第八十七話
新章開始。
霊夢は懐夢、慧音、魔理沙、早苗、文を連れて、天志廼への入り口があるとされる妖怪の山の奥を目指して進んでいた。この前来た時には籔蚊の群れに襲われて身体のあちこちを刺されたが、秋になったからか、全く蚊に刺されるような事はなかった。霊夢はしめたと言わんばかりに歩みを進めたが、八俣遠呂智の封印の地があったところを越えても、扉は見えてこなかった。
目的地がなかなか見えてこない事に、魔理沙は不信感を募らせたような顔になって懐夢に尋ねた。
「なぁ懐夢。天志廼っていう街の入り口はどこなんだ。お前が知ってるって霊夢から聞いたわけだけど」
懐夢は辺りを見回しながら、答える。
「もうすぐのはずなんだ。山の中に大きな扉があって、ぼくはそこに案内されて、天志廼に入ったから」
早苗が懐夢に声をかける。
「道順は覚えているのでしょうか」
懐夢は頷いた。
「あったところがどのへんなのかは覚えています。でも扉そのものの正確な位置はうろ覚えです」
文が腕組みをする。
「というか、空から見つける事は出来ないんでしょうか。随分と歩いている気がしますけど……」
懐夢は振り返り、文と顔を合わせながら頷いた。
「天志廼から出てきた時には空を飛んでもいいけれど、天志廼を目指す時には歩きじゃないと無理だよ。だって、扉は空からじゃ見つけられないみたいだから」
慧音が不思議そうな顔をする。
「空からでは視認できないだと?」
「はい。天志廼への扉のある場所には特徴というか、目印になるものがないんです。
だから大体の位置を覚えておくくらいしかできなかったんです。紫師匠は扉の位置がわかってるみたいで、すんなりと扉の前に導いてくれましたけど……」
霊夢が呆れたような顔をする。
「その紫も今は不在だからねぇ。私達で探すしかないわけだけど、それでもこんな山の中で扉を探すには骨が折れそう……」
魔理沙が溜息を吐く。
「そうだなぁ……でも今が夏じゃないだけましだな。夏だったら暑いし蚊に刺されるしでやばかっただろうな」
文が困ったような顔になる。
「それでもこんな木の生い茂る山の中で扉を探すのはすごく難しいですよ。ちょっと軽く飛んで辺りを見回してきましょうか?」
慧音が頷く。
「文と同感だ。歩きで探すより、木の間を縫うように飛んで探し回った方が効率的だ」
懐夢が困ったような表情を浮かべて文と慧音に交互に目を向ける。
「そうですけど……」
懐夢達の会話を耳に入れながら、霊夢は考えていた。
確かに慧音と文の言う通り、このまま徒歩で探し続けたら、一日丸ごと使ってしまう事だろう。そんな事になるくらいならば慧音と文の提案に乗り、木の間を縫うように飛んで探し回った方がよっぽど効率的だ。だが、そんな事をしたところで闇雲に探す事に違いはない。
(どうにかして早急に見つけ出したいところだけど……)
そう思ったその時だった。霊夢は誰かに呼ばれたような気がして、その場に立ち止った。
<黒服>が現れたかと思って一心不乱に辺りを見回したが、どこにも<黒服>の姿は見当たらなかった。それどころか、<黒服>の持つ独特の気配そのものが感じられないため、<黒服>ではない事がすぐにわかった。
では誰が自分を呼んでいるのかと思ったその直後、森の奥の方から呼ばれたような気がして、霊夢はその方向へ視線を向けた。言葉は聞こえないが、こっちに来てくれ、こっちに来てくれと頭の中に呼びかけてきている。
「誰?」
霊夢が呟くと、周りにいる者達が霊夢へ視線を向け、不思議そうな顔を浮かべ、その内の一人である魔理沙が言った。
「どうしたよ霊夢」
霊夢は辺りを見回しながら、答える。
「誰かが呼んでる。私の事を、呼んでる」
懐夢が霊夢へ顔を向ける。
「霊夢もなの?」
霊夢が驚いた様子で懐夢と目を合わせる。
「貴方もなの?」
懐夢は頷く。
「うん。森の奥の方から、呼ばれてる気がするんだ」
「どの方向から?」
懐夢は「あっちの方から」と言って、北を指差した。
その方向に目を向けて、霊夢はまた驚いた。懐夢の指差した方向は、自分を呼ぶ気配を感じる場所と同じだった。
(懐夢も、私と同じところから呼ばれてる?)
