身勝手さは、秀作にも非常に不快な思いがした。二人とも話を完全に信じたと言うわけではなかったが、やはり目の前でぴょこぴょこと動き回るロボ子の姿を見ている以上、どうしても彼女に肩入れしてしまう気持ちがあった。
「とりあえず最後まで読もう」
秀作はそう言うと、続きを読み始めた。
『私たちはもちろん抵抗したが、研究所の圧力は思った以上に強く、もはや決定が揺らぐ事はなかった。
しかし感情豊かで天真爛漫な彼女は、今や研究チームの誰からも愛される存在となっていた。彼女をスクラップにすると言うのは、私たちにとってあまりにも残酷な命令だった。そこで私たちは何とか彼女を救うべく、処分が実行される日までに急ピッチで彼女のダミーを製作した。
作戦は上手く行き、何とか本物の彼女はスクラップ処分を免れたものの、彼女の存在が上層部に知れれば今度こそスクラップは避けられない。私たちはほとぼりが冷めるまで彼女を安全な場所へと避難させようと考えた。そうして彼女を一時的に休眠させ、お前の元へと郵送した。これがことの次第だ。
現在私たちは彼女のような「感情を持ったアンドロイド」の存在を認めてもらえるよう、様々な活動や研究を続けている。もしこれが実を結べば、もう彼女の身が危険に晒される事もないだろう。それまでの間、自宅で彼女の面倒を見てあげて欲しい。私たちの息子なら、きっと上手くやってくれると信じている。
それから、この件は本来厳重な機密として扱われるべきものだ。絶対に誰にも漏らさないように。特に、幼馴染の朱里ちゃんなんかにうっかり漏らしたりしないように気をつけて欲しい。お前はそういうところで少し抜けているから、そのことだけが気がかりだ。』
だから、おせーよ……と、秀作は呆れたように漏らす。
「あ、なんかごめん……」
朱里はバツが悪そうに笑った。
「でも、確かにスクラップとかは酷い話だとは思うけど、やっぱり私には信じられないと言うか、その、彼女が人間じゃないなんて……」
そう言って朱里はロボ子に目を移す。ロボ子は部屋の隅に置かれたアップライトピアノの鍵盤を一つずつ押さえては、色々な音が出ることに心底驚いたように目を輝かせていた。
そんな彼女の様子は、秀作の目にも人間の、ちょっと浮世離れしているけれどもそれでも普通の女の子にしか見えなかった。
手紙の内容には確かに筋は通っていた。本当に「感情を持った、人間そっくりのアンドロイド」なんてものが実現可能なのかと言う点を除いては、秀作の疑問にはほとんど答えが出たと言って良い。しかしその部分が問題なのだ。
秀作の父、藍作は何かの冗談でこのようなことをする人物ではない。確かに彼は常識を欠いていて厄介ごとをもたらしてばかりいるが、人を騙したりからかったりするようなことは考えもつかないような堅物だ。
だが秀作の母、瑞城は別である。彼女も優秀な研究者ではあるが、藍作とはまた違う意味で社会性を欠いている。良い歳して落ち着きのない彼女は、家を空けがちなくせに時折息子に悪戯するためだけにフラリと帰ってきたりする。
彼女の悪戯は時として度が過ぎており、中でも秀作がシャワーを浴びようとしたらシャワーヘッドから「もずく」が流れ出したことは未だに彼の心にトラウマとして残っていた。それ以来秀作は「もずく」が食べられない。
今回もそんな彼女の手の込んだ悪戯なのではないか?と秀作は少し考え込む。今にも扉を跳ね開けて「ドッキリ大成功」の看板を持った母親が部屋に飛び込んでくるのではないかと言う思いに駆られる。いやむしろ、そうなって欲しいと言う気持ちが半分くらいはあった。
秀作が考え込んでいると、朱里がソファーから立ち上がってロボ子のもとへと駆け寄った。ちょうどピアノの蓋を閉めて立ち上がったロボ子の前に立って、正面からその青い瞳をじっと覗き込む。鼻先の触れ合いそうな距離で見つめられたロボ子は「あの、えっ、えっと……」と困ったように目をぱちくりさせていた。
「ロボ子ちゃん、で良いのよね?」
「あ、はいっ。ロボ子はロボ子って言います……」
「あなた、本当にロボットなの?」
「はいっ、ロボ子はロボットのロボ子ですよ。アイサク博士に作っていただきました」
