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不浄の闇堕ち

「くうおおおおおおおおぉぉぉ……!!」

不浄魔王メテ王の叫びは、もはや人の喉から発せられるものではなかった。ドロドロと溶け出した怨嗟の闇が、彼の肉体から無数に突き出し、槍のような腕となって清兵衛たちへ襲いかかる。


「まとめて喰らってくれるわ……! 貴様らを倒す手間が省けたというものよ!」

「——ぞおおおおおおおおおおいおい!」

戦場に醜い不気味な声が響いた。


ニャ王ま神の荒々しき魂と憑依合体した真雄マオが、一歩前に踏み出す。

清兵衛と魂を共有したことで、マオの瞳には陰陽術の計算式が走り、清兵衛の冷静さと魔王の爆発力が完璧にシンクロしていた。


「この醜き姿は、父上の心そのものだ……。そのドロドロの執着、僕がこの業火で焼き尽くしてやるよ!」


マオが掌を突き出すと、清兵衛の術式によって十倍に増幅されたニャ王ま神の「獄炎」が噴き出した。


紅蓮の炎が地下通路を埋め尽くし、迫り来る闇の腕を次々と灰へと変えていく。ジュウジュウと、悪意が蒸発する悍ましい音が響き渡る。


「ぐぬぬぬぬ……!! お前たち……どこまでも、あくまで私に逆らうというのか……!!」

焼き切られた腕から立ち昇る黒煙の中、メテ王の顔が歪んだ憎悪によってさらに醜く変容していく。


「ならば見せてやろう……。メテオを呪い、世界を呪う、真なる闇の深淵を!」


メテ王の意志が、周囲に漂う数千の残留思念を強引に引き寄せた。それはもはや「取り込む」というレベルではない。闇の魔王そのものと、メテ王という個の欲望が、完全に、そして不可逆的に融合を開始したのだ。

ズズズッ、ズブブブ……!!


「ああ……あああああ……ッ!! 私は王だ……! 世界を統べる、唯一無二の、最強の大魔王だぁぁぁ!!」


メテ王の身体が、膨れ上がる欲望のままに巨大化し、天井を突き破らんばかりに膨らみ始める。壁を侵食し、城の基礎さえも飲み込んでいくその姿は、まさにメテオの国が生んだ「闇の化身」そのものだった。


「清兵衛、マオ! こいつ、城全体を飲み込んで自分自身を巨大な『闇の心臓』にするつもりよ!」


背後で結界を維持していた桜花が叫ぶ。


「……させるわけにはいきません。マオくん、桜花ちゃん、私たちの力を一つに合わせますよ! 『陰陽魔王』の真骨頂、お見せしましょう!」


完全融合した闇の怪物へと変貌していく実の父を前に、清兵衛と双子の魔王、そして二体の式神は、メテオの歴史に終止符を打つべく、究極の浄化術式を練り始めた。

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