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幕間/卑怯でも姑息でも……

 コランの最終兵器、鋼鉄の巨人『ネフィリム』は一歩、また一歩と、ディア達の城へと歩みを進めていた……城の中、撤退を余儀なくされたアリス信者、及び魔界軍はただただ祈っていた……否、祈ることしか出来なかった……ディアの復活、コンコルドの覚醒、先代魔王リリスの救援を、ただ祈ることしか出来なかった……

 だが、1人だけは……テスタロッサだけは、動かずに、祈り、待つということもなく、街の外壁で迎え撃とうとしていた……たった一人……仲間のアリス、そしてコンコルドにさえ何も告げずに、城の中の逃走用の抜け道からこっそりと抜け出して、一人迎撃のために外壁へと向かっていた……

「ここが街の端か……」

 城から、民家の屋根を飛び移って街の外壁へとたどり着いたテスタロッサが、冷めた声でひとり呟いた。

『おや? ククク……どこのネズミが踏みつぶされにやってきたと思えば……テスタロッサではないか!』

「フン、僕の力を見くびっているのか……」

『見くびる? ……クッハハハ! お前の力など所詮は手品のようなものではないか! タネの分かっている手品ほどにつまらないものはない! お前には退場願おう!』

 そう言って、『ネフィリム』はテスタロッサに拳を振るった……振るおうとした……

 だが、その拳は『ネフィリム』自身を殴った。

「僕の隠された力……いや、誰にも見せていなかった力、銀色の弾シルバーバレット……憑魔を退けられる数少ない道具の名から取ったが、悪い国に取り憑いた極悪人のお前にはこの上無く相応しいだろう?」

 まるで人形師のように『ネフィリム』を操り、時間を稼ぐように翻弄しながら、テスタロッサが呟く……

「コンコルド、早く来い……」


テスタロッサ「ちゃんと裏人格について分かっているのかって? 分かってるもなにも、自分の事だけど?」

(訳 裏表がどうこう以前に私、テスタロッサの人格は元々1つですがなにか?)

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