心の中で呟くと、魔理沙が心配そうな顔をして二人に声をかける。
「どうしたんだよ二人とも。呼ぶ声なんて聞こえないぜ?」
霊夢は静かに答える。
「当たり前よ。だって、声じゃない声で呼んでるんだもの」
文がカメラを構えて、楽しそうな顔をする。
「なるほど、声なき声で二人を呼ぶ存在ですか。それは撮り甲斐がありそうですね」
慧音が霊夢達と同じところに目を向ける。
「探しに行くのか、それを」
霊夢は頷いた。
「天志廼の扉を探さなきゃいけないけど、呼ばれ続けてたら集中できないわ。何が呼んでるかも気になるし。悪いけどみんな、確認しに行っていいかな」
霊夢が振り向くと、一同は頷いた。
皆が賛成してくれたことを確認すると、懐夢に声をかけた。
「懐夢、行こう。私達を呼んでる存在を確認しに」
懐夢は頷いて、歩き出した。霊夢も同じように歩みを進め始め、他の者達は霊夢達を追って、森の奥の方へ歩んで行った。
しばらく歩いていると、霊夢は自分を呼ぶ声のようなものがどんどん大きなものへと変わって行くのを感じた。間違いなく、この先に自分達を呼び寄せる何かがある。それが何なのかは全く見当が付かないが、気になって仕方がなくなり、霊夢は歩調を速くして、先頭を歩いていた懐夢よりも前に出た。しかし、懐夢もまた同じように自分を呼ぶ存在の事が気になったのか、霊夢と同じような歩調で歩きはじめ、やがて霊夢の隣に並んだ。他の者達は特に何も言わずに二人を追って森の中を歩き続けた。
歩くのを開始してから三分程経った頃、霊夢と懐夢はとうとう自分達を呼ぶ存在を見つけ出して、立ち止まり、そして唖然とした。
自分達の呼んでいた存在。それは複雑な模様の入った、とても大きな、石造りの扉だった。
「扉……?」
文が扉を見上げて呟く。
「妖怪の山に、こんな扉があったなんて……」
その時、慧音は扉の上の方に何かが彫られている事に気付き、その部分を注視した。そこには『天門扉』という文字が書かれていた。
「天門扉?」
一同は慧音に注目し、早苗が尋ねる。
「てんもんぴ? てんもんぴってなんですか?」
慧音は文字が彫られている部分を指差した。
「この扉は天門扉というそうだ。あそこにそう書いてある」
霊夢は慧音の指差すところに目を向けた。
確かに、天門扉と書いてある。
「天門扉……これが私達を呼んでいたのね……でもなんで……」
霊夢は懐夢を横目に見て、きょとんとした。
懐夢は自分達よりも唖然とした様子で目の前の天門扉を見つめていた。
「懐夢? 懐夢どうしたの?」
懐夢は呟くように言った。
「これ……天志廼への扉だ」
懐夢が言葉を発すると、一同は一斉に懐夢へ視線を向けて、そのうちの魔理沙が問うた。
「こ、これが天志廼への扉だって!?」
懐夢は頷いた。
「うん。ぼく、天志廼へはここを通って行ったんだ。その時には紫師匠が道を教えてくれたんだけど……ここにあったんだ」
文が目を輝かせて、天門扉を見つめる。
