魔王と勇者のクリスマス
滑り込みセーフ!多分これが3本目だと思います。
和久名クリスマス回書きすぎィ!
「メリークリスマス、コンコルド……」
手足を縛られ、身動きの取れない俺の顔のとなりにクリスマスツリーを置いた。短冊が有り、てっぺんにはハートがあり、電飾はピンク色に偏っているなど、色々と突っ込みどころ満載のツリーだった。
ツリーを設置したディアは、身動きを取れなくなっている俺を抱き締めて言った。
「……コンコルド、何も心配はいらない……わたしがコンコルドを守ってあげる……ずっと……ずうっと……一万と二千年先まで……ずっと……ね?」
混沌としたツリーの天辺に光るハートの光が俺達を照らしていた……
「……なあディア、ひとついいか? ……なんで俺、縛られてるんだ?」
「……クリスマスは好きな人と一緒に過ごす日だから」
「俺達が勇者一行として巡った国にもそんな風習があったからそれは知ってる。……仲間内で慰め合ってた記憶しかねぇけど」
「……だからコンコルドが逃げないように」
「縛る必要ねぇし、そもそも俺が逃げるわけねぇだろ!」
色々あってとある学園の理事長になったから、その仕事が忙しいのかは知らないが最近ディアと一緒にいられる時間が少なかった。だから少し寂しかったのもあるとはいえ、ついつい言ってしまった……
というより、5年前の告白と同じように、考えるよりも先に口に出てしまった……
「……コンコルド、改めて……一緒にクリスマス……」
「……ああ、分かったよ」
自由の身になった俺は、ディアの許可を貰って一旦部屋に戻った……ある物を取りに帰るためだ。
「……コンコルド? その小さな箱……もしかして……」
手の平に持った小さな箱の形と大きさで、何が入っているのかを察したディアが、俺の言葉を待っていた……プレゼントと一緒に捧げられる言葉を……
「……あのなディア……この指輪は俺からのプレゼントだから」
「……見て、コンコルド……綺麗な指輪……このキングストーンもなかなか素敵……ありがと」
薬指に指輪をはめ、ディアは頬を緩ませながら言った。
喜んでもらえて何よりだ。色々ないざこざでようやく渡すことが出来た婚約指輪なのだから、予算を度外視して出来るだけ良い物を作ってもらった甲斐があっただろう。
「ねぇコンコルド……コンコルドの分の指輪はあるの?」
「…………」
言えない……ディアの指輪に予算の大半を使ったから俺の分が作れなくなったなんてとても……
「……コンコルド、ちょっと待ってて」
俺の表情で大まかな部分を察したディアが、どこかに出掛けていった……
数分後、ディアが自身の指輪に近いものを、俺の手を取って手渡してきた。
「フィオナに急いで作ってもらったけど……コンコルドの指輪」
「……ありがとうな、ディア」
「……はきゅーん」
ディアが何故か自分の心臓の辺りを押さえたのだが、何があったのかは分からない。