「うむむむ……じゃあそれを証明できる?」
「えっ、証明ですか?」
「そう、あなたが人間じゃなくて、正真正銘のロボットだってことを証明することは出来るかって聞いてるの」
「えっと、えっとそれは……」
ロボ子は困ったようにキョロキョロとせわしなく目を泳がせた。そんな彼女を見ていると、それが超高性能の人工知能だなんていうのがますます疑わしく感じられてくる。
そのとき、秀作は封筒の中に便箋が一枚残っていることに気付き、それを取り出した。そこには「追伸」から始まる文章が記されていた。
「おい朱里、もう一枚手紙が残ってた」
「読み上げて」
朱里は相変わらず熱心にロボ子の観察を続けながら答えた。秀作は手紙を読み上げる。
『追伸。ここまで読んでももしかしたらロボ子がアンドロイドだと信じてもらえないかもしれない。しかしそれは仕方ない。作った私が言うのもなんだが、ロボ子の完成度の高さは驚くべきものがある。普通は人間にしか見えないだろう。
もしも彼女がアンドロイドだと確かめたければ、彼女の後頭部を確認して欲しい。そこには小さなスイッチが隠されているはずだ。』
そう聞いた朱里は、ロボ子の頭に手を回して髪の毛の中をまさぐり始めた。
「やっ、ちょっと、くすぐったいですっ」
と、ロボ子は体を震わせて笑い声を上げた。朱里がその髪の毛をかきわけるように頭の形をなぞっていると、その中に一部感触の違う場所が見つかった。
「ん、ホントに何か固いものが……」
『そのスイッチを素早く二回押すと――』
朱里はその固い部分を、素早くカチカチと二回押し込んだ。
『強制スリープモードに入る。』
「えっ」
その瞬間、くすぐったがっていたロボ子はピタリと動きを止め、膝から崩れ落ちるようにしてバランスを崩した。
「わわ、ちょっと待って!」
朱里は慌ててロボ子を支える。しかし完全に全身の力が抜けているロボ子は、ダラリと四肢を垂れて全体重を朱里に預ける形になった。小柄な朱里では一人分の体重を上手く支えきれず、思わず膝をついてロボ子の体を床に横たえた。
「ちょ、ちょっと秀作、この子……」
朱里は言葉が続かない。しかしそれは秀作も同じだった。秀作の頭には初めて彼女を見たときのあの印象が再び蘇っていた。
唐突に倒れたロボ子の顔にはくすぐったそうな表情がそのまま張り付いていたが、開かれたままの目には全く生気が感じられなかった。全身の力も本当に抜け切っており、もしもこれが演技だとすればもはや一流女優とか言うレベルではなかった。
一瞬あっけにとられた秀作は、慌てて続きを読み上げる。
『同じスイッチを長押しすれば、スリープは解除される。』
それを聞いて朱里は急いでロボ子の後頭部をまさぐった。先ほどのボタンを見つけて長押しすると、ロボ子の青い瞳にスーッと生気が戻ってくる。目を覚ました彼女は状況が分からないようで、その大きな目をぱちくりとさせた。
「あれれ、ロボ子どうしちゃったんでしょうか?」
相変わらずのんきな声を上げるロボ子は先ほどと全く変わった様子がなく、二人は安心して胸をなでおろした。
「ったく、お前はいつもそそっかしいんだよ……」
「うう、ごめん……」
朱里にしては珍しくやけに素直に謝ったので、秀作は逆に少し申し訳なくなった。ぺたりと床に座り込んだままの彼女の目にはうっすらと涙が浮かんでいて、自分のせいでロボ子が倒れたことが余程怖かったのだろうと思われた。
「まぁほら、一応何事もなかったことだし良いけどさ」
秀作は慌ててフォローを入れる。朱里は小さく「うん」と返して、指先で目頭を拭った。
「にしてもこれで、一応は証明されたな……」
「されちゃったね……」
秀作と朱里は顔を見合わせ、それからキョトンとした様子で体を起こしたロボ子を見つめた。二人の視線を受けて戸惑いながらも「えへっ」とにこやかに笑う彼女は、相変わらず本物の人間にしか見えなかった。
どうしたものか、と秀作が手元の便箋に目を落とすと
尚、急に倒れると危険なので、必ず彼女を座らせてから試す事。
と書いてあった。……おせーよ。
多分次から一話完結に移れると思います!