「という事は、この先に神秘の街、天志廼があるって事なんですね!」
霊夢もまた同じように天門扉を見つめた。懐夢が言っているのだから、これが天志廼へ扉である事は間違いない。そしてこの奥に、ずっと会いたくないと思っていた凛導もいて、懐夢に武術を教えて、化け物へと変えてしまった霊紗もいる。
「行こう。私達はそのためにここに来たんだから」
魔理沙が頷いて、一同の前へ出た。
「そうだな。よし、早速扉を開けてやろうじゃないか!」
魔理沙は天門扉へ向かうと、扉に手をかけて、襖を開くが如く扉を開こうとした。しかし、魔理沙がどんなに手を動かしても扉は動く気配を見せなかった。
いくら魔理沙が開けようとしても扉が開かない事に一同は不思議がり、早苗が声をかける。
「魔理沙さん? どうしたんですか?」
魔理沙は力を込め、顔を真っ赤にするが、扉はびくともしない。
「なんだこれ、なんだこれぇ! ひ、開かないッ!」
慧音が腕組みをする。
「開け方が悪いのではないか?」
魔理沙は「そっか」と言って何かを思い付いたような表情を浮かべると、「これならどうだ!」と言って扉を押し始めた。それでも開かないとわかるや否、今度は扉を引き始めたが、それでも尚扉は動かなかった。
どんなに開け方を変えようとも、扉は一向に動く気配を見せなかった。それは魔理沙が奇声を上げながら力を込めても変わらなかった。
「んぎぎぎぎぎぎ―――ッ!!」
奇声を上げながら動かぬ扉に貼り付く魔理沙に霊夢は溜息を吐き、声をかけた。
「魔理沙、開かないと思ってんなら諦めなさい」
文が苦笑いする。
「というか、こんなに大きな石扉を手で開けようって時点で無理な気がしますが……」
魔理沙は石扉に寄りかかる形で座り込むと、荒くなった息を整えようと胸に手を当てた。
「畜生……開くと思ったのに、なんなんだよこの扉! びくともしないぜ」
霊夢は魔理沙に退きなさいと一声かけて、魔理沙を扉から退けると、扉の前に立って天門扉を見上げた。まるで石造りの建物のように聳え立ち、手で開けることは不可能と思われる扉は、まだ自分の事を『呼んで』いる。「早く来てくれ」、「早く来てくれ」と呼び続けている。
一体なんだと言うのだろうと思って扉に触れたその次の瞬間、しっかり閉まった戸と戸の間に鋭い光が走った。そしてその直後、魔理沙がどんなに力を込めても動かなかった石造りの扉が、轟音を立てて開き始めた。突然扉が開いた事に一同はまたまた唖然としてしまい、今まで扉を開けようと必死になっていた魔理沙が霊夢へ声をかけた。
「ちょ、霊夢、お前何やった!?」
霊夢は振り向いて、首を横に振った。
「な、何もしてないわ! いや、強いて言えば扉に軽く触れたくらいかしら……」
慧音が驚いたまま言う。
「霊夢に呼応して開いたとでもいうのか?」
早苗が両手で口を覆う。
「そ、そんな事が……」
文がさらに目を輝かせる。
「な、何にせよ天志廼への扉は開かれました!
この先に広がるは、神秘の街、天志廼!」
懐夢が霊夢の隣にそっと並ぶ。
「行くんだね、天志廼に」
霊夢は頷いた。
「そうよ。ほらみんな、行くわよ!」
霊夢は一同に声をかけると、天門扉の中へと足を踏み入れ、そのまま歩みを進めた。
一同は先程と同じように霊夢と懐夢の後を追うようにして歩みを進め、やがて天門扉の中へと入りこんだ。
*
扉を抜けきったところで、一同は扉に出くわした時のように唖然としてしまった。
山の中にぽつんと建っていた扉の向こうに広がっていたのは、人間の里のような街だった。一同は目の前に広がる街を見るなり、人間の里の街に戻って来たのかと思ったが、行き交う人々が纏う、人間の里に住む人々のそれよりも少し豪華な服装、街並みや活気の違いで、ここが人間の里の街ではない事を悟った。それに、少し遠くの方に人間の里の街にはない、水蒸気と思われる真っ白い煙を吐き出す無数の煙突が付けられている、山のような形をした大きな建物が数件建っている。そしてそれよりも奥には妖怪の山のように大きな山も見える。
これまで見た事がない程の街並みを見ながら、霊夢は呟くように言った。
「ここが、天志廼?」
懐夢は頷いた。
「そうだよ。あの山みたいな形をした建物があるでしょ? あれが天志廼の踏鞴製鉄所。あれを見れば、ここが天志廼だってわかるんだよ」
慧音が辺りを見回して呟く。
「ここが天志廼……何と大きな街だ」
早苗が街の奥の方へ視線を送る。
「大きいどころじゃありません。人間の里の街よりも、西の町よりも大きいです」
文が興奮した様子でカメラのシャッターを切る。
「うっひゃぁぁぁ! すごい! こんな街があったなんて、大スクープどころじゃありません!!」
魔理沙が驚愕した様子を見せる。
「どうなってんだおい。妖怪の山の奥にこんなでかい街があるなんて、聞いてないぜ?」
早苗は振り返り、天門扉のある場所を確認した。天門扉は変わらずあったのだが、天門扉の左右にとても長い壁が広がっているのが見えて、早苗は驚いた。こんな壁は、妖怪の山の中から見た天門扉にはなかった。
「なんですか、この壁は」
一同は振り返り、早苗の言う壁に目を向けて驚き、そのうちの慧音が言った。
「天門扉の周囲に壁が? こんなもの、さっきまであったか?」
魔理沙は首を横に振る。
「いや、なかったぜ。なんだこの壁」
他の者達が先程までなかったはずの壁を不思議がる最中、懐夢は一同の様子を伺うように見ていたが、そのうち隣にいる霊夢が一同の見ている方向とは全く違う方向を見ている事に気付き、霊夢の方へ顔を向けた。
霊夢はじっと街の奥の方を見つめたまま動かなかった。目線の先に何かあるのだろうかと思ってその場所に視線を向けてみたが、そこには街が広がっているだけで特に何もなかった。強いて言えば奥の方に踏鞴製鉄所が見えるくらいだろうか。
「霊夢、どうしたの?」
霊夢は懐夢に目を向けないまま、静かに言った。
「なんだろう。初めてきたはずなのに、私、ここを知ってるみたい」
懐夢はきょとんとした。
「え? どういう事? 霊夢はここに来た事があるっていうの?」
霊夢は眉を寄せた。
「というよりも、ここで過ごした事があるような気がするのよ」
懐夢は「え?」と言って驚いた。霊夢は元々街の貧しい夫婦の子供として生まれて、すぐに先代の博麗の巫女の元に渡されて、博麗の巫女の後継者として育てられたと言っていた。そして、天志廼に行った事もないと言っていたから、天志廼に来たのは今日が初めてのはずだ。
「霊夢は天志廼には初めて来たんだよね?」
霊夢は頷く。
「えぇ。そのはずなんだけど……なんだろう、この感じ」
霊夢は少し顔を険しくして天志廼の街並みを眺めたが、すぐに何かを思い出したような顔になって、懐夢と顔を合わせた。
「そうだ、懐夢。ここが天志廼なのよね?」
懐夢は頷いた。
「そうだけど」
「じゃあ、早速だけど貴方が修行をした場所に私達を連れて行ってくれないかしら。
そこに貴方の師匠の、霊紗がいるんでしょう」
懐夢はもう一度頷き、街の奥の方へ顔を向けた。
「ぼくが修行をしてた場所は街のすごく奥の方だよ。あの大きな山が見えるでしょ? あの山の麓にある神殿みたいな建物で修行してたんだ」
霊夢は懐夢が目を向けるところに同じように目を向けた。
「なるほど、そこに霊紗がいるのね」
霊夢は振り向き、慧音に声をかけた。
「慧音、聞こえた? 問題の霊紗はあの山の麓の神殿みたいなところにいるらしいわよ」
それまで壁を見ていた慧音は霊夢の声でハッとし、振り向いた。
「本当か!」
慧音は壁から離れ、霊夢の隣まで駆け寄ってくると、街の奥の方に見える山へ目を向けた。
「あの山なのだな? あの山の麓に、霊紗がいるのだな?」
懐夢が慧音の方に顔を向け、頷く。
「そうです。霊紗師匠はあそこにいます。紫師匠はどこにいるかわかりませんけれど……」
慧音は険しい顔をして、霊夢に声をかけた。
「霊夢、準備はいいな。霊紗の元へ行くぞ」
霊夢もまた険しい表情を顔に浮かべて、頷いた。
「準備はオーケーよ。懐夢の問題を、解決しに行きましょう」
霊夢は懐夢へ声をかけた。
「懐夢、面倒をかけるようで悪いけど、霊紗のいる神殿みたいな建物まで案内して頂戴」
懐夢は頷き、霊夢の目の前へ歩み出た。
「わかった。案内するね」
霊夢は「お願い」と懐夢に一声かけると、振り向いて残った三人に声をかけた。
「魔理沙、早苗、文。行くわよ」
霊夢の声に気付いた三人が霊夢の元へ集まり、懐夢が霊紗のいるところまでの案内を開始しようとしたその時だった。
「懐夢、貴方が案内する必要はないわよ」
どこからともなく聞こえてきた声に、一同は立ち止まり、辺りを見回した。
非常に聞き覚えのある声だった。それこそ、今会いたいと思っていた者の声にとても似ている。
霊夢が辺りに目を配りながら呟いた。
「今の声って……!」
霊夢が言った直後、霊夢達の目の前の空間が裂けてスキマとなり、中から人が出てきた。
その人物をはっきりと見るなり、霊夢は悲鳴を上げるように言った。
「ゆ、紫!」
スキマから突然現れたのは、懐夢の師匠の一人であり、懐夢に修行を付けてから行方をくらましていた紫だった。
かつて自分に術式などを教えてくれた師匠の出現に、懐夢もまた、霊夢と同じように紫へ声をかけた。
「紫師匠!」
紫は懐夢の言葉に答えを返さず、ただ俯いていたが、やがてゆっくりと顔を上げ、霊夢と目を合わせた。
「……ここまで来てしまったのね、霊夢」
霊夢は両手を腰に当てて、眉を寄せた。
「えぇそうですとも。懐夢にとんでもない修行を付けさせた師匠とやらに会うためにね」
紫は表情を変えぬまま言った。
「懐夢の師匠……霊紗の事ね」
慧音が腕組みをする。
「やはり知っているのだな、霊紗を」
紫は答えを返さず、霊夢に問うた。
「霊紗に会いたいのね、霊夢?」
霊夢は頷いた。
「そうよ。そのために来たって今言ったはずだけど」
紫は懐夢と顔を合わせた。
懐夢は突然目を合わせてきた紫に首を傾げる。
「どう、したんですか、師匠」
紫は何も言わずに懐夢を数秒ほど見つめた後、霊夢の方へ目線を戻した。
「……いいでしょう。霊紗に会わせてあげるわ。懐夢、案内は私がするから、付いてきなさい」
懐夢は「はい」と答えて霊夢の隣に並んだ。
そして紫が身体を街の方へ向けて歩き出そうとしたその時、慧音が呼びとめた。
「お、おい紫!」
紫は立ち止まった。
「……詳しい話とかは霊紗のところに着いたら話すわ。今は私に付いてきて頂戴」
そう言って、紫は街の中へと歩き始めた。
霊夢はどうも腑に落ちなかったが、ここは紫に従うべきだと思い、一同に「行くわよ」と声をかけると、紫の後を追うように、天志廼の街中へと歩き出した。
次回、懐夢の師匠登場。




